2013年3月30日土曜日

3人のアンヌ

このブログは映画についての記事へのアクセスが非常に多いです。特に、アカデミー賞ドキュメンタリー賞受賞の某映画は1ヶ月で1500を超えるアクセスです。
というわけで、労働問題よりも映画の記事の方が受けるのか、と思い、映画の紹介を。
韓国のホン・サンスという監督は、韓国のエリック・ロメールとか、韓国のゴダールとか言われて、フランスなどでは大変な人気があるようです。
私もこれまでに数本見ていて、確かにロメールに似た作風なのですが、イマイチ、好きとはいえない。韓国映画だったら、もっと違うタイプの映画の方が好きだ、と思うのです。
つまり、韓国の現実を描くとか、シリアスなタイプ。
しかし、ホン・サンスの映画は、そういうシリアスなタイプではなく、なんとなくほんわかとしたコメディというか、うーん、そこがロメールみたいなんですが、ロメールと違って、韓国の映画の男優はイケメンじゃない。テレビドラマはイケメンが多くて、日本の女性にも大人気なのですが、映画の方は芸術的なものほどイケメンじゃないのです(女優は美人ばかり)。
そのあたりが、ちょっと、ロメール的な人気が日本では出ないだろうと思うところです(かつて、日本ではロメールの映画が大人気だった時代があった)。
で、この「3人のアンヌ」ですが、フランスの女優イザベル・ユペールが3人のアンヌを演じています。その3人のアンヌの3つのエピソードが描かれる映画なのですが、3つのエピソードではアンヌはそれぞれ違う人物なのに、他の登場人物は同じ人物、という映画です。
特に、ライフガードで、夜は近所のペンションの手伝いをしている男がアンヌに恋をして、3人のそれぞれ違うアンヌとかかわりを持ち、それが1つのストーリーになっているという映画です。
確かにとても面白くて、ホン・サンスの映画としてはこれまで見た中で一番楽しめました。
台湾のアン・リーがアカデミー賞の監督賞を受賞しましたが、韓国の監督も、ホン・サンスはフランスで人気、「JSA」や「オールド・ボーイ」のパク・チャヌクは「イノセント・ガーデン」でハリウッド進出と、アジアの監督が欧米に進出しているのはいろいろと思うところがあります。で、日本の監督は?

2013年3月29日金曜日

花見

もうラストチャンスかもしれない、毎年恒例の場所の花見に行ってきました。
桜並木。

猫がいます。 猫と桜。
 
 お寺の枝垂桜。



ふたたび桜並木へ。赤い木蓮と桜。

さっきの猫の場所に戻る。花びらがひらひら散っていて、なかなかの風情。

別の場所の八重桜。

狛犬ならぬ猫。右側に桜が見えるのだが、この角度では入らない。

おや、こんなところに猫が2匹。



スカイツリーと満月(?)。写真を縦にする方法がわかりません。

夜桜。まるでモノクロ写真のよう。

途中、夕食を食べに行って、また戻ってきたので、けっこう長い時間いました。夕食はサイゼリアの青豆とパンチェッタのリゾットと鶏肉のグリル。おいしかったです。

2013年3月28日木曜日

自営業と非正規雇用

長い間、自営業と非正規雇用、つまり、原稿料などの個人事業と非常勤講師の給与で生活してきたのですが、自営業と非正規雇用は全然別物だってことをほとんど意識していなかったことに気づきました。なにやってんだ、自分。
違うのは確定申告だけで、原稿料は必要経費を自分で決められるけど、非常勤の給与は計算が決まっていて、この収入だったらどう見ても原稿料なら半分は必要経費にできるのに、給与だと3分の1しか認められない、損だ、と感じていたくらいでした。
実際、私は、非常勤講師は報酬が給与で支払われるフリーランスだと思い込んでいたふしがあります。複数の大学で非常勤講師をして生計を立てている人は、複数の翻訳会社と契約して翻訳で生計を立てている人に限りなく近いからです。
翻訳会社と契約していても仕事が来るとは限らないし、コンスタントに来ていたのに来なくなることもあります(これが怖くてフリーランスは仕事が断れず、稼いでいる人はブラック企業状態)。非常勤講師も1年契約なので、いつ契約が打ち切られるかわかりません。打ち切られたら何も言えないのが非常勤、と思っていたのですが、そうじゃなかったのです。
フリーランスは仕事が来なくなっても訴えることはできないけど、非常勤はできるケースもあるのです。長年同じ大学で教えていた場合、契約打ち切りに対して、保証金を請求したり、打ち切りを撤回させた例もあるらしい。雇用とは、そういうことなんですね(勉強不足すぎる)。
しかし、今回の労働契約法の改正で、5年をすぎたら無期契約に変更、ということになると困るので、雇用主が契約は5年以下と決めてしまうと、フリーランスなら相手がよければ長く仕事ができるのに、非正規雇用だと最長5年で必ずクビ。
複数の大学で非常勤講師をしている場合は、給与じゃなくて講義料をもらうフリーランスにしてほしいなあ、と思いますが、そうなると、大学はもっとクビにしやすくなりますね。そのかわり、大学側が続けてほしいと思ってくれればずっと仕事ができるし、必要経費ももっと認められる。
4年前から大学で英文学や映画を教えられるようになって、これから70歳くらいまでは大学で映画や文学が教えられる、と楽しみにしていたのに(しかも学生の反応が非常によかった)、5年以内にクビとわかって、かなりがっかりしていましたが、上のようなことを考えているうちに、やっぱりフリーランスはいいな、ごぶさたしている翻訳会社や出版社に連絡とってみようかな、と思うようになりました。フリーランスの仕事がなくなって、どこか鬱屈した気分があったのも確かだし、災い転じて福となすとなればと思います。

追記 ダイヤモンドのサイトのハロワに関する記事に出ていたのですが、最近は最低賃金より低い時給で雇うために、個人事業主に発注のような形で求人しているところもあるとか(ハロワで)。確かに翻訳も報酬がどんどん下がっていて、フリーランスはなかなかきびしいです。

奨学金問題

奨学金問題:全国組織が31日発足
http://mainichi.jp/select/news/20130327k0000e040238000c.html

3・22奨学金抗議について
http://yutorisammit.blog.fc2.com/blog-entry-150.html
これは面白い。ぜひお読みください。
ゆとり全共闘という、ゆっとりまったりした社会活動グループが行なった奨学金に関する抗議行動ですが、警察を呼ばれたら、警察官が支援機構にとりなしをしてくれたという、笑うしかない話。支援機構の職員っていったい?

資料 日本の奨学金
http://yutorisammit.blog.fc2.com/blog-entry-149.html
これも大変参考になるまとめ。

ちなみに、奨学金を扱う日本学生支援機構にも非正規雇用の職員が多数いて、例の5年たったら無期限にしないといけない法律のせいで、今後、どんどん解雇されるそうです。
たぶん、みんな、そっちの方で頭いっぱいか、やけだったのかもしれない(?)。

さて、奨学金問題ですが、最近、日経に全然的外れな記事が出てましたが(金持ちの世界しか知らない記者が書いたのだろうと識者につぶやかれていた)、現状は上の「資料 日本の奨学金」に詳しいです。
奨学金を借りていない人、子供が借りる必要がない人にはどうでもいいことでしょうが、ただの金貸しと化している奨学金を、学生支援だの奨学金だのと言っているのはほとんど詐欺と思います。
私も大学院5年間奨学金を借りました。計400万円くらいで、それを20年で返しましたが、ほとんどの年が年収180万円くらいだったので(つか今も?)、ある裏技を使いましたね。いや、奨学金はマジで全額返したんですが、その金を捻出するためにあることを決めて実行したのです。別に法律に触れることではありませんが、大声で言えることでもありません。そのうち暴露できる日が来るかも(笑)。
ただ、私の頃は日本育英会といって、今に比べたら、病気や失業で返済が困難になれば猶予してもらえたり、障害者になったり死亡した場合は免除になったりと、借金取りみたいなことはありませんでした。もちろん、すべて無利子。
それが日本学生支援機構になり、利子つきのものができ、取立てがきびしくなり、3ヶ月遅れただけでブラックリスト入りというきびしいものになり、今では完全に金貸し業です。
ブラックリスト入りというのは、私が最後に返済した頃に警告の文書がうちにも来ました。ちょうど最後の分を返済する頃だったので、自分は関係ないけど、ものすごくいやーな感じがしましたね。
しかし、雇用契約法改正で、職員がまとめて解雇されるそうで、この機構自体、これから混乱するのだろうなあ。どうなることか。

2013年3月27日水曜日

大阪大学の攻防

前回の労働契約法改正で、5年同じ大学で非常勤講師していたら無期限の契約にしないといけないので、一部の大学が非常勤講師との契約に5年上限を盛り込んだ、ということを書きましたが、これに関連して、いち早く5年上限を決めた大阪大学と非常勤講師組合の攻防の記録がありました。
http://www.union-oufs.jp/minoh/newstominoh/data/kumiainewstominoh2012-no09.htm
さすが大阪っていうか、笑っちゃうところも。

非常勤講師組合の主張は理路整然としていて
使用者側は「それは大阪大学のオリジナリティだ」と逃げるので失笑。
「大阪大学の常識は、世間の非常識」ってことが露呈。


このやりとりを見ると、どうやら、非常勤講師は雇用ではなく委嘱なので、雇用契約法にはあてはまらない。なので、別にこれまでどおり何も変わらない、ということ。仮に無期雇用になっても、担当する科目がなくなれば解雇していいこと。5年上限などを契約に盛り込むのは「雇いどめ法理」にかかるので、厚生労働省は問題ありと見ていること。上限を決めた大学では今後、さまざまな混乱が予想されること。

なお、国立大学の職員のブログで、最初から契約で5年上限を入れることを薦めている記事がありました。さすが国立大。恥も外聞も気配りもない。
大学以外では、カフェベローチェがアルバイトの契約を4年上限にしたというニュースが昨年あったようです。非常勤講師のようにあちこち掛け持ちでなければまだ4年以内に次を探すこともできますが、非常勤講師は数箇所で教えているので、数箇所を一度に失って同じ数の仕事を得るのは非常に困難です。
なんにしても、労働者のためのように見えて、実は労働者も使用者も困る悪法はさっさとやめるべき。

自営業に戻りたい…

この2年間、自営業の仕事が激減、2年連続収入が10万円ちょっとだったという話は前にしましたが、かわりに増えたのが非常勤講師。4年前に比べて勤務校が1校から3校に。当然、収入も3倍(でも安いけど)。
非常勤講師は契約は1年単位で、いつクビになるかわからないとはいえ、通常は、担当する授業がなくならない限り契約更新を期待できるものであったのですが、ここに来て大変動が起こりつつあります。詳しくは、首都圏非常勤講師組合のHPを。
http://hijokin.web.fc2.com/
この目次の「非常勤講師の契約5年上限に反対する声明」というところに詳しいのですが、法律の改正により、同じところで5年契約が続いたら契約を無期限にしないといけないということになり、すべての非常勤講師を無期限にできないと思った大学が、契約5年上限を打ち出している、という話です。すでに大阪大学や琉球大学がそういう規定を作ったのだと。
そして、私の勤務先3校のうち、1校が、「契約更新は3回以内とする」という契約書を送ってきました。つまり、4年たったらクビってことです。
非常勤講師は定年が70歳くらいのところが多く、私の勤務先3校のうち2校が70歳だったので、この2校は70歳までは勤められると考えていたのですが、あやしくなってきました。更新は3回以内、と言ってきた大学は定年はもっと低いので、定年より少し前にクビですみますが、残りの2校がどういう契約内容にするかが問題です(今年はそういう規定をまだ作っていないらしい)。
規定を作っていない2大学は大きい大学で、非常勤講師の数は数百人におよぶので、簡単には決められないというところでしょうか。4年でクビを打ち出した大学は非常に小さく、正直、定年までいなくてもいいと思ってたので、別にいいのだが、別のところを探してもそこも更新3回までとか5年上限だったりすると、数年ごとに次を探さなければならないわけです。まあ、私はもう年だからいいけど、若い人や働き盛りの人は大変で、今後、非常勤講師の自殺が増えるかもしれません。大学だって、数年ごとに非常勤総入れ替えだと、新しい人を探し、教授会で承認して、と、まあ、やりたい人はたくさんいますが、選考はしないといけないので、それだけ手間がかかって大変なはずだし、せっかくいい先生なのにクビにして、次がひどい、てなことも起きるのですけどね。まったく、日本の労働行政はろくなことしません。
となると、こんな理不尽な契約でうだうだしなければならない非常勤講師はやっぱりいやだ、自営業に戻りたい、と思う今日この頃。そうでなくても筆名の仕事がなくなってさびしい限り、このまま執筆も翻訳も終わりたくない、と思っているので、なんとか新たな道を切り開くべくがんばります。

2013年3月26日火曜日

コンプライアンス服従の心理

おそらくこれから話題になるであろう6月公開の映画「コンプライアンス服従の心理」を見た。
2004年にケンタッキー州のマクドナルドで起きた事件をもとにしている。
この事件についてはこちらに詳しく書いてあります。(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Strip_search_prank_call_scam
ケンタッキー州のマウント・ワシントンという町のマクドナルドに警官を名乗る人物から電話があり、19歳の女性店員が客の財布から金を盗んだので、身体検査をするようにと言われます。電話を受けた女性店長は困惑しつつも、店員のポケットやバッグを調べ、何もないというと、電話の主は今度は裸にして検査しろといい、しだいに要求がエスカレートして、ついには、忙しい店長のかわりに店員を見張るようにいわれた店長の婚約者が、電話の主の命令で、店員に性的暴行をしてしまう、という事件です。
実はこれと類似する事件がすでに70件も発生していて、マクドナルドにも以前、別の店に同じような電話があり、女性店員を裸して体を調べるところまでやってしまった、ということがありました。また、他の店(マクドナルドだけではない)では客が被害にあうケースもあったようです。
このように、すでに同じ事件がありながら、マクドナルドは店に警告していなかった、ということで、被害者の女性店員に1億円もの損害賠償を支払い、女性店長にも損害賠償を支払ったそうです(プレスには6億円とありますが、最終的には1億円程度に下がったようです)。
電話をかけていた男はこのケンタッキーの事件のあとに逮捕されたものの、証拠不十分で無罪となったとか。また、マクドナルドはその後、対処マニュアルを作って店に配っているそうです(アメリカの話)。

映画は舞台をオハイオ州に移し、人物名などはすべて変えていますが、上のリンク先の詳しい説明を読むと、かなり実話に忠実であることがうかがわれます。
どういう内容であるかは予備知識として知っていたので、最初から緊張感を感じないわけにはいきません。警官を名乗る男の電話のしゃべり方、相手は警察だから、とそれに従っていってしまう店長と疑われた店員、おかしいと感じながらも何もしない他の店員、そして、裸にされたままの少女と同じ部屋に2人きりでいるようにと言われて違和感を感じ、電話の指示で性的暴行を命じられていやだと思いながらも従ってしまう店長の婚約者。
どうしておかしいと思わないのだろう、どうしてこちらから警察に電話してみないのだろう、店員は未成年なのだから親に電話すればいいのに、店員も親に電話してと頼めばいいのに。
電話がかかってきてからずっと、そんな苛立ちを感じながら、それでも画面に釘づけになってしまいます(店長役のアン・ダウド、店員役のドリーマ・ウォーカー、偽警官役のパット・ヒーリーはじめ、役者がみんなうまい)。
店長は朝からトラブル続きで忙しく、しかも金曜なので客が多く、本部から人が覆面調査に来るといわれ、判断力を失っていたのは確かです。女性である店長も副店長も忙しく、偽警官から少女を見張っていろといわれ、若い男性店員が見張るのですが、電話で性的なことを要求され、店長におかしいと告げますが、店長は取り合わない。結局、店長の婚約者の男性が呼ばれて見張り、やはり性的なことを要求されて、時々戻ってくる店長に言おうとするのだが、店長は婚約者はただ見張っているだけだと思い、聞こうとしない。
店長も婚約者も、どう見ても善人なのです。ただ、店長は忙しすぎて、状況を把握できない。婚約者は仕事を終えて仲間と飲んでいたときに呼び出されたので、酒が入っていて、判断力が鈍っています。また、この婚約者は人に逆らえないお人よしのような感じで、こういう人が命令されて少女に性的暴行をし、結局は刑務所行きになってしまうのがなんともいらだたしい。
最後に婚約者が耐え切れずに逃げ出し、かわりに呼ばれてきた老人が電話を受けておかしいことに気づき、相手を一喝して、ようやく事実がわかるのですが、このときの老人の言葉が「おまえが誰かなんか関係ない」というようなこと。つまり、これまで電話に出た人はみな、警察という権威の前にひれ伏し、疑いもせずにおかしなことを実行していたけれど、この老人は権威に弱くなかった。相手が警察だろうがなんだろうが、おかしいことはおかしい、と判断できる人だったのです。
上のリンク先を見ると、同種の事件がいくつも起き、その中では女性を裸にするところまでやってしまった店がいくつかあるのですが、70件のうち、多くの店は途中でおかしいと気づいたのだろうと思います。しかし、この映画のモデルとなったケンタッキーの店は、性的暴行までしてしまったわけで、どうしてここまで行ってしまうのかを、映画を見ながら考えずにはいられませんでした。
まず第一に、警察という権威に対する弱さ、疑うことや確かめることをしない弱さがあげられますが、犯人の要求の仕方が典型的な相手につけこんで自分の思い通りにさせるやり方であることに注意すべきだと思います。
犯人はまず、店員が金を盗んだのでポケットやバッグを調べろといいます。これくらいならしてもいいと普通は思うので、店員も同意し、調べるのですが、何も出てきません。次に犯人は女性を裸にしろといいます。店長は、自分はそこまではできない、といいますが、犯人にいいくるめられてしまいます。
犯人は、とりあえず、これをやればあとは解放されるから、といって、まず、小さいことからやらせます。これが手なのです。人間は楽をしたい、面倒に巻き込まれたくない、穏便にすませたい、世間体が、ということを気にします(アメリカは日本ほどじゃないと思ったが、これ見てるとアメリカも変わらない。日本人がオレオレ詐欺にだまされるのも当然、と思いました)。
そんなわけで、疑いをかけられた店員も承諾してしまうわけです。ここで店員が、警察へ行ってはっきりさせたい、と言い張ったら、事件はここで終わりです。あるいは、店長が、私にはそこまでやる権限はない、と主張し、本部に電話したり、警察のもっと上の人に電話すれば、事件はここで終わりです(たぶん、そのあたりで終わった店も多かったでしょう)。
しかし、店長も店員も、今、この男の命令に従えば、すぐに解放されると思い、従ってしまいます。すると男はさらに要求を続けます。要求に従うにつれて逆らえなくなる、という服従の心理がよく描かれています。
日本では、電話でしつこい勧誘や金の請求を受け、とりあえずここで払えばもう来ないと思い込んで払ってしまい、その後もしつこくされて大金を奪われるという事件がよく起きていますが、最初に断固たる態度をとらないと、相手の思う壺なのです。
「電話1本で少女を裸にする」という内容が下世話な興味をひいてしまう映画でもありますが、たとえそういう興味で見たとしても、いろいろと学べる映画だと思います。
ラストシーンで、女性店長が、「私も被害者だ、誰でも私と同じようになった」といいますが、実刑になった婚約者のように、だまされた人間も責任を問われ、処罰されるということは覚えていていいでしょう。

2013年3月23日土曜日

浜離宮からスカイツリーへ(1)

金曜日、急に思い立って、浜離宮庭園へ行ってみることにしました。
私はいつもお昼過ぎに急に思い立つので、昼下がりから夜の旅になってしまいます。
とりあえず、駅へ行く途中、近所の桜と猫。


浜離宮庭園はいつもは新橋から行っていましたが、なんとなく築地から新大橋通りを歩いて行ってみました。が、やはり新橋の方が近いような気がする。
何度も来ているので、順路どおりに行く気がせず、まず、入ってすぐのところにある菜の花畑を。

それから順路とは逆コースで水上バス乗り場の方へ向かいます。途中、近頃ほとんど見かけない日本のタンポポがいくつも咲いていた。茎が短い。

さらに行くと、猫がいたので、そっと正面にまわり、写真を撮る。すると、それまで猫にまったく気づかずに通り過ぎていた通行人たちが急に「猫だ」と叫んで写真を撮り始めた。猫注意力度の差か?

水上バス乗り場から海沿いに池へと向かう。

しかし、このあたりは潮風のせいか、桜がほとんど咲いていない。これはかろうじて咲いていた木。

このあと、メインの場所である中島の茶屋のある池へ行く予定だったのだが、さっき、水上バス乗り場を見たら、あと15分くらいで浅草行きの船が出るようだ。このまま庭園を散歩しても桜はあまり咲いていないかもしれない、と思ったら、水上バスに乗りたくなった。
というわけで、急遽、隅田川クルーズに変更して、船に乗ることにしました。

浜離宮からスカイツリーへ(2)

船はいったん、南下して日の出桟橋に寄ってから隅田川を北上して浅草に向かう。スカイツリーは右側に見えるはずなので、右側の窓際の席をゲット。屋根にデッキがある船だったらデッキに立って写真を撮ったのだが、この船は屋根にデッキがない。かわりに天井がガラス張りだけど、天井もサイドの窓もすごく汚れている。なので、きれいな写真は期待できない。
まず日の出桟橋へ。南にはレインボーブリッジがある。

船はUターンして隅田川を北上する。橋をいくつも通るのだけど、右の窓からしか見えないので、橋の写真がいいものが撮れません。勝鬨橋を抜け、佃大橋を抜けていきます。右側には佃島、左側は聖路加タワーで、左側の方が桜がきれいでした。

中央大橋、永代橋、隅田川大橋を抜けて、これは清州橋か。

右に見えますのは萬年橋でございます。

スカイツリーは清州橋くらいまでは前方に見えていたはずだが、このあたりからは右側に見えてくる。川がくねっているからです。

新大橋。ここはまだ左が中央区、右が江東区。勝鬨橋から新大橋くらいまでは川岸や橋の上を歩いたことがあり、私の縄張り。

首都高速。このあたりもよく歩いている。

次の橋は両国橋で、このあたりからは私には未知の世界。左は台東区、右は墨田区にかわっている。下は両国の国技館。

総武線の線路の橋をすぎ(ちょうど電車が走っていたのに写真撮れず)、次は蔵前橋。

続いて厩橋。ずっとスカイツリーが見えてます。

スカイツリーの下の方までも見える。

駒形橋。カラフルで趣のある橋が続きます。

終点、浅草の対岸のアサヒビールの金色のオブジェが見えてきた。

真っ赤な吾妻橋と金色のオブジェ。隣の関西弁のおばちゃん2人が、あれはなんだとうるさい。まあ、初めて見ればびっくりするでしょう。

隅田川クルーズも終点に近づく。

東武のスペーシアが走っている。船窓からの写真はここまで。

浜離宮からスカイツリーへ(3)

船を降りて川岸から。船は台東区側の浅草に着きます。川の対岸は墨田区。私は浅草もあまり得意ではないですが、墨田区は生まれてこのかた3回くらいしか行ったことがない。そのうち2回はシャープの工場にワープロの持ち込み修理を依頼したとき。あと1回は知人宅を訪ねたとき。つまり、墨田区のことはほとんど知らないのです。

せっかくだからスカイツリーの足元まで行こうと思い、隅田川のリバーサイドの桜を見ながら言問橋へ。このあたりは以前、通り魔殺人事件が起きたので、あまりいいイメージを持っていなかったが、普通に桜の名所だった。もう薄暗いので、桜はきれいに撮れない。言問橋の手前に東武線の橋がある。

スカイツリーの全体像が見える。対岸も桜がいっぱい。

言問橋を渡り、スカイツリーに近づくにつれ、月の位置がだんだん下がってくる。

とうきょうスカイツリー駅(もとは業平橋という由緒正しい駅名だったのに)。

月が右下にまで下がっている。

ほぼ真下に来ました。下の展望台より上が見えない。

入口。予約しなくても時間指定の整理券をもらって待てば入れます。が、2時間待ちだった。でも、予約は天気がわからないので、2時間待ちくらいならその方がいい。そばにはソラマチというビルがあり、レストランやプラネタリウムもあります。水族館も近くにあるようだ。

暗くなるまで時間をつぶしてライトアップを待つ。桜の季節の特別色。

が、すぐに白い色に変わってしまった。左に月。

帰りは押上駅から帰ることにし、ツリーを離れる。離れた方が上まで見える。下の方はブルーになってますね。桜が散るように、小さなピンクの光がキラキラと光る演出もあります。

押上駅の入口。東武鉄道はアイスバックスと協力関係にあります。クレインズの石川選手が写っている。石川選手は日光出身。

さて、押上からどう帰るかがかなり大変な問題でした。京成線、都営地下鉄、東京メトロの3種類があって、最初は京成線で日暮里へ出るかな、と思ったら、運賃がやけに高い。そういえば、青砥での乗換えが大変だったことがあったのを思い出し、京成線は却下(あとで地図を見たら、ひどく遠回りだった。運賃高いわけです)。次に都営地下鉄と東京メトロを比べたら、都営の方が20円安い。しかし、メトロは乗換えが1回だが、都営は2回、しかも1回は地上に出ての乗り換え。でも、時間的には都営が一番早そうなので、都営にした。蔵前で外に出て、信号まで渡っての乗り換えなのです。ちなみに、秋葉原と岩本町が乗換駅になりましたが、これも信号渡る乗り換えです。蔵前も初めての場所だし、台東区東部はなかなかに未知の世界です。

2013年3月22日金曜日

桜と半月(2)

日暮里に着いたときはもう夕暮れ。そこから上野方面へ歩いていきます。
まずは、桜の名所でもある霊園。猫もいます。


桜はぼちぼちかな、というところ。真ん中に夕日が光っていますが、この時間帯は桜が灰色になってしまってきれいに撮れません。また、逆光なので暗いですが、実際はまだ明るいです。

別の場所に移動。ここでも桜と半月を撮ってみます。

再び夕日を撮った場所へ。だいぶ暗くなってきています。

上野公園に向かって移動。途中、国立博物館近くの学校の桜。ピンクできれい。左側に半月が写っています。


上野公園に到着。こちらはすでに宴会モード。桜はこんな感じ。で、半月。

下の写真も、桜の下に半月がぼんやりと写っています。

上野公園の入口。恒例の桜まつりの提灯。手前に枝垂桜を入れてみました。

その枝垂桜と半月。枝垂桜はかなり葉が出ています。

というわけで、あちこち寄り道もしたので、結局5時間くらい桜と半月を追いかけていました。万歩計を見たら、1万7千歩以上歩いていました。