2026年4月5日日曜日

「ザ・ブライド!」

 ボリス・カーロフ主演「フランケンシュタインの花嫁」にヒントを得た映画「ザ・ブライド!」。


怪物の伴侶を作るという話は原作にもあるが、こちらはフランケンシュタインが途中で断念し、それが怪物の復讐につながる、という設定になっていて、女の怪物は登場しない。が、カーロフ版「フランケンシュタイン」の続編「フランケンシュタインの花嫁」ではフランケンシュタインが女の怪物を作ることに成功する。このモチーフはのちにジェニファー・ビールスが女の怪物を演じる「ブライド」、ヘレナ・ボナム・カーターが女の怪物にされるケネス・ブラナー版「フランケンシュタイン」へとつながる。

「ザ・ブライド!」は死んだ原作者メアリ・シェリーが1930年代のアメリカ女性アイダに乗り移り、アイダは階段から転落死、その死体を再生技術を持つ科学者が怪物に頼まれて女の怪物にして生き返らせる。

メアリ・シェリーとアイダの両方を「ハムネット」で主演女優賞総なめにしたジェシー・バックリーが演じていて、「ハムネット」とはまったく違うイメージの演技。

カーロフの「フランケンシュタインの花嫁」では、冒頭でエルザ・ランチェスター演じるメアリが夫で詩人のシェリーとその友人で詩人のバイロンに「フランケンシュタイン」の続きを語るという設定で、ランチェスターは女の怪物も演じているから、バックリーがメアリとアイダを演じるのはまさにここから来ている。

それ以外にも、カーロフ版のディテールがせりふなどにちょこちょこ出てくる。

予告編を見たときは「ジョーカー」+「俺たちに明日はない」だなと思ったが、どちらも「ザ・ブライド」と同じワーナー映画。でも、前半は、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのミュージカル映画を思わせるシーンがあったりして、アステア&ロジャース映画もカーロフ版もRKO映画だから、その辺へのオマージュもあるようだ。

で、映画そのものなんですが、ロッテントマトの批評家の評価がかなり悪い。この低評価だったら見るのやめるところだが、「フランケンシュタイン」関連だと一応見ておかないと、ってわけで、全然期待しないで行ったら、やっぱりひどかった。

前半はRKO映画へのオマージュなんだけど、途中からメアリが乗り移ったアイダがフェミニズム的怒りをぶちまけ、それをまねした女性たちが同じような行動をするところはもろ「ジョーカー」だし、そのあとはもう、ボニーとクライド、「俺たちに明日はない」で、(以下ネタバレ)クライマックスももろあのシーンのオマージュ。

そもそも、メアリが乗り移って転落死したアイダの死体を科学者と怪物が掘り出して女の怪物を作る、というのも、この2つのできごとの間にまったく関連性がなくてただの偶然というか、ご都合主義の展開なのもなんだかなあ、なのだが、そこは目をつむるとしても、その後の展開がカーロフ版やアステア&ロジャースの映画、「ジョーカー」、「俺たちに明日はない」といった過去の有名映画のオマージュと、バックリーの狂気に振り切ったタガのはずれたツッパリ演技を見るだけなので、作品としては全然面白くない。怪物役のクリスチャン・ベールもバックリーの引き立て役にすぎず、もったいない。

ペネロペ・クルス演じる女性刑事が最後、「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスター入ってるよね、な感じもそれまでの一連の過去作オマージュの続きにすぎず、なんか過去作オマージュばっかりで、この映画のアイデンティティは何よ、と言いたくなる。

あと、この女性刑事の名前、マーナと発音してるのに字幕はずっとミルナなの、なんで? マーナ・ロイのマーナだよね?

というわけで、フランケン愛好家、過去作オマージュ探すの大好き、出演スターのファン、以外にはおすすめできない映画でした。

しかし、ワーナーも「嵐が丘」やこの映画みたいなのばかりって、身売り話でもめるくらい落ち目なのか。

そういや、「嵐が丘」はエメラルド・フェネル監督なのでフェミニズムあるかと思ったら全然なくて、「ザ・ブライド!」はマギー・ギレンホール監督だからやはりフェミニズムあるかと思ったら、一応それっぽいのはあるけど、真剣に取り入れているわけではない。同性愛ネタもいろいろあるが、遊びで入れてるようにしか見えない。

「嵐が丘」も「フランケンシュタイン」も原作者は女性で、どちらも悪魔的だが魅力的でもある男性登場人物(ヒースクリフと怪物)がいて、ゴシックとロマン主義の要素がある、と言う点で共通しているが、「フランケンシュタイン」は19世紀初頭に書かれて読者には受けたのに、「嵐が丘」は19世紀半ばに書かれて読者からは嫌われ、のちに名作として認められたという違いがある。また、「フランケンシュタイン」はホラーになり、「嵐が丘」はラブストーリーになったという違いも。しかし、「嵐が丘」の映画化は成功しないと先月書いたけど、「フランケンシュタイン」もカーロフ版みたいに原作をとことん変えてしまったものの方が成功している。

ベールの怪物は、顔に傷があるだけで全然怖くも醜くもないのは他の怪物俳優と同じだが、カーロフと、そして(フランケンの怪物ではないが)「エレファント・マン」のジョン・ハートだけは、最初は観客に怖くて醜いと思わせ、話が進むにつれて観客が同情し、怖くも醜くもなくなる、という演出と俳優の演技がみごとだった、ということをあらためて思い出した。

追記 映画の冒頭、メアリ・シェリーが、夫のシェリーが詩人のキーツと同性愛だったみたいなことを言っているが、これは、シェリーがキーツの詩をクソミソにけなしてしまったあと、キーツが早死にしたのでけなしたことを深く後悔したシェリーが、キーツを讃える詩を書いた、というのをもとにしている(もちろん、同性愛ではない)。また、メルヴィル、ホーソーンといった19世紀のアメリカ文学作家の名前も出てくるので、英米文学好きだとわかるところもいろいろあるが、でも、これも、だからといってどうよ、の域を出ない。

さらに追記 女性科学者が「バートルビー」をホーソーンだと言って、アイダに「メルヴィルだ」と訂正されるシーンがあるが、これ、もしかして、「ローマの休日」で、引用された詩を王女が「キーツ」と言ったのを新聞記者が「シェリーだ」と訂正したが、実はキーツで、王女が正しかった、というところから来てるのかな。このシーンでは記者は王女だと気づいていなくて、自分の方が教養があると思っていたのだ。

2026年4月4日土曜日

TOHOシネマズトラブルのその後

 3月上旬にTOHOシネマズの会員制度が新しくなり、会費を払っているスタンダード会員に移行するはずが会費無料のライトコースにされてしまい、たまっていたポイントが消滅、その他いろいろトラブルが相次いでいるTOHOシネマズ。私も3月下旬に年会費更新時期になり、新しい制度だとクレジットカードを登録して自動引き落としだというので、期限前にクレジットカード番号を入力。ところが更新されず、ライトコースにされてしまい、ポイントを失った、という話は前に書いた。

すぐにHPのお問い合わせに苦情を入れたのだが、もう10日くらいたつのになしのつぶて。

会員制度変更後、Xなどでライトコースにされた、ポイント失った、という書き込みが続出したけれど、これらの人がその後どうなったのかはわからない。スタンダードコースに戻してもらえ、ポイントも戻った、というブログが1つあったけれど、他の人はまったくわからず、その後、この手の苦情も検索しても出てこなくなった。

映画館に直接行けばなんとかしてくれる、という話もあるが、あきらめた人も多かったのではないかという気がする。映画数本分無料になるポイントがたまっていたのに、という人もいたけれど、そういう人はごくわずかだろうし。

私の場合、制度移行のときは問題なかったのに、会費を払って更新するところで問題が出た。

月がかわったので、クレジットカードのサイトを見てみたら、先月分の請求金額がわかった。明細はまだわからないけれど、この金額を見ると、TOHOに引き落としはされなかったようだ。

私のカードは年会費が4000円以上するもので、その分セキュリティがきびしくて、ネットでクレジットで買い物すると必ずワンタイムパスワードがメールで送られてきて、それを入力しないと取引成立しない。しかし、TOHOのシステムでは単にカード番号登録するだけだから、ワンタイムパスワードが私のところに来るはずもなく、自動引き落としができなかったのだろう。

残っていたポイントは50ポイントで、シニアは150ポイントで1回無料だから、あと4回見ると1回無料になるところだった。でも、来年の3月下旬までに5回見ないと会費500円払っても得はない、むしろ損するわけで、去年の3月下旬から1年間、TOHOシネマズで何本見たか調べたら、4本だった。そのうち2本はTOHO以外の映画館でも見られたのだけど、たまたま都心へ行く用があったので日比谷で見たので、そうでなければ1年間に2本だった。てことは、50ポイント失っても、会費払わずにいた方が得だということになる。

というわけで、もうTOHOシネマズはあきらめたのでした。まあ、信頼もかなりなくなったしね。

3月下旬から雨の日が多く、花見によい天気が少ない。それでもあちこち行って写真を撮っていて、特に八柱霊園は数回行った。ここは桜が咲くのが近隣より少し遅くて、29日の日曜に行ったときはまだ満開には程遠かった。火曜水曜の雨の日に満開になったのか、木曜に行った散り始めていた。木曜は昼過ぎまで小雨まじりの曇りだったけれど、2時から急に晴れてきたので、急遽、出かけ、でも時間が少なかったので、金曜にまた出かけた。

金曜は朝から快晴。霊園への道に並ぶお墓屋さんの店頭にあった猫の置物。8800円だそうです。


霊園入口前のえびす様は造花のチューリップを手に。


霊園内にはチューリップの花壇が。


ここは南側が霊園内の桜と、その外の桜並木で3重の桜になる。



とにかく写真はいっぱい撮ってあるのだけれど、あまりに多すぎて、選ぶのが大変。そのうちちょぼちょぼと公開予定。