金曜日は曇りで風が強く、好天とはいえない日。そのせいか、上野動物園、最初に撮影不可のシャンシャン前列を通り、外へ出たら、撮影可の後列の行列がいつもより短い。最近は110分待ちで並ぶのをあきらめていたけれど、今日は大丈夫かも、と思いながら、リーリーとシンシンのいるパンダのもりへ。
豪快に食べるシンシン。
「市民ケーン」の脚本家、マンクことハーマン・J・マンキーウィッツを描くデイヴィッド・フィンチャーのネットフリックス映画の話題作だが、「市民ケーン」製作についての映画ではなく、ケーンのモデル、新聞王ハーストとその愛人マリオン・デイヴィスと親しかったマンクの1930年代の話が中心で、MGMでのルイス・B・メイヤーやアーヴィング・タルバーグなどの映画人が登場し、知事選に立候補したアプトン・シンクレアを落選させるためにメイヤーが工作した話とかが出てくる。このあたりの展開が背景に詳しくないのでわかりづらい上、せりふの内容がすんなり頭に入ってこない(あちらの観客評を見ると、字幕のせいではなく、もともとせりふがわかりづらいらしい)。
マンクを演じるゲイリー・オールドマンが「ウィンストン・チャーチル」の延長みたいなのも物足りない。クライマックスで彼が、ハーストはドン・キホーテで、マリオンがドルシネアだったと語るけれど、そういうハーストの複雑さがこの映画ではまったくわからない。チャールズ・ダンスの存在感はよいのだけれど。
フィンチャーに人間描写求めるのが無理なのかもしれないけれど、マンクもハーストも他の人物も人間としての深い描写がない。モノクロの映像も、今の技術のモノクロでなく、1930年代のモノクロを再現しているのだが、これもどうも見づらい。
それでも、白い布を落とすシーンが何度かあって、その意味がピンと来なかったりと、こちらに予備知識がなさすぎるのかもしれないので、もっと勉強してからもう一度見てもいいかと思っている(というわけで、評価は保留)。