2026年5月17日日曜日

年パス期限切れ直前の上野動物園

 旧古河庭園のあと、国立博物館でまたチェスター・ビーティー・コレクションを見ようかな、と思っていたのだけど、お昼は駒込駅から歩く途中のまいばすけっとで買ったサンドイッチとドリンクを、バラ園より人が少ない日本庭園で食べたのだが、2時間あまりバラを見ていたら疲れてしまい、そうなると、座って休める場所が多く、冷たい水がただで飲める上野動物園へ行こう、ということになった。

上野に到着。東京都美術館ではアンドリュー・ワイエス展をやっている。


ワイエスといえば、1990年の「ワイエス展ヘルガ」を埼玉県立美術館で見て非常に感銘を受けたのだが、ワイエスの絵はそれ以前にも知っていて、正直、私の好みではなかった。が、ワイエスが近所の主婦ヘルガを15年間にわたって、誰にも知られずにこっそりと描いていたこと、しかもヌードまで描いていたことがわかり、それがスキャンダルになって、この「ワイエス展ヘルガ」が大評判になり、埼玉県立美術館に見に行ったらたまたま埼玉県民の日で無料という、ものすごいラッキーなことになったのだった。

そんなわけで、ワイエスといえばヘルガ、と思っていたが、このヘルガの絵が中心のワイエス展はこのときくらいだったらしく、今開催されている都美術館のワイエス展もヘルガの絵は習作が1枚あるだけらしい。

ワイエスのファンにはヘルガやクリスティーナの絵のファンが多いようだけど、そうではないファンもいるので、そっちの方の絵を見てもいいかと思うし、都美術館はシニア料金があるのでお得なのだけど、まあ、どうしましょってところ。

とりあえず、上野動物園に入るのだが、年間パスポートを取り出してみたらなんと、翌日が期限切れだった。写真は西園の不忍池テラスで撮ったもの。


正門から入ると、象が室内に入るところだった。


明日が期限切れってことはもう今日が最後ってことで、しかも入ったのが3時すぎ。4時には動物の多くがしまわれてしまう。どうしても見たいのはマヌルネコとレッサーパンダ。いそっぷ橋を渡って西園へ。シンシンの看板がまだある。


レッサーパンダ。例のよって映り込みがひどい。





小獣館のマヌルネコ。1階の奥の方にいるオス。




1階の手前にいるメス。


地下のマヌルネコ。


1階の手前のメスふたたび。



1階の奥のオスは毛づくろいをしたあと、寝てしまう。人に見られるのがいやなのか、後ろ向きに。







ハシビロコウとかフラミンゴとか見て、ペンギンが餌をもらうのを見た。









東園に戻り、アビシニアコロブスを見て、閉園時刻に正門から出る。



この日は平日のせいか、かなりすいていた。次に来るときは年パスを買わなければならないけど、コビトカバのあとから生まれた方の赤ちゃん、まだ見てないのだよね。

春バラ満開の旧古河庭園

 5月5日に谷津干潟に行ったあと、谷津バラ園の入口へ行ったら、入園料爆上がりしてたので入らなかった、という話は前に書いた。そういえば、入園料が超安い旧古河庭園のバラはどうだろう、と思い、12日の午前中にアクセスしてみたら、「今が満開、お見逃しなく!」と書いてあったので、こりゃ今日行かなきゃ、と思い、すぐさましたくして出かけた。


着いたのは12時半頃。平日だが混んでいる。







バラはほんとうに満開真っ盛りで、こんなすごい満開を見たのは初めてかもしれない。








ただ、人が多いので、あまり思うような写真は撮れなかった。明日以降はどんどん終わっていくのだろうと思うと名残り惜しかったが、2時間余り何度もぐるぐるまわって見たあと、庭園をあとに。




このあとどこへ行くか、博物館か美樹館か、と思ったが、とりあえず、年間パスポートがあるのでお金を払わず入れて、座って休憩できる上野動物園へ。上中里から京浜東北線の快速に乗ったのが2時50分くらいだったのだが、そのあと、3時すぎに京浜東北線が事故か何かで動かなくなったらしい。最近、JRは事故か何かで止まることがものすごく多い。

(上野動物園へつづく。)

2026年5月16日土曜日

「シンプル・アクシデント偶然」&「スマッシング・マシーン」(どちらもネタバレ大有り)

5月8日に「シンプル・アクシデント偶然」、15日に「スマッシング・マシーン」を見てきた。

前者はカンヌ映画祭パルムドール、後者はベネチア映画祭銀獅子賞。よい映画なのだけど、映画館ガラガラ。特に「スマッシング・マシーン」は日本が舞台のシーンが多いし、大沢たかおとか出てるのに、近所のシネコンでは「シンプル・アクシデント」より入りが悪い。 


「スマッシング・マシーン」は総合格闘技で活躍したマーク・ケアー(ケアーはカーの方が発音的には正しい気がするのだが)の実話の映画化。アメリカのスポーツ選手が日本で試合する話で、日本ロケにこだわってるって、「マーティ・シュプリーム」みたいだな、と思ったら、サフディ兄弟監督の兄が「マーティ・シュプリーム」、弟が「スマッシング・マシーン」を監督したのだった。

とはいってもこの2作、いろいろと正反対で、「マーティ~」が実話にヒントを得たフィクションなのに対し、「スマッシング~」はドキュメンタリーをもとにしているので、かなり実話に忠実。「マーティ~」が卓球以外のエピソードが多く、最後の勝つけどなんだかなあな感じの映画なのに対し、「スマッシング~」は総合格闘技でひたすら勝つことだけを考えていた最強の男が「負ける」ことについての映画。ド直球のスポーツ映画なのだけど、やはりスポ根的カタルシスとは違う作品。

こうしてみると、どっちも興味深い作品なのだが、マーティがいやなやつなのに対してマーク・ケアーは繊細で人当たりがよく(ありがとうの言葉を欠かさない)、同情できる人物。上映時間も「マーティ~」がちょっと長くて飽きるところもあったの対し、「スマッシング~」は2時間3分と無駄のない作りで、私は「スマッシング~」の方が断然気に入った。

「スマッシング~」についてはすでによい批評がネットに出ていて、リングの外からのみ試合を映すことの効果、そしてなにより音楽のすばらしさに触れている。私も、「君が代」や「星条旗よ永遠なれ」のセンスのよい演奏をはじめとする音楽の魅力に惹きつけられた。有名曲を使っていても浮いていない。

映画は1997年、マークが総合格闘技に初出場して勝ったところから始まり、それから急に2年後の1999年、日本のPRIDEに参戦するシーンになる。その間、マークは負け知らずなのだが、この映画は勝つ試合をほとんど見せない。このPRIDEで初めて負けを喫し、相手の反則で試合自体が無効になるが、このときすでに彼は強力な鎮痛剤による薬物依存になっていて、このあと倒れ、リハビリに励む。薬物依存を脱して恋人のもとへ戻るが、その頃には恋人の方がアルコール依存症のようになっていて、2人の間にいさかいが起こる。愛し合っているのに相手に対して苛立ちや怒りを感じずにいられない2人を、ドウェイン・ジョンソンとエミリー・ブラントが迫真の演技で演じる。特にジョンソンの繊細な演技は見もの。ブラントも、こういう状況に置かれた女性の苛立ちをみごとに表現していて、共感できる。

この映画はマークが負けることによって解放される物語なので、負けるシーンが多いのだが、(以下ネタバレ)クライマックスで勝者と彼が別の部屋にいるシーンが交互に映し出され、そこである種の敗者の勝利、敗者のカタルシスのようなものが描かれる。

このあと、マークは恋人と結婚したこと、結婚生活は6年続き、息子ももうけたことが伝えられ、エンドクレジットには本物のマークと彼女の写真と、そして、映画のはじめの方に出てきた彼女の猫のご本人、いやご本猫の写真まで登場する。別れたとはいえ、元妻との関係は良好なのかな、と思わせる。


「シンプル・アクシデント」は「熊は、いない」のイランの監督ジャファル・パナヒの新作だが、パナヒはイラン当局から反体制派として目をつけられていて、投獄もされていた。この映画は釈放後初の監督作。イランが悪いイメージを持たれていたのは、こうした迫害があるからで、アメリカとイスラエルがイランに仕掛けた戦争でもイランが悪いと思っている人もいるようだ(今回の件ではアメリカとイスラエルがどう見ても悪いのだが)。イランには有名な映画監督が何人もいるのだが、彼らがこの戦争をどう思っているのか、というのが気になっている。

以下、ストーリーを詳しく書いているので、差し支えない方のみ、どうぞ。