2026年7月20日月曜日

「デッドマンズ・ワイヤー」(ネタバレ大有り)

 先週の金曜日、MOVIXへ「デッドマンズ・ワイヤー」を見に。


MOVIXの新しくなった予約システムで初めての発券。が、発券機が4台しかなく、うち1台が使用不可。スマホでQRコードかざす人が多いから発券機はあまりいらないと思ったのかもしれないが、館内はすいているのにここは並んでいてすぐに発券できなかった。当日チケット買う人もいるのにこれでは。


さて、ガス・ヴァン・サントの新作「デッドマンズ・ワイヤー」。1977年に起こった人質事件の映画化で、最近はやりの70年代テイストみたいなのがちりばめられているのだが、どうも感心しない。

「狼たちの午後」、「ネットワーク」、「チャイナ・シンドローム」といった70年代映画へのオマージュとパロディというか、そういうのがいろいろ出てくるんだけど、監督は70年代の映画に対してあまりリスペクトしてないなという感じ。

人質事件は「狼たちの午後」で、アル・パチーノ演じた犯人はゲイだったが、今作の犯人は女っ気がないのでゲイかもしれないが、人質との間に共感や同情が多少生まれるとはいえ、ゲイとわかるようなところはない。また、「狼たちの午後」では途中からFBI捜査官が出てきて映画の雰囲気ががらっと変わるのだけど、今作でも途中からFBI捜査官が中心となる。が、これがFBI心理分析官のパロディみたい。

事件を生放送するテレビで中継が終わり、コマーシャルに切り替わるのは「ネットワーク」と「チャイナ・シンドローム」。ちゃんとしたニュースをやりたいという女性テレビ局員が事件を担当し、中継の最後にカメラに向かって話すのは「チャイナ・シンドローム」のジェーン・フォンダと同じ。一方、FBI捜査官を中心にどうやって犯人を射殺するかを話し合うのは「ネットワーク」でフェイ・ダナウェイらがピーター・フィンチを暗殺する計画を立てているシーンのパロディだろう。

で、以下はネタバレ大有りになるので、さしさわりのない方のみ。

2026年7月15日水曜日

「新凱旋門物語」これは好きな映画(ネタバレ大有り)

 17日公開の「新凱旋門物語」を試写で。


パリに建てられた新凱旋門(フランス語ではグランダルシェ)を設計したデンマーク人の建築家ヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセンを主人公にした映画で、原作は一応、小説となっているけれど、こちらはかなりノンフィクションらしい。が、映画は逆に実話をもとにしたフィクションに近く、映画の冒頭、スプレッケルセンの妻の部分はすべて創作だと断っているが、IMDBによると名前も変えているし、妻自身も夫は映画ほど不幸ではなかったし、フランス人の仲間ともうまくやっていた、と述べている。

また、映画ではスプレッケルセンは最初から最後まで無名だったみたいに描かれているが、グランダルシュの設計コンペに優勝する前からデンマークの建築界では知られた人物で、優勝したあとはかなりの有名人になったらしい。最初のデンマーク大使館の人も誰も知らなかったというのはほんとうらしいが、そのあとのエピソードは原作者がこういうシーンがあったらいいなと書いていることなのだ(原作、図書館ではあまり借りられてなくて、すぐ借りられたが、まだ5分の1くらいしか読んでいない)。

グザヴィエ・ドランが演じているミッテランの側近でスプレッケルセンの相談役ジャン・ルイ・シュベロンは建築家ジャン・ルイ・シュベローがモデルだそうで(IMDBによる)、映画と同じく当初からミッテランの計画に参加していたが、名前を変えて建築家ではない感じになっている。

というわけで、見たときはすごく感動したのだけど、いろいろ調べてみるとかなりフィクションだよこの映画となってきた。

ただ、フィクションとしてはとてもよくできているし、原作の訳者あとがきを読むと、映画に描かれた問題は実際にあったようだ。

というわけで、以下、ネタバレ大有りで。

2026年7月12日日曜日

チェスター・ビーティ・コレクション再訪

 5月初めに見た東京国立博物館のチェスター・ビーティ・コレクション。7月20日までなのであと2回は行こうと思いつつ、全然行けなかったので、昨日、11日に行ってきた。

その前に5月の当たり馬券の払い戻しに後楽園ウィンズへ。


そのあと水道橋からお茶の水まで歩き、バーガーキングでワッパージュニアセットを食べる。バーガーキング値上げしたらしいけれど、セットは値上してなかった。が、ワッパージュニアが小さくなってたような気がしたのと、オレンジジュースを選べなくなっていた。

かつてはしょっちゅう来ていた新お茶の水駅。11年前に引越したあと、このあたりはかなり変わってしまった。バーガーキングがある方とは反対側にかつやとマックがあった。

そこから上野まで歩いた。途中、買い物をしようかと思ったのだけれど、アブアブがなくなり、多慶屋が改築で、前ほど買い物しやすくなくなっているので、そのまま上野公園へ。



東博は70歳以上無料。証明書を見せて入ります。



丸屋根の表慶館は展示がないので閉館中。入口の2頭のライオン、片方は口を開いていて、もう片方は口を閉じている。


平成館の空海展は来週から。


本館のチェスター・ビーティ・コレクションへ。



入ってびっくり! 一番の目玉の「長恨歌」が、なんと、展示が入替になっていた。5月初めに行ったときのは実は上巻で、今は下巻が展示中。


楊貴妃の死を悲しむ玄宗は方士にあの世の楊貴妃を探すよう命じ、方士はあちこちをめぐってようやく楊貴妃に出会う。楊貴妃は方士に玄宗への品物を渡し、方士はこの世に戻って玄宗に楊貴妃の玄宗への思いを届ける。









こんな後日談があったのか。上巻は楊貴妃が処刑されるまでで、これは「空海」(妖猫傳)でも描かれた物語だけれど、黒猫が楊貴妃の絵に寄り添う映画のラストシーンを思い出した。

もう一つ、村松と兼家の物語も入れ替えになっていた。こっちはストーリーを知らないので、どういうつながりなのか思い出せなかったが。



他の絵はあまり入れ替えにはなってなかったと思うが、巻物や本は全部を展示できないので、違う部分やページにかえたのはあるかもしれない。


2か月以上たっているので、他の絵については入れ替えになっていても思い出せない。まさか一部入れ替えになるとは思ってなかったので。「長恨歌」も5月に見たのをまた見られると思っていたので想定外であせった。このコレクション、アイルランドから来ているので、終わってしまうともう二度と見られない可能性が高く、閉館ぎりぎりまで見ていた。

本館の2階部分も一応、まわった。4月下旬に来たときは時間がなくて、あまりよく見ないで通り過ぎてしまったので、とりあえず2階部分だけでも、と、じっくり見た。



ここにも楊貴妃と玄宗に関する絵が。





高円宮の根付けコレクション。






東博は日本の歴史的なものがたくさんあるので、外国人が多い。特に白人系の人たちが多く、白人系の人たちは西洋美術館にはあまり来ないのだが、こっちは多い。そんなわけで昼間はかなり混んでいる。土曜は夜も開館なので5時半くらいから見たけど、夜でも本館はけっこう人がいた。これまでの経験だと、東洋館と法隆寺宝物館はわりとすいていると思う。

2026年7月11日土曜日

「ヌーヴェルヴァーグ」を見てきたけれど

 ゴダールの「勝手にしやがれ」の製作過程を描くリチャード・リンクレイターの「ヌーヴェルヴァーグ」。

この映画、なぜか、近隣で4つの映画館で上映してるのだ。うち2軒がMOVIX、それからキネマ旬報シアター、そして、自宅から徒歩35分のシネコン。最初の3軒は私に都合のいい午後の回があったが、歩いていけるシネコンは夜の回しかない。でも、こっちだと交通費は帰りのバス代だけだし、今月は会員は1回だけ1000円で見られるクーポンがあるので、ここにした。


しかし、この映画、そんなに需要があるとは思えないのに、なぜに近隣で4軒もの映画館でやっているのか。実際、予約はちょっとしか入ってなかったし、行ってみたらそのシネコン、「勝手にしやがれ」をリアタイで見ているような後期高齢者ばかり。。。

で、肝心の映画ですが、1959年当時のヌーヴェルヴァーグの映画人や他の映画人が次々と出てきて、名前がテロップで出る。そっくりさん、というか、一部にすごくそっくりな人がいるが、大部分は、まあそっくりかな、というくらい。ヌーヴェルヴァーグの人だから一応出しておきました、みたいな感じの人も多く、これでうれしくなっちゃう映画ファンが多いのかも知らんが、私はなんかどうもこういうの感心しなかった。

で、そのそっくりさん大会のあとに、ゴダールが「勝手にしやがれ」を撮影する日々を何日目という具合に描いていく。ヌーヴェルヴァーグの面々の中ではゴダールだけがまだ映画を撮っていなかったので、満を持してという感じだが、あまりにもやり方が普通じゃない。こんなんで大丈夫っすかね?と思う周囲をよそに、マイペースで撮影を続けるゴダール。いったいどういう映画になるんだろう、この映画、とまわりが思ってるのがまるわかり。主演のジーン・セバーグは最後までよくわからないまま撮影を終えて去って行く。

このあたりのユーモラスで皮肉っぽいところがよいっちゃよいんでしょうし、当時のフィルムを再現したような映像が凝ってるのだけど、そういうオマージュにぞっこんになれないと、だから?と思ってしまう。

「勝手にしやがれ」を見たのは何十年も前だし、特に好きな映画ではなかったのでよく覚えていないというのもあるが。

リンクレイターだからそれなりにしっかりとした作品にできあがっているけれど、それ以上ではないな、と思う。

のちに仲たがいしてしまうトリュフォーとゴダールが仲良くしているシーンとか、感慨はあるが、トリュフォーはまあまあそっくりさんではあるが、なにか違う。トリュフォーは俳優としても活躍していたので、余計そう思う。

ジーン・セバーグもジャン・ポール・ベルモンドも、まあまあそっくりさんなんだが、カリスマがまったく感じられない。

なんつうか、そっくりさんがたくさん出てくるけど、カリスマが決定的に欠けているのだよね。それで、小粒なヌーヴェルヴァーグ再現劇に見えてしまう。

と思うのは私くらいなもので、映画ファンがみんな喜んでいるようだから、それでよいのだろうけど。

「ヌーヴェルヴァーグ」はMOVIXがメインになって上映しているようだが、このMOVIXの会員制度SMTメンバーズが来年1月で終了、新しいシステムではこれまでなかった年会費が発生するようだ。SMTのよさは年会費がないこと、そして、予約システムがよかったのだけれど、この予約システムが5月から順次新しいものに変更になり、前ほどスムーズでなくなった。そして年会費をとる新しいシステムへの移行。TOHOシネマズは会員制度変更で退会してしまったのだが、MOVIXも最近はあまり行かなくなっているので、退会してしまうかもしれない。今回行ったシネコン、UCは会員料金がいつも安いのが魅力で、こういう特典がないと会費払ってまで、という気持ちになってしまう。TOHOは会費なしのコースもあるのだが、MOVIXはどうだろうか。

2026年7月10日金曜日

鍛高譚が飲みたかったのに。

 愛飲していたセブンイレブンの安い焼酎がパッケージが改悪され、品質も落ちた感じがしたので、かわりの焼酎を探しにOKストアへ。大好きな鍛高譚が、近隣ではここが一番安いので、ほんとはこれを買いたかったのに、OKオリジナルの黒千鳥とかいう麦焼酎にしてしまう。金額は税抜きで120円くらいしか違わないのに。フルーティな味わいというので飲んでみたが、特においしくはなかった。やっぱり鍛高譚にすべきだったよ。

鍛高譚、25周年と書いてあるけど、1992年新発売だったらしく、今年は34周年になります。


北海道は釧路市の隣の白糠というところで生まれたシソを原料とする焼酎で、釧路方面に出かけたときに初めて見て、飲んでとても気に入った。東京でも売ってたが、釧路地方の方が安かった。でも、安い焼酎と比べると高いので(それでもバカ高いわけではないのだが)なかなか買えない。たまのぜいたく。1992年にできたのだとすると、その頃からよく釧路地方に行くようになったので、その頃に初めて飲んだのだと思う。今は赤いパックのもできていて、こちらは青いパックより高いのでまだ飲んだことはない。

次は鍛高譚にしよう。

昨日は映画の授業をしている大学で、これまでに扱った作品をテーマにしたグループディスカッションをしたのだが、あまりにひどい出来だったのでかなり落ち込んだ。

2011年からこの大学で映画の授業をしているのだが、コロナの2020年まではディスカッションがけっこう盛り上がり、私も楽しませてもらった。が、コロナで遠隔授業となり、その後もディスカッションは空気感染が心配なのでやらなくなり、そして去年あたりからそろそろいいかなと思ってやってみたら、コロナ以前に比べて全然だめになっていた。

一昨年、その大学の懇親会で授業でのディスカッションが話題になり、他の先生たちは話し合いが30分持たないと言っていた。私は30分以上は普通に持つので、ましなのかとは思ったが、時間は持つけど内容がとことん悪くなっている。

1つの理由はこの大学の該当する学部学科の偏差値が55から40以下にまで下がったこと。これだけ下がると基礎学力がなくなる。コロナ以前の2010年代後半くらいから徐々に偏差値が落ちていたのだが、コロナを境にどん底まで落ちてしまったらしい。

また、コロナ以前は社会人の学生や留学生がいて、彼らが議論を引っ張ってくれることも多かったが、社会人はいなくなり、留学生もあまり見なくなった。

まあとにかく、ディスカッションをしても意味がない、むしろ学生の理解に悪い影響があるとわかったので、今後は別の授業にしようと思う。

あと、昨年あたりからか、ノートをとらない学生が激増した。ほとんどの学生がただぼおっとして聞いているだけ。そのせいか、試験の結果も以前より悪くなっている(問題はだいたい同じ感じのものなのだが)。なにか、去年あたりから学生がものすごく変化した感じはしている。AIになんでも相談とか、そういうのが関係しているのかもしれない。