2014年12月22日月曜日

さびしいのう

さびしい、といっても、今日は新宿ミラノ座閉館のことではなく…
あ、今夜は「アラビアのロレンス」か。夜、仕事で行けんわ。

さびしいのは、「フランケンシュタイン」の新訳が新潮文庫で今日発売だからです。
解説書いた創元の翻訳が出て早30年。来年2月は31周年。
しかし、数年前に光文社古典文庫から新訳が出てからは増刷もほとんどなくなり、やっぱり文字が小さいし、定価上げちゃったし、30年前の日本語だし、てわけで、さびしくなっていたのですが、それでも光文社のよりは定価が安いし、キンドルは激安設定なので、まあ、少しは売れてたかな、というところでした。
しかし、全国区の新潮文庫から出てしまっては(しかも定価が創元より少し安い)、創元も光文社もかなりわりを食うでしょう。書店へ行けばわかりますが、創元や光文社は地方区です。
キンドルがあるので、なくなることはないのですが、やっぱりさびしい。
その一方で、私自身は今はもう「フランケンシュタイン」なんてほとんどやってないわけで、某大学の英語圏文学入門でちょっと紹介するくらいなものです(学生はけっこう興味あるようだ)。
というわけで、自分にとっても過去、さびしい…
などといってないで、新しいことせねば。

「フランケンシュタイン」は今は絶版ですが角川文庫にも入っていて、こちらは多少省略された箇所もある翻訳ですが、挿絵がよかった。また、著作権が失効した古い翻訳がキンドルで無料配布されているようです。
「なんで今頃新潮社から?」という声もありますが、時期的に「アイ・フランケンシュタイン」のブルーレイ発売に合わせたような印象。まあ、それがなくても創元と光文社に流れていた分をとれるとか、フランケンシュタインなら時々映画になるからとか、そういう目論見があることでしょう。