埼玉県川口市は20代の頃に住んだ町です。
ここで卒論と修論を書き、「フラケンシュタイン」解説を書き、キネ旬で評論を書き始めたという、ある意味「はじまりの場所」。
とはいっても川口市は広く(現在は鳩ヶ谷市と合併してさらに広くなっています)、私が住んでいたのは浦和市(当時)にかなり近い場所だったので、市の中心である川口駅周辺はあまり縁のない場所でした。
それでも都心に住んでいた頃は京浜東北線で埼玉方面へ行くことも多く、電車で通過はしていたのです。
数十年ぶりに川口駅に降り立ったのは、川口市のUR賃貸の3年定期借家に入れないかと思い、川口駅近くの営業所へ行ったときです。その前に川口駅の1つ手前、赤羽駅(都内北区)のそばの新築URに申し込んで落選していたので、URには詳しくなっていたのです。が、定期借家は家賃激安なので順番待ちができていて、入居はむずかしい感じでした。
その後いろいろあって、結局、川口市とはだいぶ離れたところにある今のUR賃貸に転居したわけですが、昨日、久々に川口駅に行きました。
URの営業所へ行ったときにすでに大きく変わっていたのはわかったのだけれど、もはやキューポラの町ではない川口市です。
私が住んでいた頃もキューポラの町ではなかったと思うけど、うーん、なんというか。
駅前はデパートなどが立ち並び、歩道橋がビルをつないでいます。なんだかすごく無機質な街になった感じ。まあ、30~40年もたってるので。
駅から徒歩10分ほどのところにシネコンの入ったショッピングセンターがあります。電車で通過していたときにいつも気になっていたこの建物に行ってきました。
入口の前の広場に奇妙なオブジェ。
文字が見づらいけど、ここはかつてはサッポロビールの工場だったらしく、ビールを作るもののようです。
背後がシネコンの入ったビル。
このビルはヨーカ堂と専門店が入っていますが、あまり広くありません。郊外に引っ越してからは広いショッピングモールやセンターをいくつも見てきたので、かなり狭く感じます。トイレも狭いようで、すごく混んでいる上、壊れているトイレもある。今住んでいる町や近場のシネコンはトイレ事情がとてもいいので、その差に驚きます。
正直、川口市の人は隣の赤羽に買い物に行っちゃうだろうなと思いました。赤羽は駅の中にもショッピングエリアがあってすごいんです。
赤羽にはシネコンはないのですが、この川口のシネコンも駅から遠いから近所の人しか来ないだろうと思いました。
で、そのシネコンでまたもや「ルドルフとイッパイアッテナ」を見たのですが、もうこれはリピーターというより依存症ですね。
若い頃は入れ替え制でなかったので、ロードショーだと2回見て帰るのが普通で、気に入った映画だと3回見て帰り、それを3回繰り返して合計9回見て、さらに名画座で何度も見て、という感じで、普通にリピーターしてましたが、今は入れ替え制なので9回見るには9回映画館に行かねばなりません。1本の映画のために9回も映画館に行くなんて、明らかに依存症。
まあ、今回は、午後に上映しているところを探したら川口が見つかって、しかも大きなスクリーンが割り当てられていたので、1時間半くらいかけて行きました。「ルドルフ」に関しては、映画そのものもあるけど、毎回違うシネコンを探訪するというのも面白くて。
「ルドルフ」は最初に近場のシネコンで見たときは大きなスクリーンでしたが、その後は定員100人くらいの小さなスクリーンばかりでした。久々に大きいスクリーンで見たら、全然見え方がいいので、感動。こんなに違うのか。いや、前の市川がイオンシネマで、どうも私の印象では、イオンシネマは画面の鮮明度が東宝や松竹のシネコンに比べて悪い気がするのです。イオン・レイクタウンで見たときもそう感じたし。
今回は松竹系なので映像はばっちり、そして、やはり大きいスクリーンはいい。
ただ、お客さんがあまりよくなかったです。
前回の貸切状態も正直、あまり好きじゃなかったというか、貸切だと落ち着けるかと思ったら私はむしろ落ち着かなかったです。
今回はファミリーが多くて、それは前にも経験して、別に問題なかったのですが、どうも今回のファミリーは落ち着きのないファミリーが多い。おまけにエンドクレジットが始まるとみんな帰っていく。これまでは映画が終わってもみんなすぐには立ち上がらず、余韻をかみしめているみたいだったのに。ルドルフが最後に「おわり」って書くまで見てほしいのに。
というわけで、スクリーンはよかったんだけど、お客さんがあまり集中してないみたいで残念でした。映画って、まわりのお客さんも鑑賞の一部なのです。