月曜は仕事帰りにTOHOシネマズ六本木で「翔んで埼玉」を見る。
都心のTOHOは当初、「埼玉」をかなり冷遇していて、六本木や上野、錦糸町は小箱を当てて予約は瞬殺。日比谷、新宿、渋谷は東映系の映画館が近くにあるので遠慮して上映せず。その上、埼玉県にはTOHOシネマズが1軒しかないという、TOHO蚊帳の外の「埼玉」大ヒットだったのですが、上野と錦糸町はすぐさま大き目の箱に替えたものの、六本木だけはかたくなに小箱で上映。さすが都会指数のヒエラルキー最上位の港区のシネコンだわ~と感心?したものでした。
その六本木もその後は大き目の箱を当てるようになり、そして、ドラえもんの春休みが終わって、期待の「ダンボ」は思ったほど入らず、「名探偵コナン」までどうしよう、と思ったのか、ここに来て、上野と六本木が最大箱で「埼玉」をやりだしたのです。
特に六本木の最大箱は都内第2位の大きさを誇るTCXのスクリーン。聖地MOVIXさいたまの最大箱より横が1.5メートルくらい長い。しかもさいたまのスクリーンはシネスコ用なので、「埼玉」を上映すると左右に少し黒い部分があるのだけれど、六本木のTCXはちょうど「埼玉」の画面サイズに合っていて、黒い部分がないのです。
しかも、ツイッターで、ここで「埼玉」を見た人が音がいいと書いていた。
うーん、これは一度行かねば。
と思って前日の夜、予約しようとアクセスしましたが、どの席がいいのかわからず悩む。
TOHO六本木は何度か行ったことありますが、大部分は試写会で、このTCXの部屋も入った記憶はあるけれど、まだTCXじゃない時代だったような気がします。それに、試写会だと座席を選べないので、私みたいなペーペーはうんと前の方とか一番端とかの席にされるので、入ったことがあってもどこがいいのかよくわからない。
で、以前から一度座ってみたいと思っていたのが、プレミアムボックスシート。入場料+1000円で、座席のわきに荷物を置くスペースがあり、座席と座席の間についたてがあって隣を意識しないですむ席です。
これまでさいたまとか亀有とかで「埼玉」を見てきたけれど、都会指数最上位の港区六本木で「埼玉」を見るんだからぜいたくしてもいいんじゃないかと思って予約。
ぜいたくついでに、シネマイレージを使ってドリンクとポップコーンをもらったらどうだろう、と思いました。シネマイレージ、実はあと500マイルくらいで1か月フリーパスが作れるのですが、最近はフリーパスの座席数に制限が設けられ、平日に行っても席が取れないケースがあるようです。予約できないので行っても見れるかどうかわからないし、第一、うちはMOVIXの方が近いのに、フリーパスあるから遠いTOHOへ行くのも面倒だし、と思ったら、フリーパスはやめてドリンクやポップコーンをもらった方がいいかなと。
というわけで、1000円高いプレミアムボックスシートと、無料のドリンクとポップコーンでぜいたくするぞ、と出かけました。
仕事は渋谷というか、例の児童相談所問題で悪い意味で話題になった港区南青山の近くの渋谷区内だったので、南青山まで出てそこから六本木まで歩くことにしました。六本木ヒルズは渋谷区内からも見えているのでそこをめざして歩きます。
が、途中で雨が降ってきた。
六本木に着いたら映画が始まるまで1時間半近くあったので、雨宿りも兼ねてヒルズのマックへ。1階がマックカフェ、2階が普通のマックのようでしたが、気がつかず、マックカフェで高い(といっても230円)コーヒーを買ってしまう。買ってから、上のマックなら100円コーヒーだった?と気づいたけど、六本木まで来てけちるなよ、自分、と思い、マックカフェでゆったりしました。
マックカフェだと瀬戸物のコーヒーカップに入って出てきます。味も100円のよりよい。
そしてまた雨の中を歩いてシネコンに行きましたが、濡れた傘があるし、仕事帰りなので荷物も多いし、急に寒くなって冬のジャケットを着ていたので、荷物置き場のあるボックスシートはとてもありがたかったです。普通の座席で隣の人がドリンクとポップコーンを座席のところに置いていると気になるたちなのだけど、ボックスシートなら隣に気がねせず飲食できます。
ポップコーンは大きな音を立てて食べている人が近くにいると嫌な思いをしていたので、予告のうちにさっさと食べましたが、噛むと音がけっこうする。シネマイレージでもらえるのはドリンクもポップコーンもSなのだけど、どちらもSでも量が多いです。なんでみんなMとか食べられるのだろう。
とりあえず、シネコンのポップコーン初体験でした(ポップコーンなんてお金を出して食べるものだとは思っていない)。
ボックスシートはスクリーンに対する位置も非常によくて、私としては理想の距離でした。ただ、前の人の座高が高いとスクリーンにかぶってしまいそう。スクリーンが床まであるので。
「翔んで埼玉」はTCXで大画面になったからといって、それまで見たときより映像の質が向上しているわけではないです。映像の質は同じで、画面が大きくなっている感じ。ただ、音響はよかった。さいたまや亀有で見たときは聞き取りづらかったせりふが非常にクリアーによく聞こえます。音質もいい感じ。最後の方の放送局のシーンで、子供の笑う声がするのですが、これまでは左やや前の方から聞こえていたのに、ここでは左後方から聞こえました。座席の位置のせいではなく、サラウンド感がある感じ。それ以外でも細かい音とか、今までよりよいなあという感じを非常に受けて、映像音響ともに満足。
ただ、お客さんの笑いが全然聞こえない。さいたまみたいに笑いっぱなしはないにしても、亀有程度には笑うと思ったら、全然笑わない。六本木はノリが悪い、という意見がツイッターにあったけど、やはりそうなのか、と思いながら見ていたら、映画が終わって静かになった瞬間、場内から大きな笑い声と楽しげな声が。見ている間はみんな、声を出すのを我慢していたのかな。終わったときのお客さんたちの雰囲気はとてもいい感じでした(さいたまの方は地元ネタとか話してるけど)。
あるいは、私のようなリピーターが多かったのかもしれない。
六本木は「翔んで埼玉」のご当地でもあり、最初の方に登場する女性ダンサーが踊っている場所は六本木だそうだし、映画の中では港区の青山や赤坂がヒエラルキー上位になっているし、その港区の六本木の映画館の最大スクリーンを「埼玉」が支配した、というのはこれはこれですごいことなのかもしれません。最後、あの巨大画面全体に、「大好き埼玉」の文字が出るのも感慨深い。
外に出ると雨はやんでいて、六本木駅から乗った日比谷線は東武動物公園行き。乗ってる人たちは埼玉に帰るのか、と思うとまた味わい深いものがありました。
ていうか、日比谷線が東武線と乗り入れているので、六本木には毎日埼玉の空気が来ているのです。