2019年11月8日金曜日

ゴッホの映画とハプスブルク展

だいぶ前から楽しみにしていたゴッホの映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」を早速見て、そのあと西洋美術館のハプスブルク展へ行った。
「永遠の門」はMOVIXで見れば無料だったのだが、ハプスブルク展とのハシゴを考えてTOHO上野に。ここは「ゴッホ 最期の手紙」を見たところでもある。あとで調べたら、同じスクリーンの同じ席だった。ちょうど2年前の11月。
あのとき、開館したばかりのTOHO上野へ行ったら、幼い子供が母親に「ゴッホって怖い映画なの?」と聞いていて、面白く感じたので、それを某サイトに書きこんだら、「ゴッホ それが見えたら終わり」というレスがついて笑ってしまったことがあった。
ゴッホが怖いというのは耳を切り落としたからだろうが、「ゴッホ それが見えたら終わり」というのもなんとなくゴッホに合っているなあ、と思っていたら、「永遠の門」がまさにそういう映画でびっくり。
ゴッホにしか見えないものがあって、それを人に伝えたいとゴッホは思っている、という解釈。
今じゃなくて未来に向けて描いているんだと彼は言う。
「イット」とは全然違うんだろうけど、やはり「それが見えたら終わり」な感じが濃厚。
という映画ではあったのだが、個人的にはゴッホの映画の中では一番ノレなかった。
ゴッホの映画はだいたい好きで、ブログでも見ると書いてきたし、中学生のときに見た「炎の人ゴッホ」も大好きなのだが、これはどうもついていけない。
音楽が少しうるさい気がするし、その音楽や映像が何度もブツッと切れる。ちょっとゴダールの映画を思い出したりして、しかし、ゴダールではもちろんないので、なんだかなあ、と。
この映画ではゴッホは子供にいじめられていて、従来の自殺説ではない他殺説をとったラストもそこからつながっているのだが、なぜゴッホが少年をかばったのかがわからない。

そんなわけで、消化不良のまま、美術館へ。
上野の森美術館ではゴッホ展をやっている。映画もこれに合わせて公開し、特に上野ではわりと大きなスクリーンを当てているのだけど、ガラガラでした。

ゴッホ展もあまり混んでなさそう。ここはパスして西洋美術館のハプスブルク展へ。
ベラスケスのマルガレーテ王女。

建物の入口。これはマリー・アントワネット。

金曜は夜8時までで、5時くらいに入ったときはそれほど混んでいなかったが、6時すぎた頃から少し人が増えてきた。でも、全体的にはさほど混んでない。どの絵も近くからじっくり見られる。
ハプスブルク家の人々の肖像画が多く、マルガレーテ王女、マリー・アントワネット、マリア・テレジア、シシーことエリザベトといった有名な女性たちの肖像画がある。ほかにはデューラーの版画があって、だいぶ前にデューラー展で見たものだったのでなつかしかった(実は西洋美術館所蔵とわかる。版画なので同じものが何枚もあるのだろう)。
聖書や神話伝説、ハプスブルク家の歴史にかかわる絵画や品物(甲冑など)が展示されていて、わりとわかりやすい美術展だった。その分、これはすごい、と見入ってしまうものはあまりなかった。
マルガレーテ王女の絵は2枚あって、ベラスケスの青いドレスの絵と、別の画家の緑のドレスの絵が並べてあったが、構図がそっくりなので、模写だろうかと思った。その辺、何も説明が書いていない。