2020年3月10日火曜日

「スキャンダル」

亀有にあるチケットぴあの取扱店に行ってヅカLVのチケットを発券してきたついでに、MOVIX亀有で「スキャンダル」を見た。

シネコンのあるアリオ亀有に行って驚いた。中高生でいっぱいだ。昨日のテラスモール松戸は閑散としていたのに、こっちはフードコートに中高生のグループがいっぱい。他の場所にもグループがたむろしている。小さい子供を連れたファミリーも多い。なんか全然自粛してない、平日とは思えない盛況(?)で、しかもマスク率が超低い。うーん、亀有は両さん怖くてウィルスが寄りつかないのか(違う)。
「スキャンダル」を見るか、金町の寅さん記念館へ行くか迷ったのだけど、寅さん記念館もコロナに負けずに混んでいるのだろうか。
シネコンはさすがに混んではいなかった。高校生の男子グループがおしゃべりしながら通路を歩いているので、何を見るのかな、と思ったら、「パラサイト」だった。

「スキャンダル」は保守的、というよりはネトウヨ的なメディア、FOXテレビの創立者で会長のセクハラ告発事件をもとにした映画。シャーリーズ・セロンとニコール・キッドマンの演じる女性キャスターは実在、マーゴット・ロビー演じる女性は架空の人物。
内容的には見るべきところが多いのだが、映画としてはとっ散らかった印象が否めない。監督のジェイ・ローチは同じく実話をもとにした「トランボ」がよかったのだが、1人の人物に焦点を合わせた「トランボ」に比べ、この映画は3人のスター女優をヒロインにしたことで、焦点がぼけてしまった感じがする。セロンの人物かキッドマンの人物かどちらか1人をメインにした方がまとまりが出たのではないか。セロンのシーンとキッドマンのシーンが対等の比率で描かれるのがどうも集中力を欠く。ロビーの演じる架空の人物はちょっと類型的な感じもする。
登場する人物が非常に多くて、背景をよく知らない私にはすべての人物を把握できなかったが、FOXテレビ内部で女性たちがセクハラを当たり前、しかたないと思ってしまっているのがよくわかる。セロンやキッドマンの人物も迎合してしまっていたのである。架空の人物であるロビーだけが、ここにいてはいけないと感じ、FOXテレビと決別するが、内部にいるとそれに馴らされてしまうというのがよくわかる。キッドマンの告発をきっかけに、彼女たちは声をあげるのだが、それでも彼女たちが勝利した、というすっきりした終わり方になっていないのも現実を反映しているのかもしれない。