風邪と目の充血で2週間、プールに行けませんでしたが、大雨の12月30日、今年最後のプールへ行ってきました。
ところは夢の島体育館。駅から徒歩15分、道路も階段も川や滝のようで、しかも体育館の目の前の通路によけることのできない深い水溜りが! 体育館に入ったときは靴もジーンズもずぶぬれ。とりあえず、靴にティッシュを詰め込み、ジーンズは更衣室のドライヤーで乾かせばいいや、と思ってプールへ。
数年前から公営プールはコースの団体貸切をめいっぱい入れるようになってしまい、特にこの夢の島体育館はほとんどの時間、多くのコースが貸切になっているので、一般人は狭いところで何人もが泳ぐことになり、ふだんは行くこともなくなりましたが、年末年始はここしかやってないので、この時期だけは行きます。
ただ、さすがに30日とあって、貸切コースは多くても一般人は少なく、そこそこよく泳げました。7時になると団体はすべて帰ったので、全コース一般用になり、それをねらうように家族連れが入ってきました。予定表を見ると、正月も貸切コースが1日中びっしりですね。さすがに元旦と2日は少なめでしたが、それでも貸切が入っている。
最寄り駅の新木場はコミックマーケットの客やディズニーランドの客の乗換駅なので、年末は夜になってもけっこう混むのですが、さすがに大雨のせいか、去年の暮れよりはかなり人が少なかったです。カラコロを持った人は全然見当たらなかったなあ。
帰るころには雨もやみ、恒例の駅前のシャノアールで軽食を食べて帰りました。来年は巳年ということで、隣の辰巳駅ではお正月にイベントがあるようです。
2012年12月31日月曜日
2012年12月27日木曜日
Every cloud has a silver lining.
今年最後の試写を見に行っての帰り、六本木のウェンディーズに立ち寄って、ハンバーガーとチリを食べていたとき、若い女性たちが入ってきて、「あと1日だねえ」。
そうです。世間の皆様はまだ冬休みじゃない。私はもう冬休み。風邪だ、目の充血だ、とヒイヒイ言ってますが、世間様よりずっと楽しています(その分、収入悪いけど)。
もっとも、冬休みとはいっても、年明けの期末試験や来年度の授業の準備があり、完全に休みではありませんが。
そういえば、行きつけのプールも今日が今年最後だったはず。まだ目が赤いので、プールは無理。治ったら、年末年始にもやっているプールへ行こう。
というわけで、今日の試写は「世界にひとつのプレイブック」。
アカデミー賞にノミネートされた「ザ・ファイター」の監督の新作で、前作同様、いがみあっているけど強い絆で結ばれた家族が描かれています。原作があるそうだけど、まるで前作の続きのよう。今回もスポーツがからんでいて、舞台となるフィラデルフィアのアメフト・チーム、イーグルスが重要な要素に(アメフトシーンはほとんどないというか、全然ない?)。
主人公は妻の不倫相手をボコボコにして、躁鬱症と診断され、精神病院に入ったあと、退院してくるのだけど、妻には近づいてはならないという禁止令が出ている。でも、主人公は妻とよりを戻したくて未練たらたら。そんな彼が知り合ったのが、夫を亡くした若い未亡人。心に傷を持つ2人がけんかしながらしだいに仲良くなり、という話。
この映画、主人公は不倫相手をボコボコにして当然、仕事はクビ。その父親も失業中で、チーズステーキの店を始めるためにアメフトチームで賭けをしている。そして、主人公が知り合う女性も失業中と、失業中の人ばかりなのだが、彼らが住んでいるのはフィラデルフィアの郊外の中流の人たちが住む地域。こんなに失業ばかりで大丈夫なのかな、と思うけど、なぜか、あまり心配はしていない人たち(金があるのか?)。この辺が、まあ、甘いといえば甘いのですが、主人公役のブラッドリー・クーパー、ヒロイン役のジェニファー・ローレンス(役には若すぎるのだが、大人びた感じで出ています)、そしてなにより父親役のロバート・デ・ニーロがうまくて、話に乗せられてしまいます。最後もうまくいきすぎなんだけどね。
原題は"Silver Linings Playbook"で、silver liningsというのは"Every cloud has a silver lining"=どの雲にも銀の裏地がある、つまり、雲の後ろには必ず太陽があるということわざからですが(ジェニファー・ローレンスのヒロインが何度も"silver lining"と言っています)、これ、実は私の大好きなことわざです。
トロント映画祭で観客賞をとったとかで、アカデミー賞最有力と言われていますが、どうでしょうか(「スラムドッグ$ミリオネア」と「英国王のスピーチ」がトロントで観客賞を受賞)。個人的には「ザ・ファイター」に作品賞とってほしかったのですが、この映画は「ザ・ファイター」よりは落ちる感じがするけど(あくまで私の感じ)、対抗馬しだいでしょうか。
(今検索したら、「silver liningのliningは線を引くという意味です」なんて書いてある英語解説のサイトがあってびっくり。liningとは、服の裏地のことですよ。雲を布にたとえているのです。)
追記 そうそう、字幕で、タンパベイを「レイズ」と訳してたんだけど、「レイズ」はNFLじゃないよね、「バッカニアーズ」じゃなかったけ?と思ったら、やっぱりバッカニアーズでした。「レイズ」はMLBか。たぶん、もう気がついていて、直す予定だろうと思うけど。こういうのはわかる人は「タンパベイ」あるいは「タンパ」でわかるので、せりふどおり「タンパベイ」か「タンパ」にしとけばいいのだけど(バッカニアーズでは字数が多い)。わからない人はどう訳したってわからないです。
そうです。世間の皆様はまだ冬休みじゃない。私はもう冬休み。風邪だ、目の充血だ、とヒイヒイ言ってますが、世間様よりずっと楽しています(その分、収入悪いけど)。
もっとも、冬休みとはいっても、年明けの期末試験や来年度の授業の準備があり、完全に休みではありませんが。
そういえば、行きつけのプールも今日が今年最後だったはず。まだ目が赤いので、プールは無理。治ったら、年末年始にもやっているプールへ行こう。
というわけで、今日の試写は「世界にひとつのプレイブック」。
アカデミー賞にノミネートされた「ザ・ファイター」の監督の新作で、前作同様、いがみあっているけど強い絆で結ばれた家族が描かれています。原作があるそうだけど、まるで前作の続きのよう。今回もスポーツがからんでいて、舞台となるフィラデルフィアのアメフト・チーム、イーグルスが重要な要素に(アメフトシーンはほとんどないというか、全然ない?)。
主人公は妻の不倫相手をボコボコにして、躁鬱症と診断され、精神病院に入ったあと、退院してくるのだけど、妻には近づいてはならないという禁止令が出ている。でも、主人公は妻とよりを戻したくて未練たらたら。そんな彼が知り合ったのが、夫を亡くした若い未亡人。心に傷を持つ2人がけんかしながらしだいに仲良くなり、という話。
この映画、主人公は不倫相手をボコボコにして当然、仕事はクビ。その父親も失業中で、チーズステーキの店を始めるためにアメフトチームで賭けをしている。そして、主人公が知り合う女性も失業中と、失業中の人ばかりなのだが、彼らが住んでいるのはフィラデルフィアの郊外の中流の人たちが住む地域。こんなに失業ばかりで大丈夫なのかな、と思うけど、なぜか、あまり心配はしていない人たち(金があるのか?)。この辺が、まあ、甘いといえば甘いのですが、主人公役のブラッドリー・クーパー、ヒロイン役のジェニファー・ローレンス(役には若すぎるのだが、大人びた感じで出ています)、そしてなにより父親役のロバート・デ・ニーロがうまくて、話に乗せられてしまいます。最後もうまくいきすぎなんだけどね。
原題は"Silver Linings Playbook"で、silver liningsというのは"Every cloud has a silver lining"=どの雲にも銀の裏地がある、つまり、雲の後ろには必ず太陽があるということわざからですが(ジェニファー・ローレンスのヒロインが何度も"silver lining"と言っています)、これ、実は私の大好きなことわざです。
トロント映画祭で観客賞をとったとかで、アカデミー賞最有力と言われていますが、どうでしょうか(「スラムドッグ$ミリオネア」と「英国王のスピーチ」がトロントで観客賞を受賞)。個人的には「ザ・ファイター」に作品賞とってほしかったのですが、この映画は「ザ・ファイター」よりは落ちる感じがするけど(あくまで私の感じ)、対抗馬しだいでしょうか。
(今検索したら、「silver liningのliningは線を引くという意味です」なんて書いてある英語解説のサイトがあってびっくり。liningとは、服の裏地のことですよ。雲を布にたとえているのです。)
追記 そうそう、字幕で、タンパベイを「レイズ」と訳してたんだけど、「レイズ」はNFLじゃないよね、「バッカニアーズ」じゃなかったけ?と思ったら、やっぱりバッカニアーズでした。「レイズ」はMLBか。たぶん、もう気がついていて、直す予定だろうと思うけど。こういうのはわかる人は「タンパベイ」あるいは「タンパ」でわかるので、せりふどおり「タンパベイ」か「タンパ」にしとけばいいのだけど(バッカニアーズでは字数が多い)。わからない人はどう訳したってわからないです。
電気ひざ掛け
冬休みに入ったのをいいことに、次々更新中。
さて、冬の暖房は電気ストーブだけでがんばってきた私ですが、今年はネットで紹介されていた電機ひざ掛けを買ってみました。関西の某メーカーの製品で、値段が安いので大人気のようですが、ワタクシ的にはちと失敗、いや、大いに失敗だったかも。
アマゾンのカスタマーレビューでも、一部、不満が書かれていますが、その最大の難点は、
1 臭いがきつい。
2 繊維が抜ける。
2日間、使ってみたのですが、とにかく臭いがきつい。そして、細かい繊維が抜けて、静電気で舞うようで、のどがおかしくなった。
というわけで、3日目は電気でないひざ掛けにしました。確かに暖かくないけど、臭いと静電気で舞う繊維はやはりいやだ。一応、繊維防止に100均の布団袋に入れてみたのだけど、臭いとのどのおかしさは消えませんでした(ひざ掛けの繊維は舞わなくても、ほかのほこりなどが舞うようだ)。
あと、やっぱり、電磁波ですかね、私の苦手な。
今夜は寒いので、電気ストーブは800ワットにしていますが、これなら電気ひざ掛けはいりません。電気ストーブ400ワットと電気ひざ掛けで電気代節約と思ったのだけど、ほんとに寒くなるとこれではだめです。
ところで、このひざ掛けを知ったのは、ビジネス書で人気の某有名エッセイストのブログでしたが、よく考えてみたら、本を何冊も出している有名人がこんな安物を使うわけないのですよね。ブログには、「いつも使っています」と書いてますが、実際はこんなもの使ってないに違いない、アフィリエイトで儲ける手段なのだろう、と思いました。(人気エッセイストがアフィリエイトで小遣い稼ぐのだろうか、という疑問はあるが……でも、「自分はブログで月収20万」とか書いているビジネス系の人気ライターがいたので、有名人だとアフィリエイトでも相当稼げるのだろう。私は通販じゃなくて、店で現物を見て買ったので、アフィリエイトには協力してませんが。)
さて、冬の暖房は電気ストーブだけでがんばってきた私ですが、今年はネットで紹介されていた電機ひざ掛けを買ってみました。関西の某メーカーの製品で、値段が安いので大人気のようですが、ワタクシ的にはちと失敗、いや、大いに失敗だったかも。
アマゾンのカスタマーレビューでも、一部、不満が書かれていますが、その最大の難点は、
1 臭いがきつい。
2 繊維が抜ける。
2日間、使ってみたのですが、とにかく臭いがきつい。そして、細かい繊維が抜けて、静電気で舞うようで、のどがおかしくなった。
というわけで、3日目は電気でないひざ掛けにしました。確かに暖かくないけど、臭いと静電気で舞う繊維はやはりいやだ。一応、繊維防止に100均の布団袋に入れてみたのだけど、臭いとのどのおかしさは消えませんでした(ひざ掛けの繊維は舞わなくても、ほかのほこりなどが舞うようだ)。
あと、やっぱり、電磁波ですかね、私の苦手な。
今夜は寒いので、電気ストーブは800ワットにしていますが、これなら電気ひざ掛けはいりません。電気ストーブ400ワットと電気ひざ掛けで電気代節約と思ったのだけど、ほんとに寒くなるとこれではだめです。
ところで、このひざ掛けを知ったのは、ビジネス書で人気の某有名エッセイストのブログでしたが、よく考えてみたら、本を何冊も出している有名人がこんな安物を使うわけないのですよね。ブログには、「いつも使っています」と書いてますが、実際はこんなもの使ってないに違いない、アフィリエイトで儲ける手段なのだろう、と思いました。(人気エッセイストがアフィリエイトで小遣い稼ぐのだろうか、という疑問はあるが……でも、「自分はブログで月収20万」とか書いているビジネス系の人気ライターがいたので、有名人だとアフィリエイトでも相当稼げるのだろう。私は通販じゃなくて、店で現物を見て買ったので、アフィリエイトには協力してませんが。)
2012年12月26日水曜日
天使の分け前
目の充血が治らないので、プールは我慢していますが、映画は我慢していません。
で、今日はケン・ローチの新作「天使の分け前」。
例によって、イギリス・スコットランドの貧しい若者たちの話です。幼い頃から暴力が支配する世界で育ち、少年院にも入っていた経験のある若者が、親の代から犬猿の仲という相手とけんかして過剰に暴力をふるい、刑務所行きにはならなかったが、社会奉仕を義務付けられ、ある親方のところで働く、という物語。
若者には恋人がいて、子供が生まれる。真人間になろうと決意するも、就職もままならない。恋人の父親は若者と同じような境遇の出身で、今は金持ちになり、中流の地域に引っ越しているが、娘がつきあっているその若者の行く末がわかっているので、なんとか別れさせようとする。あるときは暴力を使い、あるときは金で別れさせようとする。そんな窮地に陥った若者を助けるのが親方。彼は同じように罪を犯して社会奉仕している若者たちをウィスキーの蒸留所の見学に連れていく。
ケン・ローチというと、イギリスの貧困や移民問題などを辛口で描く作家で、見ていてつらいものが多いのだが、この映画はコメディタッチで明るい。後半はウィスキーで起死回生をはかる若者たちの冒険になっていき、最後もすてきだ。「天使の分け前」とは、樽で熟成されるウィスキーは毎年2パーセントずつ蒸発していき、それは天使の分け前と呼ばれている、ということ。主人公はその天使の分け前を掠め取り、なんとか自分たちの生きる元手にしようとしている。そして、「天使の分け前」という言葉がなんともうれしい言葉として出てくる結末近くのシーン(これはネタバレなしで)。
イギリス映画にはケン・ローチやマイク・リーのような庶民や貧しい人々を主役にした名作を作る監督がいて、彼ら以外にもそういった良質の映画を作る監督が何人もいる。若者の失業者が100万人を超えたという国で、貧しい若者や子供を主人公にしたシビアな映画、あるいは心あたたまる映画が次々と生まれているのだが、こうした映画は公開当時は話題になっても、いつのまにかレンタル店の片隅に追いやられ、セルDVDの売り場ではめったに見ることもなくなる。DVD売り場で現代のイギリス事情を描く映画を探しても、上流中流の人々を描く文芸大作か、昔の名画くらいしかないのが残念だ。
それはともかく、この「天使の分け前」はほのぼのとして楽しい映画。ウィスキーが醸造されるスコットランドの風光明媚な場所も登場し、いつものイギリス貧困層の映画とは違う雰囲気もある。
で、今日はケン・ローチの新作「天使の分け前」。
例によって、イギリス・スコットランドの貧しい若者たちの話です。幼い頃から暴力が支配する世界で育ち、少年院にも入っていた経験のある若者が、親の代から犬猿の仲という相手とけんかして過剰に暴力をふるい、刑務所行きにはならなかったが、社会奉仕を義務付けられ、ある親方のところで働く、という物語。
若者には恋人がいて、子供が生まれる。真人間になろうと決意するも、就職もままならない。恋人の父親は若者と同じような境遇の出身で、今は金持ちになり、中流の地域に引っ越しているが、娘がつきあっているその若者の行く末がわかっているので、なんとか別れさせようとする。あるときは暴力を使い、あるときは金で別れさせようとする。そんな窮地に陥った若者を助けるのが親方。彼は同じように罪を犯して社会奉仕している若者たちをウィスキーの蒸留所の見学に連れていく。
ケン・ローチというと、イギリスの貧困や移民問題などを辛口で描く作家で、見ていてつらいものが多いのだが、この映画はコメディタッチで明るい。後半はウィスキーで起死回生をはかる若者たちの冒険になっていき、最後もすてきだ。「天使の分け前」とは、樽で熟成されるウィスキーは毎年2パーセントずつ蒸発していき、それは天使の分け前と呼ばれている、ということ。主人公はその天使の分け前を掠め取り、なんとか自分たちの生きる元手にしようとしている。そして、「天使の分け前」という言葉がなんともうれしい言葉として出てくる結末近くのシーン(これはネタバレなしで)。
イギリス映画にはケン・ローチやマイク・リーのような庶民や貧しい人々を主役にした名作を作る監督がいて、彼ら以外にもそういった良質の映画を作る監督が何人もいる。若者の失業者が100万人を超えたという国で、貧しい若者や子供を主人公にしたシビアな映画、あるいは心あたたまる映画が次々と生まれているのだが、こうした映画は公開当時は話題になっても、いつのまにかレンタル店の片隅に追いやられ、セルDVDの売り場ではめったに見ることもなくなる。DVD売り場で現代のイギリス事情を描く映画を探しても、上流中流の人々を描く文芸大作か、昔の名画くらいしかないのが残念だ。
それはともかく、この「天使の分け前」はほのぼのとして楽しい映画。ウィスキーが醸造されるスコットランドの風光明媚な場所も登場し、いつものイギリス貧困層の映画とは違う雰囲気もある。
ライフ・オブ・パイ
相変わらず風邪気味ですが、左目の充血がいっこうに治らず、それどころか右も赤くなってきました。プールで泳ぎすぎて充血したときは、翌日にはすっかり治っていたのですが、これは風邪が治るまで治らないのだろうか。とにかく、水泳は当分お預け。
そして、クリスマスの25日は「ライフ・オブ・パイ」の試写会。せっかく試写状いただいたのに、今日見ないともう行ける日がないかもしれない、でも、3Dか、目の調子が悪いのに3Dなんか見て大丈夫だろうか、と不安に思いつつ、一応、行ってみました。
3Dは何年か前にジム・キャリーの「クリスマス・キャロル」を見て以来です。あのときは90分くらいの短い映画なのに、ものすごく目が疲れた。3D用のメガネが重くてつらかった。ところが、今度の映画は2時間以上ある。しょうがない、つらくなったら目をつぶってしまおう、と思っていましたが…。
全然大丈夫でした!
まず、メガネが重くない。しかも、近眼用のメガネの上にしっかり固定されて、ずり落ちてこない。そして、「ライフ・オブ・パイ」の3Dは、飛び出してくるタイプではないのです。いかにも3Dだぞ、3Dだぞ、というところがない。気にしていないと3Dだということを忘れる(片目をつぶると3Dでなくなります)。でもやっぱり、2Dとは違う映像の美しさが感じられます。
これまでの3Dは、「アバター」を除くと、2Dで見ても、ああ、ここが飛び出してくるんだな、とわかるような映像のつくりになっていましたが、この映画はそういう感じではありません。インド人の少年がトラと漂流する話だけど、トラが飛び出してきても、3Dでトラが飛び出してくる感じはありません。そういうこれ見よがしなところがなく、逆に、静かな海の水面の広がりをあらわすようなシーンに3Dの不思議な美しさがあるというか。うーん、これは必見。
これまで3Dの映画はとことん避けていて、見たい映画は2Dの映画館へ行ったくらいでしたが、これは思いがけないすばらしい3D体験でした。
映画は世界中でヒット、絶賛されていて、確かに2時間7分、まったく飽きません。インドで動物園を経営する両親がアメリカに移住を決意、動物と家族で日本の船に乗り、太平洋を進む途中、船が難破。16歳のインド人の少年パイだけが救命ボートに乗れて助かりますが、そこへ逃げてきたトラが! というわけで、飢えと乾きと海の脅威に悩まされながら、少年がいかにしてトラに食われずに生き抜いていくか、というお話。まあ、とにかく映像がきれい。そして、少年とトラだけの海のシーンばかりなのに、少年がトラをかわしたり、ならしたりしながら生きていくエピソードの数々が生き生きとして面白いです。トラはCGですが、なんだか、猫スポットで会う猫と表情が似ていて、奇妙な気分になりました。
鏡のような海と、ラスト近くに少年がたどり着く島の描写がこの世のものとは思えないような(実際、この世にはありえない風景なのだが)幻想的な美しさです。
1つ苦言を言うとしたら、久しぶりに外国映画の中の感じの悪い日本人を見たことかな。船が日本の船だったということで、日本人が調査に来るのですが、この日本人が、あまり感じよくない描かれ方です。最近は日本人は感じ悪く描かれたり、あまりにも変だったりということが減っているのですが、この映画の日本人は頭が悪すぎで、非常に感じが悪い。これは原作者の感覚なのか、監督(台湾出身のアン・リー)の感覚なのか、知りたいところです。もっとも、主人公とその家族のインド人たちも、インド人から見たら変なのかもしれませんが。あ、あと、ジェラール・ドバルデューのフランス人コック(チョイ役)がものすごく感じ悪かったですね。そういう視点の映画なのかもしれないですね。
そして、クリスマスの25日は「ライフ・オブ・パイ」の試写会。せっかく試写状いただいたのに、今日見ないともう行ける日がないかもしれない、でも、3Dか、目の調子が悪いのに3Dなんか見て大丈夫だろうか、と不安に思いつつ、一応、行ってみました。
3Dは何年か前にジム・キャリーの「クリスマス・キャロル」を見て以来です。あのときは90分くらいの短い映画なのに、ものすごく目が疲れた。3D用のメガネが重くてつらかった。ところが、今度の映画は2時間以上ある。しょうがない、つらくなったら目をつぶってしまおう、と思っていましたが…。
全然大丈夫でした!
まず、メガネが重くない。しかも、近眼用のメガネの上にしっかり固定されて、ずり落ちてこない。そして、「ライフ・オブ・パイ」の3Dは、飛び出してくるタイプではないのです。いかにも3Dだぞ、3Dだぞ、というところがない。気にしていないと3Dだということを忘れる(片目をつぶると3Dでなくなります)。でもやっぱり、2Dとは違う映像の美しさが感じられます。
これまでの3Dは、「アバター」を除くと、2Dで見ても、ああ、ここが飛び出してくるんだな、とわかるような映像のつくりになっていましたが、この映画はそういう感じではありません。インド人の少年がトラと漂流する話だけど、トラが飛び出してきても、3Dでトラが飛び出してくる感じはありません。そういうこれ見よがしなところがなく、逆に、静かな海の水面の広がりをあらわすようなシーンに3Dの不思議な美しさがあるというか。うーん、これは必見。
これまで3Dの映画はとことん避けていて、見たい映画は2Dの映画館へ行ったくらいでしたが、これは思いがけないすばらしい3D体験でした。
映画は世界中でヒット、絶賛されていて、確かに2時間7分、まったく飽きません。インドで動物園を経営する両親がアメリカに移住を決意、動物と家族で日本の船に乗り、太平洋を進む途中、船が難破。16歳のインド人の少年パイだけが救命ボートに乗れて助かりますが、そこへ逃げてきたトラが! というわけで、飢えと乾きと海の脅威に悩まされながら、少年がいかにしてトラに食われずに生き抜いていくか、というお話。まあ、とにかく映像がきれい。そして、少年とトラだけの海のシーンばかりなのに、少年がトラをかわしたり、ならしたりしながら生きていくエピソードの数々が生き生きとして面白いです。トラはCGですが、なんだか、猫スポットで会う猫と表情が似ていて、奇妙な気分になりました。
鏡のような海と、ラスト近くに少年がたどり着く島の描写がこの世のものとは思えないような(実際、この世にはありえない風景なのだが)幻想的な美しさです。
1つ苦言を言うとしたら、久しぶりに外国映画の中の感じの悪い日本人を見たことかな。船が日本の船だったということで、日本人が調査に来るのですが、この日本人が、あまり感じよくない描かれ方です。最近は日本人は感じ悪く描かれたり、あまりにも変だったりということが減っているのですが、この映画の日本人は頭が悪すぎで、非常に感じが悪い。これは原作者の感覚なのか、監督(台湾出身のアン・リー)の感覚なのか、知りたいところです。もっとも、主人公とその家族のインド人たちも、インド人から見たら変なのかもしれませんが。あ、あと、ジェラール・ドバルデューのフランス人コック(チョイ役)がものすごく感じ悪かったですね。そういう視点の映画なのかもしれないですね。
2012年12月23日日曜日
冬の上野公園(携帯写真)
秋の緑化フェアの上野公園の写真を以前にアップしましたが、それもとうに終わり、ある冬の日の上野公園。携帯で撮った写真です。
不忍池の向こうにスカイツリーが。クリックするとよく見えると思います。
池のカモメたち。
池で見られる鳥たちの掲示の上にとまるカモメ。全然人を怖がらず、カメラを持った人が次々やってきて写真を撮っていました。
つり禁止、東京都。手書きなのがなんともいえない。
緑化フェアで切り取られたハス。遠くに日暮里駅前の高層マンションが見える。
こちらは不忍通りの高層マンション。
緑化フェアで切り取られたハスのところを泳ぐカモ。
こちらはまったく別の場所の白い椿。雨上がりで、雨滴がついていますが、見えるかどうか?
風邪気味、今度は左目が充血してしまい、涙と目やにが止まりません。以前、プールで泳ぎすぎたときによくこの症状が出たので、その後はあまり長い時間泳がないようにしていますが、最近はプールも週に1回に減っています。が、今回はプールと関係なく充血したので、せっかく冬休みでプールに行けるのに、自粛。冬休みに入ってどっと疲れが出て、休めってことかな?
不忍池の向こうにスカイツリーが。クリックするとよく見えると思います。
池のカモメたち。
池で見られる鳥たちの掲示の上にとまるカモメ。全然人を怖がらず、カメラを持った人が次々やってきて写真を撮っていました。
つり禁止、東京都。手書きなのがなんともいえない。
緑化フェアで切り取られたハス。遠くに日暮里駅前の高層マンションが見える。
こちらは不忍通りの高層マンション。
緑化フェアで切り取られたハスのところを泳ぐカモ。
こちらはまったく別の場所の白い椿。雨上がりで、雨滴がついていますが、見えるかどうか?
風邪気味、今度は左目が充血してしまい、涙と目やにが止まりません。以前、プールで泳ぎすぎたときによくこの症状が出たので、その後はあまり長い時間泳がないようにしていますが、最近はプールも週に1回に減っています。が、今回はプールと関係なく充血したので、せっかく冬休みでプールに行けるのに、自粛。冬休みに入ってどっと疲れが出て、休めってことかな?
2012年12月22日土曜日
風邪気味2
お食事中の方、注意。
昨日の夜中、吐き気がして目が覚めた直後、やってしまいました。
風邪気味なので、ティッシュの箱をすぐそばに置いてあったので、すぐにふき取り、しかも、おなかの中には焼酎と麦茶しか入ってなかったので、シーツにしみができた程度ですみました。
そのあと、とにかくまた眠り、そして目が覚めると、別におなかの具合は悪くなく、食事も普通にできるので、問題なかったのですが(考えてみたら、昨日は昼間から胸焼けがしていたので、風邪の影響だと思う)、しみのついたシーツをどうするかが問題。
実は2日前にコインランドリーで洗濯したばかりで、まだ洗濯物がたまってない。しかも外は雨。コインランドリーの乾燥機は当然、混んでいるはず。シーツだけ洗濯して、乾燥機のたくさんあるランドリーへ行って、というのも大変だなあ、と思い、洗面器でシーツの汚れたところだけ洗い始めたのですが、やはり手では限界が。
しょうがないので、雨の中、コインランドリーへ。幸い、雨で洗濯する人が少ないのか、洗濯機も乾燥機もあいていたので、無事、洗濯は終了(シーツだけではもったいないので、そろそろ洗濯しようと思っていたものをかき集めて行った)。終わるころには雨もやみ、日がさしてきました。
お酒はそんなに飲んだわけではないし、何も食べていないのだから、寝酒をやった程度なんですが、何も食べてないのがよかったのか、悪かったのか。
昨日は、週に7コマも授業があると、授業の準備が大変で、ほかのことが何もできない、ほかの人はどうして10コマ以上できるのだろう、と書きましたが、実は、私もかつては週に7コマやっていたのです。ただ、すべて英語の授業だったので、同じテキストを複数の授業で使えるし、学生に問題をやらせてチェックするだけなので、授業の準備はわりと簡単でした。週に10コマ以上やっている先生たちは、おそらく、そういった授業をいくつもやっているのだと思います。
が、今は、文学や映画の授業が多く、とにかく準備が大変。まあ、自分で望んでやらせてもらっているものばかりなので、文句はいえないのですが。
週に7コマ、英語の授業をしていた頃は、翻訳の仕事もあったし、執筆の仕事もあったしで、授業は生活費の確保、翻訳と執筆で好きなことをする、と割り切れました。しかし、出版の世界も氷河期に入り、大学の方も非常勤の仕事を手に入れるのがむずかしい時代になりと、どこもかしこも不景気で、仕事は減る一方、収入も減る一方です。
仕事探しが氷河期、というのはどの業界でも同じだと思いますが、学生も就職活動が大変なようです(これは教師をしていると現実の問題としてよくわかる)。求人はあるといわれていますが、人が不足している企業はいわゆるブラック企業が多く、社員がどんどんやめていくので求人が多いとか。そういうところを避けると就職できず、そういうところに入ると過労死とか早期離職とかになってしまうらしい。
じゃあ、学生に人気の一流企業はゆったりとしたペースで仕事ができるのか、と思うと疑問でもあります。なぜなら、その人気一流企業の上位に、かつて、過労で自殺した社員を出した有名広告代理店があるからです。その会社は社員の自殺以後、待遇がよくなったので、人気企業なのでしょうか、それとも、単に有名で一流で見栄えがいい企業だから相変わらず人気があるのでしょうか。
その広告代理店の社員が過労で自殺したとき、その就労状況が報道され、それを見た零細広告代理店の友人が言っていました。
「広告代理店の社員はどこもみんなこのくらい仕事をしている。でも、適当にサボったり休んだりしているから過労で自殺までは行かない。この人はまじめで、適当にサボったり休んだりできない人だったのではないか」
もうあれから20年くらいはたっているはずですが、かつての日本の会社員は、拘束時間は長いけれど、その間に休んでいる時間が多い、といわれていました。しかし、今、ブラックと呼ばれている企業は、拘束時間が長く、しかもその間に休めないみたいなのです。
拘束時間は長いけれど、適度に休めるので、やっていける、というのはある種の日本的なのんびりした働き方だった気がしますが、今は、休んだりサボったりすることを許さない風潮があります。仕事の現場だけでなく、教育の現場でも。そして、そこでは人がサボったり休んだりしないように、常にお互いを監視するような体制になっています。拘束時間が短ければ、それでもいいでしょう。でも、拘束時間は相変わらず長く、サビ残の山だったりするわけですから、日本全体がブラック企業化し、お互いが監視しあうファシズムの世界みたいになっていくのかなあ、と、最近、思い始めています。
昨日の夜中、吐き気がして目が覚めた直後、やってしまいました。
風邪気味なので、ティッシュの箱をすぐそばに置いてあったので、すぐにふき取り、しかも、おなかの中には焼酎と麦茶しか入ってなかったので、シーツにしみができた程度ですみました。
そのあと、とにかくまた眠り、そして目が覚めると、別におなかの具合は悪くなく、食事も普通にできるので、問題なかったのですが(考えてみたら、昨日は昼間から胸焼けがしていたので、風邪の影響だと思う)、しみのついたシーツをどうするかが問題。
実は2日前にコインランドリーで洗濯したばかりで、まだ洗濯物がたまってない。しかも外は雨。コインランドリーの乾燥機は当然、混んでいるはず。シーツだけ洗濯して、乾燥機のたくさんあるランドリーへ行って、というのも大変だなあ、と思い、洗面器でシーツの汚れたところだけ洗い始めたのですが、やはり手では限界が。
しょうがないので、雨の中、コインランドリーへ。幸い、雨で洗濯する人が少ないのか、洗濯機も乾燥機もあいていたので、無事、洗濯は終了(シーツだけではもったいないので、そろそろ洗濯しようと思っていたものをかき集めて行った)。終わるころには雨もやみ、日がさしてきました。
お酒はそんなに飲んだわけではないし、何も食べていないのだから、寝酒をやった程度なんですが、何も食べてないのがよかったのか、悪かったのか。
昨日は、週に7コマも授業があると、授業の準備が大変で、ほかのことが何もできない、ほかの人はどうして10コマ以上できるのだろう、と書きましたが、実は、私もかつては週に7コマやっていたのです。ただ、すべて英語の授業だったので、同じテキストを複数の授業で使えるし、学生に問題をやらせてチェックするだけなので、授業の準備はわりと簡単でした。週に10コマ以上やっている先生たちは、おそらく、そういった授業をいくつもやっているのだと思います。
が、今は、文学や映画の授業が多く、とにかく準備が大変。まあ、自分で望んでやらせてもらっているものばかりなので、文句はいえないのですが。
週に7コマ、英語の授業をしていた頃は、翻訳の仕事もあったし、執筆の仕事もあったしで、授業は生活費の確保、翻訳と執筆で好きなことをする、と割り切れました。しかし、出版の世界も氷河期に入り、大学の方も非常勤の仕事を手に入れるのがむずかしい時代になりと、どこもかしこも不景気で、仕事は減る一方、収入も減る一方です。
仕事探しが氷河期、というのはどの業界でも同じだと思いますが、学生も就職活動が大変なようです(これは教師をしていると現実の問題としてよくわかる)。求人はあるといわれていますが、人が不足している企業はいわゆるブラック企業が多く、社員がどんどんやめていくので求人が多いとか。そういうところを避けると就職できず、そういうところに入ると過労死とか早期離職とかになってしまうらしい。
じゃあ、学生に人気の一流企業はゆったりとしたペースで仕事ができるのか、と思うと疑問でもあります。なぜなら、その人気一流企業の上位に、かつて、過労で自殺した社員を出した有名広告代理店があるからです。その会社は社員の自殺以後、待遇がよくなったので、人気企業なのでしょうか、それとも、単に有名で一流で見栄えがいい企業だから相変わらず人気があるのでしょうか。
その広告代理店の社員が過労で自殺したとき、その就労状況が報道され、それを見た零細広告代理店の友人が言っていました。
「広告代理店の社員はどこもみんなこのくらい仕事をしている。でも、適当にサボったり休んだりしているから過労で自殺までは行かない。この人はまじめで、適当にサボったり休んだりできない人だったのではないか」
もうあれから20年くらいはたっているはずですが、かつての日本の会社員は、拘束時間は長いけれど、その間に休んでいる時間が多い、といわれていました。しかし、今、ブラックと呼ばれている企業は、拘束時間が長く、しかもその間に休めないみたいなのです。
拘束時間は長いけれど、適度に休めるので、やっていける、というのはある種の日本的なのんびりした働き方だった気がしますが、今は、休んだりサボったりすることを許さない風潮があります。仕事の現場だけでなく、教育の現場でも。そして、そこでは人がサボったり休んだりしないように、常にお互いを監視するような体制になっています。拘束時間が短ければ、それでもいいでしょう。でも、拘束時間は相変わらず長く、サビ残の山だったりするわけですから、日本全体がブラック企業化し、お互いが監視しあうファシズムの世界みたいになっていくのかなあ、と、最近、思い始めています。
風邪気味
水曜夜に、突然、寒気がして、風邪の症状があったので、こりゃ風邪だ、と思い、すぐ寝たら、翌朝にはかなり回復していたので、とりあえず元気です。が、風邪の症状はまだある。
今週で大学の非常勤の授業が終わり、冬休みなのですが、金曜が最後の授業だったので、風邪でダウンなんてことになったらこれができなくなるので、ちと不安でしたが、とりあえず、金曜の授業も終わり、しばらくは冬休みです。
非常勤講師というのは、要するに時給いくらのアルバイトで、しかも薄給。1週間に90分授業3コマの1ヶ月の給料が都心のワンルームのマンションの家賃に相当するくらいなので、まともに生活しようと思ったら週に10コマ以上は必要ですが、私は6コマしかないので、収入の半分は家賃に消えるという生活。で、9月から臨時で1コマ増えたのだけど、7コマになったらもう忙しくて、ほかのことが何もできなくなった(1回の授業の準備に非常に多くの時間がかかるため)。なんで世間の人は、ほかの先生は、週に10コマ以上、多い人は15コマとかやって大丈夫なのであろうか、と考えてしまいました。
私の場合、原稿料収入が激減したのが大きいです。これはなんとかしなければ。非常勤講師業っていうのは、結局、大学産業のブラック企業みたいなもんです。
映画もあまり見られなくなっていた今年の後半、先日、ミヒャエル・ハネケ監督の新作「愛、アムール」を見てきました。
老いた妻が半身麻痺になり、それを介護する老いた夫。施設に入れた方が、という娘の提案を拒否し、自宅介護を続ける夫。自宅介護より施設での介護が当たり前のヨーロッパで、それでも自宅での介護を続け、周囲から孤立しても夫婦の絆を大切にする夫の姿が描かれています。
最後は、日本でも時々ニュースになる、介護疲れの悲劇のようなものなのですが、日本は自宅介護が原則なので、これは自宅介護に頼る社会への批判になるところですが、ヨーロッパでは施設に入れるのが当たり前だとすると、また違った見方になるのでしょう。
枕を押しつけて死なせるのって、「カッコーの巣の上で」と、シドニー・ルメットの遺作と、そしてこの映画になるのか、と。
鳩が2回も部屋に入ってきたって、それは奥さんの魂でしょう。
週に7コマ授業をした9月からの4ヶ月。なんだか、本当の自分が死んでしまったような気がしました。なんで、世間の先生たちは、週に10コマとか、それ以上できるのだろう。
今週で大学の非常勤の授業が終わり、冬休みなのですが、金曜が最後の授業だったので、風邪でダウンなんてことになったらこれができなくなるので、ちと不安でしたが、とりあえず、金曜の授業も終わり、しばらくは冬休みです。
非常勤講師というのは、要するに時給いくらのアルバイトで、しかも薄給。1週間に90分授業3コマの1ヶ月の給料が都心のワンルームのマンションの家賃に相当するくらいなので、まともに生活しようと思ったら週に10コマ以上は必要ですが、私は6コマしかないので、収入の半分は家賃に消えるという生活。で、9月から臨時で1コマ増えたのだけど、7コマになったらもう忙しくて、ほかのことが何もできなくなった(1回の授業の準備に非常に多くの時間がかかるため)。なんで世間の人は、ほかの先生は、週に10コマ以上、多い人は15コマとかやって大丈夫なのであろうか、と考えてしまいました。
私の場合、原稿料収入が激減したのが大きいです。これはなんとかしなければ。非常勤講師業っていうのは、結局、大学産業のブラック企業みたいなもんです。
映画もあまり見られなくなっていた今年の後半、先日、ミヒャエル・ハネケ監督の新作「愛、アムール」を見てきました。
老いた妻が半身麻痺になり、それを介護する老いた夫。施設に入れた方が、という娘の提案を拒否し、自宅介護を続ける夫。自宅介護より施設での介護が当たり前のヨーロッパで、それでも自宅での介護を続け、周囲から孤立しても夫婦の絆を大切にする夫の姿が描かれています。
最後は、日本でも時々ニュースになる、介護疲れの悲劇のようなものなのですが、日本は自宅介護が原則なので、これは自宅介護に頼る社会への批判になるところですが、ヨーロッパでは施設に入れるのが当たり前だとすると、また違った見方になるのでしょう。
枕を押しつけて死なせるのって、「カッコーの巣の上で」と、シドニー・ルメットの遺作と、そしてこの映画になるのか、と。
鳩が2回も部屋に入ってきたって、それは奥さんの魂でしょう。
週に7コマ授業をした9月からの4ヶ月。なんだか、本当の自分が死んでしまったような気がしました。なんで、世間の先生たちは、週に10コマとか、それ以上できるのだろう。
2012年12月15日土曜日
ピアフといえば「私は後悔しない」
だよね。
と、「エディット・ピアフ 愛の讃歌」を見て思いました。
この映画、前から、見なければ、見なければと思いつつ、なかなか機会がなく、このたびやっとDVDで鑑賞。マリオン・コティヤールのそっくりさんぶりがとにかくすごく、これでアカデミー賞受賞だったのか、と納得しました。その後のハリウッド映画の彼女とは別人だものね。
ピアフの伝記映画といえば、はるか昔の70年代前半、「愛の讃歌」というフランス映画があって、わりと好きな映画でしたが、あれは美化された伝記だったのか、と思いました。
今回の映画はピアフの人生の影の部分ばかりを描いているので、見ていてつらいものがあります。昔の映画のピアフは、姿も美化されていましたが、コティヤールのピアフは前かがみであごを突き出して、ちょっとカエルのようで、年よりずっと老けてしまった女性で、しかし、鬼気迫るものがあります。私はピアフは詳しくないですが、それでも、声とかしゃべり方とかそっくり!と思えました。
さて、「私は後悔しない」です。日本では「水に流して」という題になってますが、意味が違うだろ!と突っ込みたくなります。「インセプション」で使われていたのはまさにこのエディット・ピアフの「私は後悔しない」です。
日本ではエディット・ピアフというと、まずは「愛の讃歌」、次が「ばら色の人生」ですが、70年代の古い伝記映画「愛の讃歌」を見て、ピアフは「愛の讃歌」ではなく、なによりも「私は後悔しない」なのだ、と強く思いました。そして、今回の伝記映画も、やはり、クライマックスは「私は後悔しない」でした。オランピア劇場での歌が彼女の最後の輝きだからでしょうが、やっぱり、ピアフは「私は後悔しない」だよね、という思いを新たにしたのです。
DVDには予告編が数本入っていましたが、フランスの予告編は2つとも「私は後悔しない」、それに「ミロール」がちょっと、でしたが、日本の予告編はどれも「愛の讃歌」、それに「ばら色の人生」がちょっと、でした。日本とフランスの違い、でしょう。昔のピアフの伝記映画を見たときも、ピアフは「私は後悔しない」なんだ、日本とフランスでは違うんだ、と、まだ10代でしたが、思ったものです。
もっとも、日本でも、シャンソンの熱心なファンは、「私は後悔しない」かもしれませんね。いい歌です。
と、「エディット・ピアフ 愛の讃歌」を見て思いました。
この映画、前から、見なければ、見なければと思いつつ、なかなか機会がなく、このたびやっとDVDで鑑賞。マリオン・コティヤールのそっくりさんぶりがとにかくすごく、これでアカデミー賞受賞だったのか、と納得しました。その後のハリウッド映画の彼女とは別人だものね。
ピアフの伝記映画といえば、はるか昔の70年代前半、「愛の讃歌」というフランス映画があって、わりと好きな映画でしたが、あれは美化された伝記だったのか、と思いました。
今回の映画はピアフの人生の影の部分ばかりを描いているので、見ていてつらいものがあります。昔の映画のピアフは、姿も美化されていましたが、コティヤールのピアフは前かがみであごを突き出して、ちょっとカエルのようで、年よりずっと老けてしまった女性で、しかし、鬼気迫るものがあります。私はピアフは詳しくないですが、それでも、声とかしゃべり方とかそっくり!と思えました。
さて、「私は後悔しない」です。日本では「水に流して」という題になってますが、意味が違うだろ!と突っ込みたくなります。「インセプション」で使われていたのはまさにこのエディット・ピアフの「私は後悔しない」です。
日本ではエディット・ピアフというと、まずは「愛の讃歌」、次が「ばら色の人生」ですが、70年代の古い伝記映画「愛の讃歌」を見て、ピアフは「愛の讃歌」ではなく、なによりも「私は後悔しない」なのだ、と強く思いました。そして、今回の伝記映画も、やはり、クライマックスは「私は後悔しない」でした。オランピア劇場での歌が彼女の最後の輝きだからでしょうが、やっぱり、ピアフは「私は後悔しない」だよね、という思いを新たにしたのです。
DVDには予告編が数本入っていましたが、フランスの予告編は2つとも「私は後悔しない」、それに「ミロール」がちょっと、でしたが、日本の予告編はどれも「愛の讃歌」、それに「ばら色の人生」がちょっと、でした。日本とフランスの違い、でしょう。昔のピアフの伝記映画を見たときも、ピアフは「私は後悔しない」なんだ、日本とフランスでは違うんだ、と、まだ10代でしたが、思ったものです。
もっとも、日本でも、シャンソンの熱心なファンは、「私は後悔しない」かもしれませんね。いい歌です。
2012年12月11日火曜日
「ナチュラル」とバッファロー
だいぶ前に買ってあった、「ナチュラル」と「ザ・シークレット・サービス」の2枚組DVDのうち、「ナチュラル」を見ました。もちろん、初めてではなく、初公開時に試写室で見ています(もう映画雑誌に書いていたのだ)。
この2枚組はなぜか1000円だったので、こりゃお買い得、と思って買ってしまったのですが、上に書いたように「ナチュラル」は初公開時に見ているし、「ザ・シークレット・サービス」も確かレンタルDVDで見ていたので、買ったはいいが積んどく状態でした。
ところが先日、なぜか突然、「ナチュラル」見たくなって、見たのですが、初公開時に見たときはかなりいい映画だと思ったのに、今見るとそれほどでもないのでがっかりでした。
初公開時は監督のバリー・レヴィンソンが「ダイナー」で登場した直後で、期待の監督であったのです。今になってみれば、彼は結局、「グッドモーニング・ベトナム」と「レインマン」だけの人であったと思いますが、当時は期待度高くて、出演者も魅力的だったので、実際よりもよい映画に思えたのでしょう。
もちろん、つまらない映画ではないし、初公開のときのいい印象がなければ、がっかりもしなかったのでしょうが、ファンタジーの仕掛けが中途半端なのと、グレン・クローズがミスキャストなのがきびしい。クローズは「ガープの世界」で映画デビューしてまだ間もないときで、「危険な情事」以後の怖い女、やり手の女のイメージがまだなかった頃ですが、これは明らかにクローズの役じゃない。彼女の演技力が無駄遣いされている。
この映画で一番おいしいのは、出番が少ないバーバラ・ハーシーで、初めて見たときも彼女が一番印象に残りました。有名スポーツ選手に銀の銃弾をお見舞いする女で、黒い衣装を着て、見るからに悪女、いわゆるブラックウィドウです。銀の銃弾というのは、たしか、狼男をやっつけるのに使う弾丸だと思いますが、そういうファンタジー的なところが最初から充満している映画で、そういう面は好きなのだけど、そのファンタジーがその後、あまりよい効果を上げていないのが残念なのです。
この黒衣の悪女に対するのが、白い衣装のクローズで、彼女の白い帽子に光が当たり、それを見たレッドフォードが復活するシーンは美しい。白い衣装のクローズは天使なのです。
一方、レッドフォードを陥れようとするキム・ベイシンガーは、ハーシーとクローズの中間的な女性で、だから、場面によって黒い衣装だったり白い衣装だったりします。この3人の女性の黒と白の衣装の対比は初公開時にも注目して見ていました(というか、私は昔からこういうところに注目する人間)。ベイシンガーは球団を陥れようとする側の人間ですが、彼女はレッドフォードに惹かれてもいて、だから中間的な女性なのです。が、このベイシンガーの中間的なところが消化不足なので困る。
そんなわけで、初公開時のいい印象が壊れちゃった、だから、昔見た映画をDVDで見るのはいやなんだよね、という感じになったのですが、最後に、エンドクレジットを見ていて、え、と思ったことが。
なんと、この映画、ニューヨーク州バッファローで撮影されていたのです! 映画の舞台はもちろん、バッファローではなく、主人公の所属する球団はニューヨーク市のチームなのですが、1920年代から30年代が舞台ということで、バッファローの現代っぽくない地域で撮影したのだと思います。エンドクレジットで、バッファロー市と市長に感謝する、とか書いてありましたね。「バッファロー66」とか、「ブルース・オールマイティ」とか、バッファローが舞台の映画はありましたが、「ナチュラル」がバッファローで撮影されていたとは知りませんでした。
この2枚組はなぜか1000円だったので、こりゃお買い得、と思って買ってしまったのですが、上に書いたように「ナチュラル」は初公開時に見ているし、「ザ・シークレット・サービス」も確かレンタルDVDで見ていたので、買ったはいいが積んどく状態でした。
ところが先日、なぜか突然、「ナチュラル」見たくなって、見たのですが、初公開時に見たときはかなりいい映画だと思ったのに、今見るとそれほどでもないのでがっかりでした。
初公開時は監督のバリー・レヴィンソンが「ダイナー」で登場した直後で、期待の監督であったのです。今になってみれば、彼は結局、「グッドモーニング・ベトナム」と「レインマン」だけの人であったと思いますが、当時は期待度高くて、出演者も魅力的だったので、実際よりもよい映画に思えたのでしょう。
もちろん、つまらない映画ではないし、初公開のときのいい印象がなければ、がっかりもしなかったのでしょうが、ファンタジーの仕掛けが中途半端なのと、グレン・クローズがミスキャストなのがきびしい。クローズは「ガープの世界」で映画デビューしてまだ間もないときで、「危険な情事」以後の怖い女、やり手の女のイメージがまだなかった頃ですが、これは明らかにクローズの役じゃない。彼女の演技力が無駄遣いされている。
この映画で一番おいしいのは、出番が少ないバーバラ・ハーシーで、初めて見たときも彼女が一番印象に残りました。有名スポーツ選手に銀の銃弾をお見舞いする女で、黒い衣装を着て、見るからに悪女、いわゆるブラックウィドウです。銀の銃弾というのは、たしか、狼男をやっつけるのに使う弾丸だと思いますが、そういうファンタジー的なところが最初から充満している映画で、そういう面は好きなのだけど、そのファンタジーがその後、あまりよい効果を上げていないのが残念なのです。
この黒衣の悪女に対するのが、白い衣装のクローズで、彼女の白い帽子に光が当たり、それを見たレッドフォードが復活するシーンは美しい。白い衣装のクローズは天使なのです。
一方、レッドフォードを陥れようとするキム・ベイシンガーは、ハーシーとクローズの中間的な女性で、だから、場面によって黒い衣装だったり白い衣装だったりします。この3人の女性の黒と白の衣装の対比は初公開時にも注目して見ていました(というか、私は昔からこういうところに注目する人間)。ベイシンガーは球団を陥れようとする側の人間ですが、彼女はレッドフォードに惹かれてもいて、だから中間的な女性なのです。が、このベイシンガーの中間的なところが消化不足なので困る。
そんなわけで、初公開時のいい印象が壊れちゃった、だから、昔見た映画をDVDで見るのはいやなんだよね、という感じになったのですが、最後に、エンドクレジットを見ていて、え、と思ったことが。
なんと、この映画、ニューヨーク州バッファローで撮影されていたのです! 映画の舞台はもちろん、バッファローではなく、主人公の所属する球団はニューヨーク市のチームなのですが、1920年代から30年代が舞台ということで、バッファローの現代っぽくない地域で撮影したのだと思います。エンドクレジットで、バッファロー市と市長に感謝する、とか書いてありましたね。「バッファロー66」とか、「ブルース・オールマイティ」とか、バッファローが舞台の映画はありましたが、「ナチュラル」がバッファローで撮影されていたとは知りませんでした。
2012年12月7日金曜日
紅葉
話題がないので、携帯で撮った写真。ちょっと古いですが。
今年は紅葉を見に行かなかったので、ほとんど写真はありませんが、下は某所の駅前の紅葉です。この場所は今はイルミネーションがいっぱいで、夜がきれい。
これは10月の緑化フェアの上野公園の噴水前から国立博物館方面を撮ったもの。手前の花が緑化フェア用です。この背後に以前アップした大根や稲があった。
某所の猫。頭隠して尻隠さず。
先月後半から一気に寒くなり、夏からいきなり冬に変わったようです。イルミネーションもあちこちで見られる今日この頃、今年もあとわずかとなりました。
今日から3日間、新横浜でホッケーの全日本選手権が行われていますが、私はパス。というのも、新横浜は毎週仕事で行く場所に近いので、土日もそこへ行くのはしんどい、土日くらい仕事忘れたい(でも、仕事の準備に土日がつぶれているので無理ですが)。というわけで、経過はネットでチェックですね。テレビはBSで録画放送するようです。
今年は紅葉を見に行かなかったので、ほとんど写真はありませんが、下は某所の駅前の紅葉です。この場所は今はイルミネーションがいっぱいで、夜がきれい。
これは10月の緑化フェアの上野公園の噴水前から国立博物館方面を撮ったもの。手前の花が緑化フェア用です。この背後に以前アップした大根や稲があった。
某所の猫。頭隠して尻隠さず。
先月後半から一気に寒くなり、夏からいきなり冬に変わったようです。イルミネーションもあちこちで見られる今日この頃、今年もあとわずかとなりました。
今日から3日間、新横浜でホッケーの全日本選手権が行われていますが、私はパス。というのも、新横浜は毎週仕事で行く場所に近いので、土日もそこへ行くのはしんどい、土日くらい仕事忘れたい(でも、仕事の準備に土日がつぶれているので無理ですが)。というわけで、経過はネットでチェックですね。テレビはBSで録画放送するようです。
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