30年前に見たデレク・ジャーマンの映画「カラヴァッジオ」が好きだったので、3月から上野の西洋美術館で始まったカラヴァッジョ展に行かねば行かねばと思いながら、とうとう閉幕まであと3週間を切ってしまった。おまけに25日から27日まで手荷物検査だと!
うおー、カバンの中開けたら地域猫用の餌とか蚊対策の服とか古いデジカメとかが出てきてしまうのだよ。
というわけで、24日に行ってまいりました、カラヴァッジョ展。
まずはポスターをどぞ(写真はすべてグーグル検索で出てきた画像)。
カラヴァッジョの作品11点と、同時代の画家や影響を受けた画家の絵画が展示されています。大きな油絵がほとんどなので、なかなか豪華な美術展になっています。
で、今回の目玉はこの「バッカス」初来日、ということなのですが、
実はこの「法悦のマグダラのマリア」がつい最近、カラヴァッジョの真筆と判明。個人蔵の絵画なので、美術展に出されるのは今回が初めてなのだとのこと。
別の画家の描いたマグダラのマリアの絵が2枚、展示されていましたが、他の2枚が女性の豊満な美しさを描いているのに対し、カラヴァッジョのマリアはまるで能を思わせる渋い色彩と構図です。
デレク・ジャーマンの映画のせいか、なんとなくカラヴァッジョってゲイだったの?と思ってましたが、ウィキペディアとか見てもそういうことは書いてないです。が、今回の展覧会で見たカラヴァッジョの描く少年や青年の絵に、なんともいえない美しさ、はかなさ、繊細さを感じてしまいました。
上のポスターにある「果物かごを持つ少年」や「ナルキッソス」もそうですが、下は「洗礼者ヨハネ」。
下は「エッケ・ホモ」(この人を見よ)のキリスト。同じテーマの別の画家の絵がそばにありましたが、そちらもよかったです。
カラヴァッジョ以外の画家の絵にもすばらしいものがたくさんあって、特に気に入ったのは次の2枚。下は「スピネットを弾く聖カエキリア」。
そして、「煙草を吸う男」。これは東京富士美術館所蔵。ということは、いつでも見られる?
残念だったのは、カラヴァッジョ以外の画家の絵は絵ハガキになっていなかったことです。あれば買いたいのいっぱいあったのに。上以外にもよい絵がたくさんありましたよ。人物の表情とか肉体の躍動感とか、光の表現など、見どころいっぱい。ただ、やっぱりカラヴァッジョの作品が群を抜いて優れていると感じました。
カラヴァッジョは殺人を犯したことでも有名ですが、刀剣不法所持で捕まったり、すぐにカッとなってけんかしたりと、暴力沙汰の多い人だったようです。しかも、絵に関しては「自分よりうまい画家はいない」と豪語する俺様画家だったようで。カラヴァッジョに関する記載のある古文書も展示されていました。
というわけで、カタログを買おうと思ったら、財布にお金があまりなかったので、今回は断念。ただ、半券で常設展が見られるし、常設展の方でもカラヴァッジョ関連の展示があるようなので、近いうちにまた行くから、カタログはそのときに買うことにしました。カラヴァッジョ展ももう一度行きたいくらいです。