2025年9月19日金曜日

時代についていけない

 ウェス・アンダーソンの新作「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」を見に行ったが、最初から最後まで睡魔に襲われ続けてしまった。

アンダーソンの映画は「ライフ・アクアティック」、「ダージリン急行」、「ムーンライズ・キングダム」の3作が大好きで、「グランド・ブタペスト・ホテル」や「犬ヶ島」は好みではないけれど見どころのある傑作だったが、「フレンチ・ディスパッチ」あたりからややマンネリ? そして「アステロイド・シティ」はイマイチだったが、それでも楽しめたのに、今回は。。。

ロッテントマトの評価見ても、「フレンチ・ディスパッチ」あたりから評価は落ちていて、まあ、悪くはないがよくもない、みたいな点数。

しかし、睡魔に襲われ放題って。確かにこのところ、4時間くらいで目が覚めてしまって睡眠障害的ではあるんだけど。

でも、それを抜きにしても、これまでにはなかったような血なまぐさいシーンや、凝ってるけど新鮮さがない映像、あと、ストーリーは家族の問題なので、私はあまり好きでなかった「ザ・ロイヤル・タネンバウムズ」に近いのかもしれない。

にしても、ウェス・アンダーソンの映画にこれほど乗れないとは、私も年とって、時代についていけなくなったのか。

時代といえば、ロバート・レッドフォードの訃報があり、そして、今度はワーナー日本支社の洋画配給部門を廃止し、ワーナーの洋画は東宝東和が配給する、というニュースが。来年からで、日本映画のヒットも出している邦画部門は残るとのこと。

ワーナーといえば、クリント・イーストウッドの映画を配給してきたし、かつてはスタンリー・キューブリックやウディ・アレンの映画もワーナー日本支社が配給してたのだよ。私がキネ旬の仕事で初めて行った業界試写が、当時、京橋にあったワーナーの試写室だった。映画は「グレイストーク」。配給会社の試写室は、キネ旬の読者ご招待で行ったことはあるけれど、完全な業界試写は初めてだった。

その後、あちこちの試写室に出入りするようになったので、コロンピアがソニーになったり、ユニバーサルとパラマウントを配給していたUIPが契約終了でなくなり、ユニバーサルは東和、パラマウントは独自になったけれど、結局、東和が両方配給するようになったり、そして20世紀FOXがディズニーになったり、という配給会社の移り変わりにはいろいろ感慨がある。

試写室も配給会社の移転とともに、場所がかわっていった。日比谷寄りの銀座にあったUIP、新橋にあったコロンビア、東銀座にあった松竹、銀座通り近くにあった東宝と東和、そして、丸の内の東映も、東映会館が閉館したのだね。

ワーナーといえば、私が試写室に出入りするようになった頃は、ディズニーの映画はワーナーが配給してたのだ。

もちろん、一般の観客にとっては、ワーナーの映画が東和の配給になっても普通に見られるわけだし、東和はこれでハリウッドメジャー3社の作品を配給するので、配給する映画の数が減る可能性があるが、メジャーの映画はある時期がすぎると日本独自の配給会社が権利を買って配給するので、東和が配給しなくても少し遅れて他の配給会社が上映するから、あまり変わらないと思う。

ワーナーはパラマウントと合併するという噂があって、それも背景にあるのか? というより、日本ではハリウッドメジャーの映画が全然ヒットしてないから、配給の縮小化というのもあるのかな、と思った。

しかし、その昔、ワーナー日本支社が東宝とけんかして、かなり長い間、ワーナーの映画は松竹・東急系でしか上映されなかったんだよね。そのワーナーが東宝東和とは。