木曜は「空海」インターナショナル版5回目、吹替えと通算9回目。
金曜はインターナショナル版6回目、吹替えと通算10回目。
金曜はTOHO新宿でインターナショナル版最終日。朝の回だけど横の長さが17メートル以上ある大スクリーンでの上映で、行きたかった。でも、早朝に起きて朝のラッシュにもまれて、というのが最大のネックで、行きませんでした。
そもそも吹替えを4回も見たのは、あの映像をとにかく大スクリーンで見たいと、横が12から13メートルくらいのスクリーンでやっているシネコンを探して見に行ったのです。
しかし、インターナショナル版が始まる頃には「空海」は回数も減り、スクリーンも小さいものばかりになり、インターナショナル版は定員100人前後のスクリーンばかり。中国語版はうれしいけど、映像はやはり吹替えを見た大スクリーンには劣る、という状態でした。
金曜のTOHO新宿はおそらくインターナショナル版が大スクリーンで見られる唯一の機会、これが最初で最後の機会であったと思われます(前の晩に新宿のホテルにでも泊まればよかったのか)。
角川シネマ新宿では明日の土曜日から1週間、定員300人のスクリーンで上映しますが、どうも古いタイプの映画館のようで、どの程度映像が期待できるのかわからず、思案中。
そんなわけで、このところ午後5時台にやっているTOHO船橋へ行っているわけですが、木曜と金曜でスクリーンが違いました。
木曜の方は横9メートルくらいのスクリーンで、これまでに見たインターナショナル版はだいたいこのサイズばかり。映像がどうしてもイマイチなんです。
そしてスクリーンがかわった金曜日。それはあの「ジュマンジ」などを上映するMX4Dのスクリーン。座席が揺れたり水が出てきたりニオイがしたりというやつ。
もちろん、「空海」では水が出てきたり座席が動いたりはしません。料金も通常料金。
まあ、空海や白龍が水に落ちると水がかかったり、白楽天が手すりをドンとやると座席がドンしたりというのも面白いかもしれませんが。
そして、スクリーンは少し大きめの横10メートル以上。
MX4Dの映画を見ることは絶対ないだろうけど(ああいうのは苦手)、館内を見るいい機会、と思って出かけました。
入ってまず、強いニオイに驚きます。これは前の映画で出たニオイなのか、それとも映画館の設備そのもののニオイなのかはわかりませんが、とにかくすごいニオイ。最後まで慣れることはありませんでした。
しかし、スクリーンはこれまでに見たインターナショナル版の中では最高によい。吹替えを見たスクリーンよりは小さいですが、画面が明るくて映像がくっきりとして、とてもきれい。吹替えで見た美しい映像が戻ってきた、そして音声は中国語! ニオイさえなければ最高の「空海」鑑賞。ニオイさえなければ毎日でも通いたい。ニオイさえなければ。。。
しかし、ニオイはものすごく強烈です(私はニオイに敏感な方なので)。
これに比べたら、他の客が食べているポップコーンのニオイなんか全然たいしたことではない。
というわけで、あの映像ならまた見たい、と思いますが、ニオイを思い出すと躊躇してしまう。
あと、映画が終わった直後に椅子がドンとなるんですね。「空海」のような映画で最後に椅子ドンはやめてほしい。
というわけで、MX4Dの片鱗をちょっとだけ味わった感じです。
8回目にして初めて、最後に白楽天が捨てたのは筆だと気づいた私ですが、9回目にして初めて猫が左の後ろ足をけがしている理由がわかりました(遅すぎる)。
どうも後半になると、猫が足を1本けがしてるということを忘れてしまうようです。それだけほかのことを夢中で見てるということなんですが。
後半、白龍が楊貴妃に針を刺すのをやめさせようとしたとき、師匠の黄鶴が白龍の左足のひざのところを棒で殴るのですね。ナンシー・ケリガンがトーニャ・ハーディングの用心棒の雇った男にやられたような感じ?
で、10回目は猫が足をけがしているような歩き方をしているかどうか見てましたが、してません。
どう見てもけがなんかしてない。猫無双。
「アバター」みたいに、別の生き物の中に入ったら足が治るんじゃないかい?
それはともかく、この映画、どのシーンも意味があってむだがない。
内容的にはやはり「さらば、わが愛」の四半世紀後の答えみたいなところがあって、悲劇だけど、悲劇を乗り越えて先へ進む空海と白楽天の希望が描かれている。
エンドロールのRADWIMPSの「マウンテン・トップ」がまた、映画の内容によく合っていて、確かにこれは猫のことを言っている、というのもうなずける。
歌の最後に「自分の信じた道を行け。子孫たちに言えるのは今はこれだけ。あとは自分自身で決めればいい」というの、チェン・カイコーの思いそのものではないかと思った。
信じたことが間違っていることもある。あとになって思い返せばいろいろ間違いもあった。でも、そのときは信じたことだったのだ。だから、若い人たちは信じる道を行け、と監督は言っているように思えました。つか、それを歌にした野田洋次郎さすが。要求の多い新海誠にさんざん駄目出しされて苦労したのも役に立ったのでしょう。
個人的にはクライマックスで丹龍が猫と空海と白楽天に極楽の宴の幻を見せるところ、そしてそこからラストまでが最高に好きなのだけど、あの輝ける日々はもう戻ってこないけれど、前を向いて希望を持って生きよう、というメッセージが伝わってくる。
それを踏まえて、阿倍仲麻呂の語る極楽の宴のシーンを見ると、ここでは誰も彼もが幸せそうな表情をしている。それが仲麻呂が楊貴妃に会いに行くあたりから暗い影が差してくる。幸福な宴の陰に暗い運命が待ち受けている。
楊貴妃の墓と桜の木が咲いている山の洞窟の位置関係がよくわからないのだが、それはよい。
あと、長安の町に灯りがついていくシーンはやはり大画面がよかったな。
おまけ。
金曜はものすごい強風で、南船橋の駅に着いたら京葉線が不通に近い状態で、なかなか電車動かず、やっと動いたら徐行運転。行先変更もあって、ずいぶんと時間がかかった。京葉線が風に弱いのは知っていたが、なかなか大変だった。