2018年4月11日水曜日

「妖猫傳」(空海)とアーサー王伝説

前から気づいていたのだが、「空海」こと「妖猫傳」の阿倍仲麻呂の語りの部分がアーサー王伝説によく似ているように思えてしかたないのだ。
極楽の宴はキャメロット、玄宗はアーサー王、楊貴妃はグエネヴィア、仲麻呂はランスロット。ただし、ランスロットと違い、仲麻呂は片思い。
そして、玄宗に対して反乱を起こす安禄山はアーサーの息子モードレッド。
安禄山は映画では楊貴妃に横恋慕して反乱を起こすという、アーサーの父ウーサーのような役回りだが、夢枕獏の原作によると安禄山は楊貴妃の養子なのだという。もっとも、楊貴妃はまだ若いので、実質的には玄宗の養子のようなものではないかと思う。だからモードレッド。
アーサー王はモードレッドと相打ちになり、死ぬが、西の方角にある理想郷アヴァロンに行き、いつかまたよみがえる、と、伝説ではなっている(アーサーとキリストが重ねあわされている)。
一方、「妖猫傳」では楊貴妃がいつかよみがえると白龍が信じている。
というわけで、ぴったり一致ではないが、どうもアーサー王伝説が入ってるんじゃないかと思ってしまうのだ。
原作の「沙門空海~」はまだ2巻目に入ったところで、やっと空海と白楽天が出会ったところ(原作では空海の相棒は日本人)。が、1巻目にジョン・ブアマンの「エクスカリバー」に似たシーンがある。春琴が老婆になってしまうというシーンで、モードレッドの母モーガナ(若き日のヘレン・ミレン)が老婆になってしまうシーンを思い出した。

というわけで、火曜日はこれが最後かも、という気持ちで12回目の「空海」(インターナショナル版としては8回目)。TOHO船橋も金曜からはついに朝になってしまう。
さすがに12回目ともなるともう新しい発見はなく、好きなシーンを確認しながら、これが見納めかも、という気持ちで鑑賞。2か月近く楽しませてもらいました。12回の内3回はただで見てしまったのだが。
今後もいろいろな映画館で上映してくれれば、また見るチャンスもあるだろう。

「空海」はやっぱり、テンション高い白楽天のキャラと、白鶴兄弟が魅力的で、空海と白楽天、丹龍と白龍のコンビの外伝が見たいくらい。書庫のシーンで楊貴妃について熱く語る白楽天のわきで空海がやれやれという顔をしているところとか、キャラの魅力で見てしまう。そしてやっぱり猫。
阿倍仲麻呂の語り、「極楽の宴は楊貴妃の理想をあらわすものだ」とか、「大唐の象徴である楊貴妃は見捨てられようとしていた」とか、楊貴妃を毛沢東に置き換えるとよくわかる部分もあるけれど、そこまで行ってしまうと映画がつまらなくなる。もっと普遍的なことの象徴として見た方がいい。

さて、TOHO船橋のある南船橋はイケアやららぽーとや谷津干潟があって、映画の前や後に寄れる場所がいろいろあるのだけど、電車が少ないのが難(特に夜)。
で、火曜日は映画の前にまたまた谷津干潟へ。
まずは近所のハナミズキ。

ラムサール条約に登録されている谷津干潟だが、周囲はこのようにマンションなどが立ち並ぶ。


前回よりも鳥が多かった。

この前は干潟が全面的に水でおおわれていたが、今回は地面が出ているところもある。

この前はいなかったアオサギ。

カモメ。足に何かついている。