2023年12月31日日曜日

「枯れ葉」

 アキ・カウリスマキの新作「枯れ葉」を見てきました。

真ん中が入場者プレゼントのポストカード。左が試写状。下に敷いているのがチラシ。


試写状もらったんですけど、オンライン試写はなく、試写室での回数が少ないので行っても入れないかもしれないので、公開まで待ったのです。

「ポトフ」もそうなんだけど、こういう、映画祭で賞をとった、アート系の有名監督の描くあまりとんがったところのないラブストーリーって、どうも苦手。

カウリスマキも、今回はうーん。

仕事で不運続きの女性がある男性と出会い、映画に誘われてジム・ジャームッシュのゾンビ映画を見に行くのですが、それを上映する映画館がシネフィル御用達みたいな映画館で、「ラルジャン」とか「逢びき」とか「気狂いピエロ」とか古い名作のポスターがいっぱい貼ってある。

その「逢びき」のポスターの前で電話番号教えたり、キスしたりするのですが、映画は既婚者同士の恋だったけれどこっちは独身者同士。

でも、2人の間にはその後いろいろあって、というほんわかムードのラブストーリーで、犬がかわいい。

しかし、枯れ葉といっても、2人はまだ中年で、「ポトフ」のような老いを感じさせる年ではない。「ポトフ」では美食家が「ぼくたちは秋のカップルだ」と言い、料理人は「私はいつも夏よ」と言うのだけど、この2人の場合は、まだ枯れ葉は早いだろ、おい、と突っ込みたくなる。

「枯れ葉」がテーマソングだったイヴ・モンタン主演映画と何か関係があるのかもしれないけど、その映画を見たのは遥か昔の中学時代(日本では劇場未公開でテレビ放映)なので。

なんかいろいろ忘却の彼方だな。枯れ葉なのはこっちだよ。

見たのはここですが、9月1日から4か月上映が続いた「福田村事件」、いよいよ正月明けに終わりのようです。もしかして、一番長くやっていた?



そして、なんと、行きに乗った武蔵野線の新八柱駅で「翔んで埼玉」続編のポスター発見。


ここ、何度か通ったけど、初めて見た。この前さいたま新都心へ行くときもなかったと思う。


トンネルの中の駅なので暗くて、携帯のカメラではせっかくの「そうだ、武蔵野線乗ろう」の文字がぼけぼけです。

2023年12月29日金曜日

今年最後の上野動物園

 12月28日は今年最後の上野動物園開園日。29日から元日まで休園し、1月2日から開園。

午後2時頃着いたら、入場券売り場に長い列が。双子は70分待ちか、今日は無理だな。門松がある。



年末だというのに、園内は紅葉がみごと。




赤い実が建物の窓に。



春に生まれたトラの子が公開されている。平日の午後1時半から2時半とのことで、運よく見られました。最近、三つ子が生まれたのだけど、こちらは非公開です。これで大人のトラ4頭、子ども4頭の大所帯に。公開されているのは子ども1頭、大人1頭でした。




ゴリラは寒いので部屋の中に。6歳のリキが入口からこっちを見ている。


アザラシの親子。真ん中が子ども。




アシカが2頭とも死んでしまい、住処が空に。


上野はまだ秋なのか。


そして、双子が、ちょっとだけ見えた(ズーム&トリミング)。




シンシンとリーリーは自由観覧で、並びません。が、手前の狭い庭にいるシンシンの前にすごい人だかりで、横からしか見えない。やっと前から見えたが、ガラスの映り込みがひどい。



このあとシンシンは広い庭へ移動。部屋に入る前のうろうろタイム。


リーリーは寝ていた。その後、起きだし、こちらもうろうろタイム。




シンシンに会いたい。


シンシンもリーリーも部屋に入り、リーリーは健康管理のために30分ほど非公開。そのあとまた見られるようだったけれど、とにかく人が多いし、ほかにも用事があったので、他の動物を少し見て帰ることにした。

マヌルネコ。



バーバリーシープも2頭とも死んでしまい、ここも空に。


ハシビロコウは鳥インフルのため、室内。室内だととても写真が撮りにくい。


久々、フォッサ。



池之端門。ここにも門松が。


美容院行ったり、谷中に花を置いたりして、ふたたび上野動物園の正門前へ。静かにお正月を迎えます。


ペイペイのキャンペーン

 1か月ぶりに上野動物園に行ったのですが、その話はまたあとでとして、そのあと、長いこと通っている文京区の美容院へ。そこで知ったのだけど、ペイペイで払うと2割から3割のポイント還元というキャンペーンを文京区の一部の店舗がやっていたのですね。(他の自治体でもやっている。)

その美容院もやっていて、ペイペイで支払えば2割安くなったらしい。

そのあと通りに出たら、文京区に住んでいた頃よく利用したスーパーもやっていた。

住んでいる地域とは無関係で、対象地域の対象店舗で買い物すればいいようだけど、私はスマホじゃないので、この手のキャンペーンは全く無縁。

まあ確かに2割とか3割とかポイント還元されるのはお得なんだろうけど、ポイントってことは、また使わなければいけない。

これって、結局、ペイペイが会員を増やすのが目的で、それに自治体が地元の商店に有利になればと税金を使ってるわけです。

参加している自治体はそれほど多くはなく、使える店舗も限られる。

お金たくさん使う人は頭も使って得するけど、お金がない人はたいして得しないよね。

というわけで、ガラケーの私には無縁のキャンペーンなのであった。

動物園のあと美容院へ行き、そのあと谷中へ行こうとしたら、ゴジラ映画とコラボしている銭湯が。


谷中へ行き、春に逝った猫がいたところに花を手向ける。右は1か月半前に花を置いたところだけど、誰かがそのあと新しい花を置いたみたいです。


そして上野公園へ。東京都美術館の看板。この印象派、興味あるな。


上野駅の駅ビルの書店にあったパンダ自身のグッズの展示。


もうお休みに入っている人が多いのか、帰りの電車はわりとすいていた。この日はいろいろやることがあったのだけど、文京区の図書館のカードの更新だけは、ちょっと疲れていたのでしなかった。あの団子坂を登るのがつらいのよね。

2023年12月25日月曜日

フォークナーとかプーシキンとか

 今年もあとわずか。いろいろあったけれど、バルザックの「幻滅」、メルヴィルの「白鯨」、そしてプーシキンを読んだのは、私にとっては画期的なことだった。

バルザックは大学時代にフランス語で中編を読んだだけ。メルヴィルは同じころ、中編「バートルビー」を翻訳で読んだだけ。プーシキンは読もうとすら思わなかった。

それが、フランス映画「幻滅」を見てバルザックの長大な原作を読み、「ザ・ホエール」を見て「白鯨」を読み、そして今、プーシキンを読もうとしている。

正直、バルザックの長編、メルヴィルの「白鯨」、プーシキンは一生読まないだろうと思っていた。それが今年見た映画がきっかけで読み、年末になってあることからプーシキンに興味を持って図書館に行き、プーシキン全集を借りてきた。

借りてきたのは有名な「エヴゲニー・オネーギン」が入った巻。それ以外に「モーツアルトとサリエリ」という短い劇が入った巻があり、2巻借りるのは重いので、こちらは図書館で読んだが、とても面白かった。「アマデウス」よりいいんじゃないの?と思い、その場で2回読んでしまったほど。

というわけで、プーシキン全集の1冊と、ついでに借りた「森下洋子自伝」。森下洋子のバレエは「くるみ割り人形」と「眠れる森の美女」を見てるけど、80年代末で、もうだいぶ前だなあ。カードは図書館で配っていたもの。


このほか、遠方の図書館にある「プーシキンとロシア・オペラ」という本を予約して、それを取りに行ったついでに、たまたま目にしたマツモトキヨシ伝と、「野性の棕櫚」の入ったフォークナー全集を借りる。


マツモトキヨシ伝は松戸の話なので、郷土資料となり、千葉県立図書館では2冊が貸出不可、1冊が貸出可で、これを棚に見つけて借りた。マツキヨ創業者、元松戸市長の松本清の作ったすぐやる課はすごく有名で、リアルタイムで知っていた。

で、松戸市立図書館にはあるのかな、と思って調べたら、こちらは2冊あって2冊とも貸出不可。出た当初は借りる人多かっただろうけど、その後は借りる人がいなくてこれだけになってしまったのかな。貸出不可しかないのはきびしい。

そしてさらに調べたら、「マツモトキヨシ80年史」という本が市立図書館にあり、貸出可能だったので予約中です。

これはマツモトキヨシホールディングスが出した非売品なので、松戸市に寄贈したものでしょう。とはいえ、通販で売っているところがある。写真は通販サイトのものです。



「プーシキンとロシア・オペラ」は、これまでプーシキンに興味がなく、ロシア・オペラも興味なかったのだけど、プーシキン全集を見ていたら「金鶏」があり、リムスキー・コルサコフのオペラ「金鶏」はボリショイ劇場の日本公演を見たことがあったので、興味を持った。

ボリショイの「金鶏」を見たのは1989年。このときの演目は「ボリス・ゴドノフ」「金鶏」「エヴゲニー・オネーギン」の3作で(いずれもプーシキン原作)、有名で人気のある「ゴドノフ」と「オネーギン」にはさまれた地味な「金鶏」だけをなぜ見に行ったのか、さだかではない。「金鶏」はソ連時代にはあまり上演されず、ペレストロイカになって再評価された、というので見に行ったのかもしれない。

「金鶏」は3公演のうち、2回がベテランのソプラノ、1回が若手のほぼ無名のソプラノで、人と違ったことをする私はあえてこの無名のソプラノの回のチケットを買った(よい席がとれました)。

そして見に行って驚いた。この若手のソプラノ、歌もうまいし美人でスタイルもよく、へそ出しルックの衣装で歌い踊る。うおお、堅物ソ連のオペラとは思えん、これがペレストロイカか、とびっくりし、オペラもファンタジーで楽しく、とーっても満足。その後、この回を見逃したオペラファンのおじさんたちが悔しがったというおまけもついたのだった。

プーシキンといえばこの思い出しかなかったのだけど、これからいろいろ読みます。

そして、フォークナーの「野性の棕櫚」。この全集では「野性」ですが、ほかでは「野生」となってます。

「PERFECT DAYS」の中で役所広司が読んでいる3冊の本の1冊で、映画では大久保康雄訳の新潮文庫でしたが、すでに絶版。それどころか図書館にもほとんどない。私がカード持ってる図書館はどこもなかった。

戦後の時代、数多くの英米文学を翻訳した大久保康雄、実際は大久保工場と呼ばれる翻訳家集団で、大久保本人の訳だけでなく、大久保のもとに集まった優れた翻訳家たちが大久保の名前で訳していたようなのですが、その多くは新潮文庫に入っていたのです。ところが新潮文庫が新訳を次々と出し、大久保訳は絶版になり、図書館も新訳を入れるから大久保訳は一部を除いてどんどん廃棄になっているような気がします。

古い名訳は今の人には読めない、というのは事実なのですが、それでも歴史の遺産であるこうした名訳が国会図書館のようなところでしか読めなくなるのは悲しい。

実は映画に合わせるように、中公文庫が11月に加島祥造の古い訳を復刊して、そちらはあちこちの図書館に入ってますが、貸出中が多い。まあみんなこれ読むよね。

加島はフォークナーをほかにも訳していて、私が若い頃に読んだ3大代表作「響きと怒り」「八月の光」「アブサロム、アブサロム」のどれかが彼の訳だったはず。

とにかく新潮文庫の大久保訳はほとんどないわ、中公のは貸出中だわ、で、借りてきたのがフォークナー全集の「野性の棕櫚」。こちらはアメリカ文学者の訳ですが、やっぱり大久保訳が見たい、という思いもあり、いろいろ調べたところ、河出書房の古い全集に入っているのを発見。これが県立図書館の遠方の館にあるので予約。中公文庫も一応、予約待ちにしてますが、これで3つの翻訳を比べられるなあ、って、いったい何をしてるんだ、自分。

昔はフォークナーの翻訳って、普通に本屋さんにいっぱいあって、人気作家だったのに、いつのまにか翻訳が手に入らなくなってるな、ということはだいぶ前から感じていました。でも代表作は新訳で出たりしてるので、人気がないわけではないのかな、と思っていたけれど、今回、「野生の棕櫚」の件で、やっぱりフォークナーは最近人気ないんだ、人気あったのは大橋健三郎が東大教授だったから?などと考えてしまったのです。

あの頃はアメリカ文学研究といったら、フォークナーだったんですよ。

映画に出てきたパトリシア・ハイスミスの「11の物語」も貸出中で、こちらも予約待ちです。

2023年12月23日土曜日

「翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて」@さいたま新都心

 「翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて」が公開されてちょうど1か月。22日からとび太のステッカーが配られる、そして、MOVIXさいたまではまだここだけのステッカーが余っているらしい。

ということで、クリスマスイブの前日、4回目の鑑賞に出かけました。

最初に見たのがここ、さいたま新都心のMOVIXさいたまでした。まさか武蔵野線が重要なモチーフになるとは知らず、普通に武蔵野線で出かけて、映画を見てびっくり、だったのですが、今日も武蔵野線で出かけます(それが一番近いので)。

新八柱駅はトンネルの中にあります。



反対側のホームはネズミーランド方面。が、来たのは南船橋行きで、これはネズミーランドへは行きません。トンネルのちょうど出口のところ。


1分後に府中本町行きが来ます。



南浦和で乗り換えて、さいたま新都心に到着。(写真を撮らなかったけれど、南浦和駅に貼ってあったポスターがすごく面白かった。カニが何匹も新幹線にノリノリとか、群馬県のSLとか。)



MOVIXさいたまの外側のディスプレイはガンダムにかわっていた。


前はなかった出演者たちのサイン入りポスター。


このバナーはまだあった。昨日の亀有はもうバナーはなかったです。


サインがここにも。


前回の最大箱の次に大きい部屋での上映で、1か月たつというのにほぼ満席。ただ、リピーターが多いのか、笑いがほとんど聞こえない。最後に拍手もなく、少し寂しかった。


フードコートそばのポスターなどもまだあった。お昼を食べていないので、フードコートでカレー。左がクリーミーエビカレー、右がバターチキンカレー。中身が見えないけど、エビとチキンが入っています。



前回も写真を撮った展示。衣装はなくなっていたけれど、映画館にあったのと同じサイン入りポスターが新たに。展示は25日まで。



日が暮れて、イルミネーションが。




光の色が次々と変わるクリスマスツリー。




駅の反対側には屋台が出ている。


駅に戻り、また南浦和から武蔵野線で帰ります。武蔵野線、南浦和と越谷レイクタウンの間は混んでるけど、そのあとはガラガラになってしまう。



映画館にあったチラシと、今回もらったステッカー。



とび太のステッカーが22日からの特典で、左がMOVIXさいたま限定特典のステッカー。6種類ランダムで、前回は滋賀解放戦線だった。実は一番ほしかったのがこの、海に船出する埼玉解放戦線。一番ほしかったのが出るなんて、うれしいクリスマスプレゼントになりました。

映画はもうネタバレしちゃってよいと思うけど、クライマックスのミサイルのシークエンスの編集が何度見てもうまいと思う。

前作に比べてちょっとダレるところもあって、前作には少し及ばないのだけど、このクライマックスへのストーリーの組み立てはやはりみごとで、ここで伏線が回収され、大阪府知事の野望を打ち砕くメインストーリーと、サブストーリーの武蔵野線、そして現代パートがみごとに結びつき、そしてネズミーランドのラストへ、というあたりが実にうまいのだ。

前作ではリーダーは男ばかりだったのを女性を入れ、また、前作では父親がポイントだったのを母親に変える、といったあたりの変更もうまくいっている。

前作ほど好きではないので、そんなに何度も見なくていいと思っているけれど、でも、あと何回かは見たいな、というくらいには好きな映画だ。

「スター・ウォーズ」をモチーフにしているので、あともう1作で3部作にするだろうと思う。前作ほどの興収にはならなそうだけど、今回、百美があまり活躍しなかったので、次回は活躍させてほしい。できれば阿久津復活してほしいところだけど。