2026年4月24日金曜日

「オールド・オーク」

 本日公開のケン・ローチ監督の「オールド・オーク」。私が座席を予約したときはまったく予約がなく、その後もほとんど予約がなかったのに、NHKで紹介されたら急に予約が増え、そして今日、映画館へ行ったらロビーがすごい人。入るのに行列。やっぱりテレビはすごい、しかもテレビしか見ていないと言われる高齢者がほとんど。


正直、ローチは傑作「わたしは、ダニエル・ブレイク」のあとは下り坂、「家族を想うとき」もイマイチだったし、この「オールド・オーク」もなんだかなあ、というのが正直な感想。

テーマが立派だから批判しづらいというか、批判できない感じなんだが、脚本もあまりよくできているとは思えない。クライマックスからラストが、それまでの流れから見て唐突。その前の部分もエピソードがなんか有機的につながってない感じがしてならない。

2016年のイングランド北部が舞台で、そこにシリアの難民がやってきて、地元の人々との間に軋轢が起こり、しかし、両者の間にしだいに絆が生まれてくる、という話なのだが、その中で貧しい元炭鉱の町の人々からしたら、金持ちの町ではなく貧しい町に難民を押し付ける、とか、難民より自分たちの方が貧しくて困ってるのに、みたいな住民の本音も描かれる。

地元の住民の中にはよそ者もいればアフリカ系の移民と思われる人たちもいて、地元住民もさまざまなんだが、その辺、一部の差別主義者とその他の善良な人々みたいな単純な分け方しかしていない。

シリアの悲惨な状況についても、それは事実としてあるにしても、中東の監督が作る映画と比べるといかにもヨーロッパの白人がウエメセで取り入れてるような感じがして、うーん。

こういう見方をする私はひねてるのだろうが、今、中東で起こっていることに比べて、まあ、2016年の話だし、映画自体も2023年の作品だから、ぞういうずれがあるのはしかたないんだろうけど。

日本の外国人労働者問題と比べて、というのも、背景がいろいろ違うのに、単純に比べるのは安易じゃないのか、と思う。この映画では、狭い小さなコミュニティだから住民と難民が寄り添えたのでは、という気がする。