2014年6月30日月曜日

フランシーヌの場合

新宿駅南口の歩道で、集団的自衛権に反対する男性が焼身自殺をはかったというニュースが日曜にあった。
このニュース、なぜか日本ではできるだけ報道しないようにしている姿勢がうかがわれ、一方、海外のメディアは大きく取り上げているという奇妙な感じになっている。
日本では、「ばかげている」といった論調が主流のようで、集団的自衛権に反対ということを隠していたり、さらにNHKは報道さえしなかったとか。
一方、海外のはAP通信とロイターを見たが、淡々と事実を報じていて、日本のマスコミもただ事実を淡々と報道するだけでいいのに、何かコメントしないといけない、自分たちの立場を明らかにしないといけない(政権に都合の悪いことをしそうに見えたくない)みたいな感じがあるようで、かえって気持ちが悪い。
とはいっても、テレビは見れないので、ネットの情報で判断しているだけなのだが、ふと思い出したのは「フランシーヌの場合」という歌。ここに詳しい説明が。
http://www.k5.dion.ne.jp/~noho-hon/Travel/Africa01/Data/Francine/francine.html
なつかしい。私が若い頃に大ヒットした歌で、当時、日本でもベトナム反戦運動が盛んだったので、共感した人が多かった。
ただ、このサイトによれば、フランシーヌという女性はフランスではまったく忘れられているということで、日本だけの現象だったようだ。海外的には、南ベトナムで仏教弾圧に抗議して焼身自殺した僧侶や、チベットでやはり仏教弾圧に抗議して焼身自殺する僧侶がかなりいるということで、焼身自殺=政治的抗議と受け取られているそうで、海外では新宿の焼身自殺も政治的抗議としてとらえ、集団的自衛権や自衛隊の現在のあり方、日本は切腹のような自殺の文化があるが焼身自殺はめったにない、というような日本の自殺の紹介まである。なんにしろ、海外のメディアは淡々と事実と背景だけ中立的に紹介しているのが印象的だった。
新宿の男性は命に別状はないとのニュースもあり、フランシーヌが忘れられたように忘れられる、つまり、抗議としてはあまり効果なく終わるのかもしれない(月曜にデモがあるそうで、こっちの方が本来のやり方)。若い女性がパリで、と、中高年の男性が新宿で、というのでは、受け取り方も違うというか、うーむ。
ただ、「フランシーヌの場合」の歌詞、なかなかに深いものがあります。
あまりにもおばかさん、あまりにも悲しい、とか
本当のことを言ったらお利口になれない、本当のことを言ったらあまりにも悲しい、とか。
「ばかげてる」だけで切ってない、「あまりにも悲しい」と続ける。
そして、「本当のことを言ったらお利口になれない」って、日本のマスコミのことだろうか、と、ふと、思った。
ただ、日曜は夕刊がないので、月曜の朝刊で各紙がどういう扱いをするか、それを見ないと判断できないと思う。明日もまた新聞読みに行こう(仕事先で読めるのだ)。


追記
この事件の海外での報道まとめサイト
http://matome.naver.jp/odai/2140405501468783601

2014年6月26日木曜日

リアルな新聞を見てきた。

図書館へ行って、日経新聞の「幻のSTAP」連載の2と3を読んできた。
朝日新聞の竹市氏インタビューは日付を忘れていたので、読めなかった。
しかし、近所の図書館は新聞雑誌閲覧スペースがものすごく狭い。おまけにスペースの外から中が見えにくいので、新聞の盗難が多いらしい。人も多くて、目当ての新聞を探し出して広げて読むのも大変な感じ。しかし、世の中、新聞を図書館で読む人が多いんだ。
図書館が便利なのは、過去の新聞も探して読めることです。
で、「幻のSTAP」だけど、5月下旬から小保方氏が神戸理研で再現実験に参加したのは、もともとは文教族で早大出身でしかも兵庫県出身の自民党議員が「小保方氏に再現実験に参加させてSTAPはないと証明しないと国民が納得しない」と圧力をかけたらしい。神戸理研は「それでは科学界が納得しない」と抵抗したようだが、文科省の圧力で、ということらしい。文科省は大臣が早大出身で、STAPはあるから小保方氏にぜひ実験を、と言いまくっている人。
議員の方は「実験させてできない方がはっきりするから」と言ってるので、悪くはないのだろう。結局、理研がきちんとした検証をしない方向に行ってしまったのが問題、みたいな書き方で第3回は終わっていた。
日経サイエンス8月号が水曜に発売されて、そこにも重要なことが書いてあるらしい。こちらは買わないとだめだな、つか、こういう雑誌は高くても買う主義です。
あと、ネットの情報ですが、神戸理研は竹市センター長がほんとはもう引退しているはずなのだけれど、次期センター長を決めても何度も理事会に拒否されたのだそうです。その次期センター長というのは笹井氏だろうと、当然思われるのですが、なんで笹井氏では拒否られるのであろうか。この辺はこの世界に疎いので全然わからない。
1つ考えられるのは、笹井氏のやってるES細胞の研究は将来性がないというか、受精卵を使うので倫理的な問題があって、ヒトのES細胞の研究はできない。だから、そういう将来性のない研究をしている笹井氏をセンター長にしたらだめってことであろうか?
そこで笹井氏がESにかわるSTAP細胞をどーんと打ち上げ、ということであの騒動になったのか?
日経の連載の第2回では、竹市氏たちは笹井氏がSTAP論文の共著者になっているのを知って驚いた、と書いているけど、これは笹井氏だけが独断でやったのか? それとも、神戸理研が笹井氏だけに責任を押し付けているのか? この辺すごく疑問。日経の連載はまだ続きます(当分図書館頼りだな)。

2014年6月24日火曜日

ネットの登録会員限定記事

(午後3時に一部書き直しをしました。)
日経の登録会員限定記事を読むために登録したら、毎日大量にダイレクトメールが来るので頭に来て退会した、という話を書いたが、その日経がまたSTAP細胞の記事を連載している。
「幻のSTAP」というタイトルで、昨日が第1回、今日が第2回。昨日の分は非常勤講師先の大学で読んだ。今日の分とこれからの分は図書館でまとめて読むか、と思っていたのだが、今日の分に衝撃の内容が(ツイッターより)。


「(笹井が)論文の共著者や特許の発明者に加わっているとは」。竹市らCDB幹部は驚くしかなかった。(引用終わり)


え? 竹市氏が笹井氏に小保方氏とコラボするように言ったと、以前は報道されてましたよね?
どうなってんのさ?
(追記 新聞見たところ、竹市氏が笹井氏に小保方氏を手伝うよう言ったということは書いてあった。)


そして、同じくネットの会員登録限定記事で、竹市センター長へのインタビューを掲載した朝日新聞が、竹市氏の発言をゆがめていると関係者から猛反発。
もともと朝日は理研のマウス取り違え販売事件でも、悪いのは理研でなく理研に納入した大学ということがわからない記事になっている、と批判されていた。しかも、登録していない人が読むと理研がまた不祥事としか見えない。
そして今度の竹市氏へのインタビューだが、記事を書いた記者、大岩ゆりという人は以前に問題があった記者だったということで、またやったかと思われたようだ。
なんでも、竹市氏はSTAPはないと思っているのに、存在を信じているというような書き方になっているのだそうだ。しかも、チェックができない最終稿で変えられた、と関係者は言っている。
でも、その後の話だと、関係者というか、竹市氏の擁護者が文句を言っているというか、STAPの有無を確かめるために検証実験をする、というのだったら、STAPはないと言ってないと思われてもしかたないのでは、という気がしてきた。
ないとは思っているけど、検証実験については有無は不明という態度をとらないといけないというあたりが原因なんだろうな。
一方、日経の「幻のSTAP」第1回には、小保方氏以外に理研内部でSTAPを信じている人はいないと書いている。
この問題については毎日新聞がよくて、朝日と産経はだめ、日経もサイエンスはいいが新聞はあまりよくないと言われている。特に産経関西は小保方氏の御用新聞になっている。
そんなわけで、日経が今になって、竹市氏は何も知らなかった、というのを出してくるのは、ある方向に持っていくためなのか?と疑ってしまう。竹市氏の関与はもともと少なかったとしも、その後の理研の対応という点で責任があるはずなのだが。
なんにしろ、ネットの会員限定記事というのは、中身と違う見出しで売るのに似ているので、マスコミへの不信感が高まってしまう。朝日の方も図書館で読んでこよう(図書館って、何種類も新聞があるので便利)。


追記 朝日新聞の記事について竹市氏の周辺の人たちが竹市氏の発言を捻じ曲げたとして抗議した件、その後、関連のフェイスブックは削除されたか何かで見られなくなっていた。
この件、多くの人はガン無視なので、竹市氏の周辺の人々からの抗議の方がおかしかったのかもしれない。

2014年6月21日土曜日

メモとして

例の、小保方氏採用は出来レースじゃない、と言い訳している神戸理研の林氏のフェイスブック。
https://www.facebook.com/shigeo.hayashi.14/posts/751355204911484?comment_id=751529374894067
ここに山形方人という研究者の方がきびしいことを書いています。
山形氏は最初は林氏の意見の一部に賛同し、それから「もっと見る」のあとできびしい批判をしているのですが、その「もっと見る」のあとのところをメモとして残します。


山形氏のコメント
「また、私は、イノベーションを重視する科学者の立場からは、抜擢やスカウトは日本でもっと盛んに実施するべきだと思います。ところが、現状は、誰かを騙すといった不誠実な手法が使われていることです。一般論として、やはり出来レース、ニセ公募といった「不誠実」「騙し」行為に依存した日本の研究者リクルートのやり方は、不健全であり、もっと健全で建設的なやり方を目指すべきだと私は思います。そのためにも、こういう人事の問題点は、CDBの上層部の保身といった言い訳に終始するのではなく、卒直に過ちを認めることが、日本の生命科学分野の発展に大きく貢献すると思います。

例えば、2012年10月中旬に開始したという問題の公募ですが、ここでその内容を見ることができます。https://web.archive.org/・・・/en/06_jobs/0601_search01.html

CDBのかつての公募では、分野を特定せずに、募集することが多かったと思いますが、この公募については、2つの分野を特に強調しています。一般的には、あるPIが転出すれば、転出したPIと近い分野の新しいPIをリクルートするのは、リーズナブルなことであると思います。例えば、この分野は、若山先生、西川先生の後継、あるいは少し前になりますが京大に転出された斎藤先生の関連分野の強化というのはあるとは理解されます。この英文を作製したのは、具体的に誰なのでしょうか?最終的には、人事委員会の同意で出したということになるのですが、ある特定の先生が作製されたのではないでしょうか?


Developmental Biology and Stem Cell Biology
Several positions are open for outstanding scientists engaged in the investigation of fundamental mechanisms of development, regeneration and stem cells, and their application to regenerative medicine. Scientists at early to middle stages of their careers will be considered. The most important evaluation criteria in this recruitment are the novelty and creativity of the research plan; those seeking to undertake new research challenges are welcomed, irrespective of their scientific background or stage of career development. The size of the laboratory space and budget will be determined based on the proposed research program and the applicant’s record of achievement.

この文章を注意深く見ますと、問題の人物を含むように、書かれているように思います。例えば、earlyというキャリアを敢えて指摘していること(もう一方のsystems biologyの方にはありません)。"undertake new research challenges", "irrespective of their scienctific bakground or stge of carrier development"という表現にも、O氏のことを念頭に入れるとすんなりと理解できる部分があります。この文章の原稿を書かれたのは、どの先生か。文章を交換した電子メールなどを、header付きで公開していただき、これを書いたのが、西川伸一先生ではないということを証明していただけますか。

また、AC提言の方ですが、世の中では、そこに様々な憶測が広がっている。(例、http://blog.livedoor.jp/pyridoxal・・・/archives/2014-05.html ) それを考えると、2012年にセンター長が留任したという事実を「証拠」とともに公開していただくと、世間も納得することと思います
6月16日 16:49 」(引用終わり)
注 西川氏というのは、小保方氏の採用に積極的だった人。


そして、その下に、若手研究者の方のコメントが。こちらもメモとして。


「小田 賢幸  横から失礼します。若手研究者として発言しますが、私としては完全に公平な公募なんて建前であって、実際は内々で既決しているなんて百も承知です。今回のケースも、起こした被害に相応する責任を採用者が取れば良いと思っています。それよりも驚きなのがBWHのあの研究室のアイデアを、CDBの第一線にいる研究者が鵜呑みにしたという点です。大胆な仮説にリスクは付き物ですが、あの研究室だけは異質です。STAPの原案となったspore-like cell仮説はあの教授が長年主張してきたものであり、その怪しさは彼らの論文を読めば明々白々です。にも関わらず報告書からは、あの研究室とCDB上層部にポジティブなパイプが存在するという事実が読み取れ、愕然としました。彼女の人間性を判断できなくとも、仮説の背景を科学的に検証することは出来たはずです。
6月18日 18:33 」(引用終わり)


こちらは、2ちゃんねるでさかんに言われている、STAP騒動はハーヴァードのヴァカンティ教授の陰謀だ、というのにつながるものですね。もともとSTAPの原案はヴァカンティ教授で、ところがヴァカンティは耳ネズミで有名なイカサマ科学者としてとみに有名らしく、世界からは相手にされてないのに、なぜか理研は乗っかってしまい、まず、若山研究室にヴァカンティの部下の小島氏と小保方氏が潜入、そして、STAPのアイデアと(そしておそらく小保方氏の女子力)に目がくらんだシニアたちがそのあとどんどんねつ造の道を突っ走っていったという。そしてその背後には、セルシードという関連会社の株で儲けようとしている人々が(実際、一時的に株が急騰したので、インサイダー取引で儲けた人がいるに違いないという話)。
ああいう怪しげな教授たちと連携したのがそもそもの間違いのようなのですが、結局、詐欺師の仲間になってしまったらどこまでも詐欺師で行くしかないのか?
間違いに気づいてからはひたすら良心的な科学者として行動した若山氏ですが、最初に小島氏と小保方氏を招き入れ、信用してしまった過ちはやはり忘れてはいけないでしょう。STAPの捏造が指摘されたあとも、若山氏はしばらくは小保方氏を熱心に擁護していましたが、そのくらい催眠術にかかったようになってしまうのかと思うと。


あ、あと、神戸理研はサッカー見ているくらいのんびりしている、それだから危機感がない、とか書かれてました。こんな非常時にワールドカップを見てるのか? やっぱり首相がバックにいるから絶対安全、と思っているのね(だから首相交代しかないって)。
パワハラがあって病んでしまう人がいるくらい緊張感がある方が間違いが少ないし優秀、とも書かれていましたが、そういうのってあるかもしれないと思う。今はどうだか知らないが、かつては東大の法学部は教室にノートを忘れると絶対見つからないと言われていて、それはみんな官僚をめざしていて、ライバルのノートがあったらそれを隠してしまうことでライバルを蹴落とせるからだと。でも、そのくらいの緊張感、危機感がないと、国を動かす優秀な官僚は生まれないのかも。今はどうだか知りませんが、東大の法学部は受験者少なくて、1次試験で足切りしなかったのだよね。官僚も政治家も危機感なくてのんびりオリンピックやワールドカップ見てるやつらが増えてそう。

2014年6月20日金曜日

絵に描いた餅

神戸理研に対する改革委員会の提言書が出たら、一斉に、神戸理研を解体するなの大合唱。そして、小保方氏に再実験させろ、STAPはある!という方向にどんどん進んでいます。
STAPがあると一番信じたいのは、実は、神戸理研幹部と、その背後にいる安倍首相の模様。もともと安倍首相がSTAPと小保方氏に飛びついたところから始まったようで、下村文科相の寝ぼけ発言も安倍首相が背後にいるからこそ、のようです。
そして、若山氏が記者会見して、STAP細胞はできていなかったことを科学的に解説した翌日、情報によると、小保方氏が理研に呼ばれ、竹市センター長と相澤氏と面会したとか。ああ、やっぱり、理研と小保方は水面下で手を組んでいたのね。
とにかく、今は、「神戸理研は解体しない」、「小保方氏に再実験させる」の大合唱が理研と文科省から響いています。以前はあった批判の声も出てこなくなりました。
結局、3月頃に戻ったのですね。STAP細胞はある、小保方氏しか作れない、だから小保方氏に実験させる、そのためには小保方氏の雇用は継続、とりあえず来年3月までは理研にいて、懲戒解雇にはならず、そのあと雇い止めかな。いや、小保方氏はそこでも粘るかも。
結局、改革委員会の提言は「絵に描いた餅」で、強制力はなく、委員会自体がもう解散していて、あとは消え去るのみ。正直者の若山氏はバカを見て、下手するとまた小保方氏の恐怖におびえる日々が続くかもだ。他の不正指摘をした研究者たちも危ない。
早稲田大学の博士論文もうやむやになる可能性まであります。
でも、首相がどうしても小保方氏とSTAPをキープしたいのでは、あとは、政権交代しかありません。政党の交代は無理でも、自民党に反安倍派で優秀な人いないのか? 都議会で女性の晩婚化の問題について話す女性議員に、「お前が結婚しろ」とか「子供生め」とかやじって、それに笑っている自民党議員じゃ期待できないか。ああいった連中の女性の活用で活用されるのは小保方晴子です。
小保方氏に対抗するには、まわりを女性だけにしてしまうのがおそらく一番。
それにしても、3か月、あれだけ騒いで、いろいろな人が苦労して、結局、また最初に戻ってしまうとは。
とにかく、小保方氏を解雇しなければ、ほかの人は誰も責任とらなくていいわけです。できるだけ再実験長引かせようとするのが理研側の利益で、それは小保方氏の利益でもある。
いやもうほんと、首相を交代させるしかないんでないの?

2014年6月19日木曜日

「神戸」

「神戸」は終わっているのだろうか、なんてことをふと思ってしまった。
この「神戸」は神戸市ではないんだけど。
今を去ること30年前、そうまさに30年前の1984年でしたが、博士出てもアカポスなく、出来レースの公募に何度も応募しても書類は触ったあともなく返され、採用された人を見れば、私より劣った人ばかり、てなことの繰り返しだったとき、神戸大学から専任教員の公募に1人推薦せよと言ってきたから応募したら、てな話が指導教官から来た。
なんでも、東大、京大、阪大から1人ずつ候補を出させて、そこから決めるのだと。普通の公募と違って確率高いから応募しなさい、と指導教官は言った。
しかし、そのとき、私はすでにキネマ旬報で評論と翻訳の仕事を始めていた。当時は首都圏にいないと映画の仕事や出版社の仕事を続けるのはむずかしかった。しかも、公募なんて出来レースばっかりということも経験していたから、あっさり断ってしまった。
そして、私より1つ下の女性の院生が応募したが、だめだったのだそうだ。
当時は男女差別が今よりずっと激しかったので、おそらく男性候補を採用したのだろう、と周囲は言っていたが、私はあれは当て馬だったんじゃないの?と思っている。
当時も、なんとなく、女性を候補にしたら採用されない、と感じていたが、最近のSTAP問題で出来レースの当て馬の話を聞いて、ありゃ当て馬臭い、と強く思った。
まあ、当て馬でも応募した方が次につながるのかもしれないが、私はあっさり断っちゃったので、しかも理由が映画の仕事したいからだから、つまり、学問なんかより映画なんていう色物やってるやつってことになってしまったからか(?)、以後、アカポスのチャンスは完全に消えた(その前からコネなしだとだめなのはわかっていたが)。
今は大学で映画を研究して博士号を取り、アカポスに就職、なんていうのはよくあるみたいだが、私の頃は映画は在野のものだった。蓮実重彦教授も本来はフランス文学の研究者で、当時はまだ映画がメインの人とは思われていなかったと思う。
で、STAP問題で揺れる神戸の理研である。神戸大学とは関係ないんだけど、あ、iSP細胞の山中教授の母校だったね。採用されてたら山中教授を教えてたのかしらん(笑)。
さて、そのSTAP問題で改革委員会から神戸理研の解体を提言されてしまったわけなのだけど、それについて、まず、兵庫県知事が反対(つか疑問視)を表明。うーん、地元としてはなくなってほしくない? 笹井ビルの件もあるしな。
そして、小保方氏の採用担当だった人事担当の林氏が「あれは出来レースじゃない、3人候補者を立ててきちんと選んだんだ」とフェイスブックで反論。ついでに神戸新聞の取材にも答えています。
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201406/0007062913.shtml
この小保方氏採用人事は一応公募なんですが、小保方氏は応募締切までに書類を出せず、それでも候補者として面接、その面接当日に書類を出し、普通は英語のプレゼンを公開で行うのに、秘密にしたいという小保方氏の希望に沿って非公開で日本語の面接だけして、そしてその日のうちに採用決定。応募者は数十人いたという話ですが、実際は小保方氏と他の2人に声かけて3人を最終候補にし、小保方氏に決めたということです(30年前の神戸大学も3人だったんだよね)。
これだけでもかなり特異で、出来レース疑われてもしかたないのですが、人事担当の林氏は出来レースではないと主張、小保方氏が候補者の中で一番優秀だと判断して採用したとのことですが、どう見たって出来レース、他の2人は当て馬だろう、って思われてます。
そんなことはない、公明正大に選んだ、と主張する林氏ですが、上の神戸新聞のインタビューを読むと、なんと、「研究のプレゼンテーションも優れていると聞いている」え?採用担当なのにプレゼンテーションを聞いてなかったの?
実は、最近一番腹が立ったのはこの林氏の言い訳というか居直りの発言で、というのも、公募出来レースへの私怨があったからですが、さすがにこの林氏の発言には批判的な研究者がたくさんいて、ほっとしています。
何言うかわからないから書かない、と昨日は書いたけど、書いてしまいました。
神戸大学の件については、私は応募しなかったし、今となってはわかりませんが、神戸つながりで思い出してしまいました。

2014年6月18日水曜日

近況

もう10日以上更新していませんでした。
STAP問題については若山教授の記者会見でSTAP細胞が作られていなかったことが確定し、科学的にはオワコンになったのだが、それでもSTAPはあるかもしれないから小保方氏に再実験させろと早大出の下村文科相が発言したり、改革委員会が神戸理研の解体を提言したら、小保方氏の採用は出来レースでなかった、優秀だから採用した、結果はだめだったがこのくらいのリスクは当然、神戸理研を解体するな、と大声で言い出す幹部研究者がいたりで、当分ぐだぐだは続きそう。ニュースを見ると腹が立つばかりで、これについて書くと自分が何を書くかわからないくらいだから、書かないことにします。
なお、STAPができていなかったことが明らかになったのは、STAPはES細胞とTS細胞の混合と見られていたのだけれど、これを否定する実験はすべて小保方氏がやった、つまり、彼女がねつ造したということが予想されるからだそうです。下旬に発売の日経サイエンス8月号に詳しく載りそう。


その日経ですが、会員限定の記事を読むためID登録したものの、1か月でID退会してしまいました。理由は、毎日大量のお知らせメールが来るからです。お知らせを受け取らないにチェックしてもまったく減らない。それでついにID退会したのですが、それでも来るので日経のメールは受信拒否にしました。
確かにSTAPのときにはID登録して読むに値する記事が3つほどありましたが、そのあと読んだのはわざわざログインしてまで読む価値がなかったり、ログインしたらその先にほとんど中身がなかったりということがあったからです。
これまで、この先は会員登録を、と書いてあるサイトを見ると、登録しようかな、と思いつつ、無料のかわりに個人情報を売り渡すのだぞ、と思ってやめていましたが、それが正解でした。読みたければ図書館へ行けば何種類も新聞があります。ネットの会員限定の記事、と書かれているものもあるけど、ネットの会員だけに読ませる情報って何よ、と思いますね。
捨てメールで登録すべきなんだよね、とあとで思いました。


今年は何度も風邪をひいたり、ぎっくり腰になったり、謎の低周波音で睡眠不足だったり、管理人さんが倒れてゴミ出しが面倒になったりと、いろいろ重なったせいか、とても疲れています。それで、授業に行く日以外は映画に行こうと思っても疲れて昼寝してしまったりで、映画もこのところほとんど見ていない状態。夏休みまではこんな感じかな。今年は境目の年なのだけど、境目の年の半年くらい前から急に体力が衰える、というようなことは過去にもありました。境を超えるとまた元気になれるかも。
映画といえば、先日、銭湯のコインランドリーで洗濯していたら、銭湯の入口に浴場組合の新聞があって、そこに、「テルマエ・ロマエⅡ」に感謝状の記事が。5月に日劇で監督と主演の2人に感謝状を手渡したそうです。「テルマエ・ロマエ」のヒットの理由の1つが、全国の銭湯にポスターを貼りだし、それで高齢者がたくさん来た、ということがあったので、感謝状は映画の方が出してもいいくらいじゃないのかな。Ⅱは温泉ばっかりだったので、次はまた町の銭湯を出してほしいです。

2014年6月7日土曜日

最近の映画の仕事

ちょっと時間がたってしまいましたが、以下のパンフに寄稿しています。
http://www.amazon.co.jp/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%9B%9E-%E6%96%B0%E3%83%BB%E5%8D%88%E5%89%8D%E5%8D%81%E6%99%82%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB%E7%A5%AD-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0-%E3%82%AD%E3%83%8D%E6%97%AC%E3%83%A0%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%AD%E3%83%8D%E3%83%9E%E6%97%AC%E5%A0%B1%E7%A4%BE/dp/4873767938/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1402121359&sr=1-1&keywords=%E6%96%B0%E5%8D%88%E5%89%8D%E5%8D%81%E6%99%82%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB%E7%A5%AD
写真がアップできないのだよね。
名作映画についての短いコラムですが、名作は言わなくても作品のよさがわかるので、裏話的な話です。
古い映画は若い人にとっては背景などを解説しないと理解できない場合も多いので、大学の映画の講義でも背景説明が多いのですが、やはり、解説を聞いた方がよくわかると学生も言います。
年をとった評論家はそうした過去の蓄積で、古い作品について書く仕事が多くなるようですが、そういう仕事も重要ですね。

2014年6月5日木曜日

いろいろ思ったこと

STAP細胞問題は小保方氏とバカンティ氏がネイチャーの論文撤回に応じ、また、DNA鑑定でSTAP細胞が実はすでに存在する別の細胞だった可能性が高くなり、STAP細胞は完全に存在しないことが明らかになった。あとは一部のSTAP教信者と、科学に疎い早大出の文科相みたいに「再検証でSTAP細胞があればいいと思う」とかボケたこと言ってる人だけが信じることになりそうだ。
そして、理研は調査する意志なし、文科省も黙認、記者会見するはずだった山梨大の若山教授も記者会見中止とかで、うやむやにされそう(理研の和光本所からの横槍だとか、しかもその背後には文科省が、という説も。大臣の発言といい文科省は確かに怪しい)。小保方氏も、撤回同意の代わりに解雇を免れ、再実験に加わるという理由で理研に残り、来年任期切れで理研を去る、という取引があるんじゃないかという噂も。もうすぐワールドカップなので、そのどさくさに発表しようとしてるらしい。
理研の小保方氏のユニットリーダー採用も公募なのに出来レースで、推薦状もなく、英語のプレゼンもないという異例の採用だったらしい。
なんでこんな見え透いたインチキに日本でも有数のシニア科学者がだまされ、ネイチャーまで論文掲載してしまったのか、調査なしでは結局謎のまま。
で、科学の外の人間の私にはニュースを追うこと以外何もできないのですが、今回の件で、ほとほと、日本の社会は旧態依然だな、少しは進歩してると信じてたのに、この年になってこんなにがっかりするとは、と思ったことを書いておきます。


1 今から30年前、私が博士を出た頃は、公募はほぼ100パーセント出来レースで、コネがなければアカポスにはつけなかった。しかし、最近、ネットや本で、今は公募はきちんとしている、出来レースもあるが、そうでないものも多い、という話をいくつも読んで、ああ、私の若い頃はひどかったけど、今はよくなっているんだ、と、自分はもうだめだけど、今の若い人にとってはよくなったんだと、そう思っていたのだけど、今回の件で、実は、今も大部分の公募は出来レースだということがわかった(100パーセントではないだけマシと言えばマシだが)。
2 理系の人の中には、理系は論文を英語で書いて、査読があるから、理系は文系よりエライ、とか言う人が時々いる。分野が違うから比べられねーんだよ、バカ、と思っていたが、それでも、英語で書いて厳しい査読(文系も一応、チェックはあるけど)がある理系はやっぱり違うのかな、と、なんだかんだ言っても理系に期待していた。が、今度の件で、英語で書いたって、査読があったって、インチキ論文いっぱいあるやんけ! 第一、小保方氏はネイティヴの英語をコピペして英語を書くのがうまいと見せかけ、自身が書いた英語はとんでもなくひどい英語だとわかったのだ。小保方氏は英語の読み書きも、英語のプレゼンも、能力が低いらしい。小保方氏だけで理系全部を判断しちゃいかんが、この程度の人もけっこういるんでないの?と思わざるを得ないのだわ。実際、理系の大学で英語を教えていたことあるけど、国立大のくせに英語が全然だめで、こんなんでも院へ行けば英語がうまくなるのかい、ほんまかいな?と思ったものだよ(もちろん、笹井氏のようにうまい人はうまいのだろう)。
3 政府は女性の登用を義務付け、とかいうニュースが最近あったが、女性を登用したがらないとろこに女性の登用を義務付けしたら小保方的女子力の女性を取ってお茶濁すだけだろう、ということは確信を持って言える。優秀な女性を登用しているところはすでにあるわけだが、そういうところは優秀な人を登用したら女性だったということだろう。とりあえず女性を、では、日本はまだまだオヤジ転がしのかわい子ちゃんを取るに決まってるのだ。
4 小保方氏に関しては、親の七光りみたいなものもかなりありそうで、私が若い頃からすでに顕著だったさまざまな世界での世襲制みたいなものがますます強まっているのではないかと思ってしまう。つか、政治家とかすでにそうだし。


とまあ、こんなところです。
この年まで生きて、少しは日本の社会がよくなったと思いたかったというはかない望みはついえたのだ。もっとも、自分が日本の社会をよくするために何かしたかと問われると、何も言えない。