こんなツイートを見て、ちょっと考えてしまった。
これ、例の通訳をセレブバイトと呼んだ大学教授のツイートと関連しているのかどうかはわからないけれど、お金を稼ぐ必要はないけれど、何かいい仕事がしたい、と思う、ある種の恵まれたセレブ女性がいることを示している。
非常勤講師は優雅に見えるのでしょう、という言い方にそれは表れている。
私は専業主婦から非常勤講師になりたいと言われたことはない。そういう専業主婦とはつきあいがなかったから。
でも、映画雑誌に原稿を書き始めた頃、コーヒーショップで隣に座っていた若い女性の一人が、「週刊文春で映画評書きたい。ただで映画が見れてお金になる」と言っていて、驚いた。
週刊文春で映画評書けるようになるにはまず、有名人にならないとね。
いやいや、私が書いていた激安原稿料の雑誌でさえ、誰でも書けるわけではなかったよ。
でも、研究者としての実力が全然ないのにコネで国立大学に就職した先輩の女性は、私が映画雑誌に書いていると知って、「私も依頼があったら書くわ」と言っていた。
私がその映画雑誌に書けるようになったのは、売り込みをしたからで、依頼があったら、なんて言ってたら永遠に何も来ないわ。(その人は教科書会社から料理の本を何冊か出しています。)
お金はいらないから大学で非常勤講師したいという話を聞いて、思い出したのは、お金はいらないから翻訳書を出したいという、お金に困ってない女性がけっこういて、出版翻訳の世界はそういう女性を搾取する構造がもう20年、いや、30年くらい前からできているのかな。
それどころか、お金を出して翻訳を出版するのですよ。
さすがに通訳の世界はそれはないと思うが、文芸出版翻訳はもう、お金じゃなくてプライドのため、みたいなのがあって、まあ、もともとは大学教授が研究の一環としてやってた世界なんで、まあ、そういうものなんだろうけど。
そんなわけで、お金に困っていないけど何かプライドが持てる仕事がしたい、というセレブ女性が確かに存在するのだが、今度はなんと、50歳の男が14歳の少女とセックスしたら罰せられるのはおかしいとかいうロリコン男性が出てきて、それを擁護する男性たちがいるとかもう地獄。
つか、50歳の自分が14歳の少女と同意の上でセックスしたら罰せられるのはおかしいとか国会議員が主張しているって、この人、ペドフィルだと思われるかもしれないという危惧はまったく感じないのだね(一応、謝罪はしたようだが)。
自分の娘が14歳で50歳のおっさんとセックスしたら、この人たちは父親として、50歳のおっさんを許せるのだろうか、と思うのだが、とにかく相手が幼くても恋愛なんだから許してやれというおっさんたちがかなりいるらしいという衝撃。
これって、俺の娘はまともだから絶対そういうことしない、でも、世の中には淫乱が少女がいて、そういう少女が自由意思でおっさんとセックスするなら許すべき、と考える、女性についてのダブルスタンダードがあるんだと思うぞ。
30年くらい前にマルグリット・デュラスの小説を映画化した「愛人ラマン」という映画があって、15歳の少女と30歳の男が激しいセックスをするのだが、映画館は女子高校生ばっかりだった(中学生以下は鑑賞不可)。
でも、10代の少女のあこがれは所詮は幼いあこがれであって、それを大人の恋愛と同じと考えるおっさんたちは異常。
少女の方から誘ったからどうの、とか何を言ってるのか。
私が若い頃、大学教授とか冗談でこういうこと言ってたよな。
「女子大や女子高は女子学生とのトラブルを恐れて独身男性を採用せず、既婚男性を採用しているところがあるが、逆だろ、独身男性なら教え子と関係を持ったら結婚させればいい」
「若い男性教員は教え子の女子に惚れられるとその気になるからトラブルになる」悪いのは少女の方なんですね。
まあ、これがおっさんたちの認識だったのですよ。そして、今もあんまり変わらないようだ。
なお、非常にまっとうな考えのおっさんたちも、当時も、確かに存在していました。←ここ、重要。