2022年6月9日木曜日

火曜日の上野動物園

 木曜日は岩波ホールへブルース・チャトウィンの映画を見に行こうとしたら、JR線が異音の確認で止まっていた。止まったばかりのようで、これから確認とのことなので、これでは開映時間に間に合わない。幸い、岩波ホールは予約制でないので行くのはやめ、久々にJRの駅の近辺を散策。いろいろと収穫があった。

ということで、チャトウィンの映画の話がなくなったので、火曜日に見たパンダたちを。

この日は雨で、比較的すいていた。象はアルンの姿が見えなかった。猿山をちょっと見て西園へ向かうと、いそっぷ橋の手前に上野のパンダたちの歴史の展示が。その一部。




母子観覧はシンシンとシャオシャオが庭にいて、起きていた。


レイレイは室内でこの状態。


なのでみんなシャオシャオに集中。時々姿を現すシンシン。









レッサーパンダはリンゴを食べていた。



リーリーは部屋うろうろ。お客さんがものすごく少ないので、室内なのに自由観覧状態。




東園に戻ってシャンシャンに並ぶ。列短くて10分ほどで中へ。予想どおり寝てた。


もう一度並ぶ。今度は15分くらいで中へ。起きていた。




もう一度。今度は30分くらいかかった。起きてるけど向きがちょっと。


入ったのが2時くらいで、4時過ぎには出てしまったので、他の動物はほとんど見ないで終わりました。

「帰らない日曜日」(ネタバレあり)

 この映画、見に行く気がなかったのだけど、グレアム・スウィフトが原作で(読んでない)、コリン・ファース、オリヴィア・コールマン、グレンダ・ジャクソンが出ているし、MOVIX無料回だったから見に行くことにした。

正直、無料じゃなかったらかなり後悔しただろう。原作はたぶんいいのだろうと思うが。

ネットの評価を見ると、ロッテントマトが77%、10点満点の6.9点。日本の映画サイトの一般の評価も5点満点で3.5点前後と、同じような感じ。

80年代から2000年代前半くらいまではこの手のイギリス・アッパークラスものは必ずといっていいほど見ていたし、原稿依頼も多かった。しかし、その後、しだいに見なくなっていった。

なんでか。優れた映画がおそらく少なくなったのだ。

かつては原作にひけをとらない優れた映画化が多かったと思い知った。

この映画も原作はたぶん優れているのだろうけど、映画はダメ、と思わせられた。

脚本も演出も下手で、主人公の2人の男女、特に女優が裸でいるシーンが多くて、彼女の存在感で持っているみたいなところがある。ベテラン3人のオスカー俳優は存在感がない。久々のグレンダ・ジャクソンはがっかりレベル。

解説等にちらっと書かれている後半の事件は何かとか、映画の最初に言われる馬の4本足の3本は持ち主の家の兄弟だが、あと1本は誰かという問いとか、すぐに答えがわかってしまうので、謎も緊張感も意外性もない。

3つの時代が交錯するのも、ああ、「つぐない」はよかったなあと思うばかり。

第一次世界大戦で多くの若者が亡くなって、ここに登場するアッパークラスの2つの家の息子たちもほとんど死んでしまい、唯一生き残ったポールと、もう1つの家でメイドをするジェーンがひそかに恋に落ちているが、ポールには婚約者がいる、という設定。婚約者がいなくてもメイドと若旦那の結婚はむずかしいでしょう。18世紀に「パミラ」というメイドと若旦那が結婚する小説があったとはいえ。

ポールの両親とジェーンの雇い主夫妻ともう一つの家の人々が集まっている間にジェーンとポールがポールの家で密会するのだが、集まりにはポールの婚約者がいて、ポールは遅れていくことにしている。

この集まりと恋する2人のシーンが交互に出てくるが、どうも婚約者の方もポールを愛していないみたいだ。おそらく家の都合での結婚だろう。昔は身分の高い人はこれが普通。

ポールははやがて集まりに出かけ、ジェーンは裸で図書室を歩き回ったりケーキを食べたりして雇い主の家に戻ると、ポールが自動車事故で死んだとわかる。雇い主は自殺を疑っているようで遺書がないか調べるみたいなことを言うが(遺書とははっきり言ってないが)、結局何も見つからず、事故ということになる。

ジェーンが一人でポールの家にいるとき、電話がかかってくるが、当然とらない。それがジェーンの心に尾を引くシーンがあるが、この辺どうも演出が下手なので効果的でない。

ポールは婚約者と結婚するのがいやで自殺したのかもしらんが、ジェーンはこれを糧として作家になる。が、この作家になる過程の描写が下手で現実感がない。年をとって大作家になったシーンになるとますます実感がなくとってつけたよう。

「高慢と偏見」を見るとわかるように、イギリスのアッパークラスは財産は男子しか継げない。それも長男のみ。長男が死ぬと次男、となり、男子がいなければ親族の男子が継ぐ。ジェーンの雇い主の家は息子がみな死んでいて、この家は親族が継ぐことになるだろう。そして、唯一生き残った息子のポールが死んで、ポールの家も親族が継ぐことになる。

一方、孤児院育ちで(ジェーンという名は孤児院育ちのジェーン・エアを連想)、ロウワー・ミドルクラスのジェーンは作家として成功するから、アッパークラスの没落とロウワー&ワーキングクラスの勃興という時代の変化を示しているはずなんだが、それも演出が下手というか、監督、フランス人らしいけど、その辺わかってないか、さもなきゃどうでもいいかなんでしょうね。こういうところが決定的にダメ。

かつてのイギリス・アッパークラスものって、こういうところがしっかりしてたというか、アッパークラスへの批判がしっかりあった。ジョセフ・ロージーの「恋」とかジェームズ・アイヴォリーの「日の名残り」とかそういうのがしっかりあって、なおかつ映像が美しかったり、演技がすばらしかったり。

「ダウントン・アビー」とかはしっかりしてそうだが、あいにく見てない。

エンドロールを眺めていたら、エチケットコーチというのがあった。アッパークラスのエチケットを監修する人だろう。

とりあえず、原作を図書館に予約中なので、そちらに期待。

2022年6月8日水曜日

へえ、ほう

 フリーペーパーらしいんだけどなんかすごいものらしいね。

朝日新聞購読者の中の富裕層か。
なんか逆説的というか、いかにもというか。
私には無縁。

高度成長期やバブルの時代に若かった私から見ると、日本が今のようになるとは想像もつかなかった。
朝日新聞購読者の中の富裕層、なんて言葉が出てくるとはね。

このところいろいろ思うところがあったのだけど、
先週の土曜日から岩波ホールの最後の作品として、ヴェルナー・ヘルツォークのブルース・チャトウィンのドキュメンタリー映画が公開されてるってことを、翌日の日曜日に知った。
この日は競馬でソングラインという馬が優勝したってのも奇遇なんだけど。

それで、ブルース・チャトウィンって売れてるのかな、と思ってアマゾンで検索したら、なんと、ニコラス・シェイクスピアのチャトウィンの伝記の翻訳が2年前に出ていた!

私は1997年にニコラス・シェイクスピアの「テロリストのダンス」を翻訳して、当時は翻訳原稿がたまっていたので2年近く待たされ、1999年に出版。もちろん売れず、ジョン・マルコヴィッチ監督の映画化もDVDスルーで、すぐに絶版。

でも、本が出たとき、ちょうど、シェイクスピアのチャトウィンの伝記が原書で出たときで、出版社にチャトウィンの絵葉書セットが届いていて、編集者からそれをもらったのだ。
メルカリに出したら高く売れる? かどうかわからんけど、どこかにしまったのか覚えてない。

この伝記の原書はハードカヴァーでは高かったのでペイパーバックが出るのを待って買った。が、650ページもあるので積読状態。いつ読むのかなと思いつつ、買ってから20年くらいたってしまった。

そんなわけで、自分が翻訳したいとは1ミリも思ってなかったので、他の人の訳で出ても全然かまいません。が、どうもヘルツォークの映画に合わせて出版だった? 映画は海外では2020年に公開されてて、翻訳も同じ年に出版。アマゾンのレビューだと誤訳が問題になってるが、あの大部の本だと人海戦術での翻訳にならざるを得ないし、名前が出てる翻訳者は発行当時すでに80歳で、いろいろ無理があったのだろうと。

チャトウィンはニコラス・シェイクスピアが伝記を書いたとわかった頃に翻訳があるのはだいたい読んだ。しかも図書館で借りるのではなく、自腹で買った(当時は羽振りがよかったのだろう)。
しかし、チャトウィンは読めば面白いのだが、私ははまらなかった。買った翻訳書もその後の引越のときにすべて売ってしまった。

ニコラス・シェイクスピアはチャトウィンの手紙も出版している。これは買ってない。

チャトウィンの伝記は図書館にあったので、借りることにした。とりあえず、これを流し読みして、そのあと原書読まないとね。

岩波ホールも、最後に一度行きたいから、チャトウィンの映画を見にいくつもり。ニコラス・シェイクスピアも出演しているらしい。

それにしても、2000年代くらいまでだったら、自分がかかわったものに関連するものが公開されるときはなんらかのアプローチがあったのに、2010年代からはまったくなくなった。
そして、自分も、世間から疎くなっている。シェイクスピアのチャトウィンの伝記が翻訳されていたのを2年も知らなかったなんて。

都心に住んでいたときは都心の大書店にしょっちゅう行っていたが、郊外に引っ越してからはそれもなくなり、情報を得にくくなっていたことがわかる。

2022年6月4日土曜日

「オフィサー・アンド・スパイ」(ネタバレあり)

ロマン・ポランスキーがドレフュス事件を描く「オフィサー・アンド・スパイ」。

文豪エミール・ゾラが無実のスパイ容疑で投獄されたユダヤ系軍人ドレフュスのために立ち上がったことで有名だけれど(「ゾラの生涯」というハリウッド映画がある)、その前に、ピカールという軍人が防諜活動の任務の中で真犯人は別人であることを発見し、ドレフュスの無実を訴えるが、軍は隠ぺいを図り、ピカールも左遷などのさまざまな圧力を受ける、というのはネットで読んで知っていた。

背景にユダヤ人差別があったことも有名な話。

で、映画の前半は、ネットで読んだ記事をそのまま映画化したみたいな感じで、作劇があまりうまくないと感じた。特に、ピカールがドレフュス裁判を回想するシーンがどうもメリハリがなく、ポランスキーも焼きがまわったかな、と思った。

後半になると裁判やら決闘やらメリハリのあるシーンが出てくるので、何とか持ちこたえるという感じ。全体に「ゴーストライター」に似てると思ったが、あれに比べるといろいろ出来が悪い。

ただ、ラスト、ドレフュスがピカールを訪ねてくるシーンで、事件解決後、ピカールは大臣にまで出世したのにドレフュスは少佐どまりで、その不公平を訴えるが、ピカールは、ドレフュスの地位を上げるには法律を変えねばならず、今はそれはできない、と言う。

これはつまり、当時のフランスの軍隊にはユダヤ系に対する昇進の差別があったということだろう。そして、ドレフュスのために戦ったピカールが、今は何もできないと言ってしまうことの理不尽が描かれていると思う。

この最後のシーンだけはすばらしく、終わりよければなんとやらになったのであった。

ピカールとドレフュスは事件で親しい関係になったわけではなく、2人の間には距離があることを感じさせるラストだった。このあと、2人は二度と会うことはなかったという。

水曜と金曜の上野動物園

 先週は双子抽選全滅だったのですが、今週は3回当たって、水曜と金曜も出かけました。

水曜日。象の足を検査してる? ニホンザルは授乳中。


リーリー1回目。


シンシンと双子。3頭とも起きているのを見たのは初めて。双子が両方起きているのも初めて。



象も授乳中。

シャンシャンは寝ていた。ガラスにリンゴが貼ってある。

アビシニアコロブスの赤ちゃん。かなり大人と同じ色に。

金曜日。上野に着く前に雷雨があったらしい。まず象。


授乳が終わったところ。

リーリー1回目と2回目。雷雨があったせいかすいていて、リーリーもシャンシャンもあまり並ばないのでそれぞれ3回見た。


双子が木の上で。シンシンはどこかわからず。



マヌルネコがごろんごろんしてた。

リーリー3回目。


ゴリラは室内に引っ込んでいて、たまたま、この2頭が出てきてすぐまた引っ込んだ。ゴリラは外に出ていないと見られない。


シャンシャンは後ろ向きで寝てるので、1回あたり15分も並ばずに見られた。1回目前列から。

2回目誰もいない後列から。

3回目も後列から。

この日はシャンシャン列は4時まで並べたが、このあと列が延びていたので、並ぶのはこれまでに。このときは外は晴れていたが、4時頃からすごい雷雨に。並んだら大変だった。

実はその頃谷中に行っていて、そこで雷雨にあった。雷雨の後の渋沢家のお墓。

西洋美術館は今週金曜まで休館だった。今日から企画展が始まる。