2012年6月5日火曜日

キネマ旬報6月下旬号

が届きました。
興味深い記事がいくつかあったので、ご紹介。
(その後、考えるところがあって、書き直ししたところがあります。)

1 斎藤環氏の原発問題トーク採録
 この雑誌はこれまで反原発で来たのですが(?)、ここにきて急転回、ていうか、反原発、脱原発の人が気づいていないのかな? もしそうだとしたらヤバイ。
 斎藤環氏は、原発御用学者リストのウィキではエア御用と呼ばれています。
 この採録を読むと、これは本当にエア御用です。原発を推進する理由を精神分析っつうか、夢判断みたいなやり方で探している。
 また、この記事には事実と違うことも多いように感じました。まだ第1回ということなので、これだけで判断はよくないのかもしれませんが、この第1回がかなりトンデモといいますか、1つ1つ指摘してもいいんですが、でも、通して読んで、これってただの面白おかしいトークだったらいいんですが、そういう場面でのトークでもなさそうで…。ま、もう少し様子見ます。
 しかし、キネ旬の原発震災関連特集は、だんだんおかしな方向になっていると思うのは私だけか? いや、そもそも映画雑誌だからいいのか?
追記 参考資料
http://www47.atwiki.jp/goyo-gakusha/pages/1020.html
絆という言葉への疑問を読んだときは、私もまともそうだと思ったんですが、このサイトの一番下読むと、キネ旬の記事のトンデモとかぶります。サブカル系の人にこういう人多い、という指摘があって、ああ、そうか、キネ旬もサブカル、とか思ったり…。

2 大高宏雄のファイトシネクラブ「映画をまっとうに観るつまらなさ」
 これはすばらしい。私は大高氏と同世代だと思いますが、最近の若い論客(大高氏の相手が若いかどうかは知りませんが)はマニュアルどおりに映画を分析しているような気がしてならない。マニュアルどおりに作ってないとそれだけでダメというとか。自由な創造というものがわかってないというか。もちろん、若い人にもそうじゃない人がいますが、うーん、昔はマニュアルってもの自体がなかったのでねえ。
追記 あとでよく考えたら、その相手の方の言い分を聞いてないのに勝手に判断してしまったかな、と少し反省しました。私はこの「幸せの教室」は予告編しか見てませんが、リストラされた高卒中年男と女性大学教授の恋、つまり、映画スターと書店員が恋する「ノッティングヒルの恋人」路線だろうと勝手に思ってました。男性の方が身分が低く、女性の方が高いというタイプのラブストーリー。そのためにリストラされた高卒中年男というのを持ってきたのだろうと思い、そして、高卒だからリストラされる、というのは、現実にはそういうことはないにしても、それに象徴されることはある、だからリアリティがないとは思いませんでした。だから、入り口の部分でどう、ということ自体が、ん?ていう感じがします。ま、映画見てないので、私には参加する権利はないですけどね←実はあまり興味のない映画だった。)

3 「スノーホワイト」は観たい映画なのですが、200年前の原作って…。グリム兄弟は昔から伝わる民間伝承を本にまとめただけ。グリム兄弟が考えた話ではないのです。実際、グリム童話の中には先行するペロー童話と同じ話がいくつもあります。白雪姫は200年前どころかおそらく数百年、あるいは1000年くらい前からあった話かもしれないのです。
 私の世代は、っていうと、またまた年寄りの戯言になるが、昔はこういうことは当たり前の基礎知識だったはずなんだけど。昨年まで、某大学の英米文学入門でこういう話をしていましたが、今年はシラバスを全面変更したので、やってません。でも、やらないといけないんだなあとつくづく思います。