2013年9月2日月曜日

試写15本名画座4本DVD4本

7月29日から8月30日までに見た映画の数です。
DVDで見たのは記録を何もつけていないし、「惑星ソラリス」のように過去に映画館などで見ているものもありますが、今回はたまたま4本ともブログで紹介したので、結果的に記録を残しました。
試写と名画座の合計19本も、1本をのぞいて全部書いています。これはかなり珍しいことで、見ても書いていない映画がわりとあるのです(ふだんはどうしてもこれは書きたい、と思うのしか書かない)。
さて、その書いていない1本、それは、ラッセ・ハルストレム監督の「セイフヘイヴン」です(せっかくだからこれも一応、書きましょう)。
ハルストレムの映画はこのところ、面白くないものが多く、「砂漠でサーモン・フィッシング」も世間では評判悪くなかったけど、私にはつまらなかったのですが、今回の「セイフヘイヴン」はRottenTomatoesでも評価がかなり低く、まあ、それもそのとおりだね、と思うような仕上がりです。
原作はあちらでは大人気の作家ニコラス・スパークス。ほのぼの系のラブストーリーの作家という印象ですが(小説は読んだことなし)、今回の「セイフヘイヴン」はラブストーリーにサスペンスの要素が入ったという、スパークスとしては珍しい系列のようです。が、映画を見た感じだと、これはいわゆる女性向けロマンス小説によくあるパターンで、ロマンス小説だとヒロインの情熱的な恋に連続殺人事件がからみ、サイコな殺人鬼が登場したりする、でも基本はロマンスというタイプです。
「セイフヘイヴン」も最初はサスペンス風に始まり、後半まで謎解きがされないまま、ボストンから逃げてきたヒロインと南部の妻を失ったシングルファーザーとの恋が描かれます。そして後半、ここでちょっとしたひねりがあって、謎解きがされ、その後はサスペンス風に盛り上がっていく、という展開で、正直、つまらなくはない。話の展開はうまくないけれど、面白く見られます。話の展開の仕方という点では、「砂漠でサーモン・フィッシング」の方がきちんとしていると思いますが、「セイフヘイヴン」の方がへただけど面白いというか、そういううまいへたと面白さはまた別みたいなところがあります。
謎解きがされたあとはおきまりのサスペンスの展開で、評価が低くなるのもやむをえないのですが、最後にもう1つ謎解きがあって、これがなかなかいい味を出しています。ネタバレになるので書きませんが、わかる人ならなんとなく最初からあの人物、森の精霊とかそういう人みたいだよね、と思うでしょう(ネタバレはここまで)。ここの部分はなかなかぐっと来ます。RottenTomatoesでも観客の評価はいいのは、この後味のよさかもしれません。
なかなか紹介するのがむずかしい映画で(謎解きが2つもあるから)、しかもお薦めすべきかどうか迷う出来栄え。こういうのは一番書きづらいですね。

追記 肝心なことを書き忘れていました。主演のジュリアン・ハフという若い女優がとてもよかったのです。歌って踊れる新星、とのことですが、写真で見ると特に美人でもないし魅力的でもないのに、映画の中で演技しているときはものすごく魅力的で存在感があるのです。こういう女優は本物ではないかと。また、笑顔がとてもいい。ただ、彼女の演じるヒロインは黒髪を金髪に染めて逃げてきたのに、時間がたっても髪の根元が黒くならないのはリアリティに欠けます(毎日根元を染めているのか?)。