だいぶ昔に電子書籍になった本の印税が振り込まれた。
金額780円ほど。
え? こんなに?
以前は1年間でドトールのコーヒー1杯分しか入らないので、まったく気にもとめていなかったのだが、いったい。
この本が電子書籍になったのはもう10年以上前だと思うが、当時はまだキンドルなんてしゃれたものはなく、各社が勝手に読むための機械を作るので、全然売れてなかった。それがキンドルの登場で、売り上げが確実に上がったのだろう。
その本は紙の本も今も現役で、9割は翻訳者の文章、残りの1割が私の解説。だから、翻訳者は私の9倍の印税をもらうことになるので、私が200円でも翻訳者は1800円だったのだ、ということに今気づいた(とにかく金額が安いので、何も考えてなかったのだ)。
実は、すでに絶版になっている私の翻訳書を電子書籍にしたいという手紙が来て、OKすれば契約して電子書籍になるのだけど、1年で200円じゃ面倒でやってられないわ、と思って返事をしていない。が、考えてみたら、こっちの翻訳書は100パーセント私の本だから、その10倍の印税が入るのだ。
と、ちょっと欲の皮が突っ張ってきたが、解説を書いた方の本はすでに30年近く売れ続けているけれど、絶版になった翻訳書の方は最初から部数が少なく、しかも売れなくてすぐ絶版だったので、電子書籍になってもそんなに売れないと思う。契約などの面倒を考えたらやっぱりやってられないわ、というのが結論。第一、その本、アマゾンの古書だと1円じゃないかな? ただ、キンドルは購入した瞬間に自分の手元に来るというのが魅力のようです。
追記 電子書籍の欠点は、古本屋に売ったり人に譲ったりという再利用ができないことです。