例の「現代のベートーベン」のゴーストライター、新垣隆氏の記者会見全文です。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/05/ghost-writer_n_4734967.html?utm_hp_ref=mostpopular
なかなか興味深い会見で、いろいろなことを考えたのですが、江川紹子氏の記事が興味深かったので、リンクを貼ります。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20140206-00032407/
江川氏らしく、麻原彰晃と比べているのですが、佐村河内守氏が聴覚障害ではないと新垣氏が明言していることがわかったあと、目が見えているのに見えないふりをした麻原と比べたコメントがすぐにネット上に出ていました。佐村河内氏を麻原と比べるのはちょっとひどすぎるかもしれませんが、確かに彼はカリスマがあったのでしょう。新垣氏は前衛的な作曲をする人だけれど、佐村河内氏のもとでは一般受けする曲が書けた、という指摘は、私も会見を読んで感じたことでした。ある意味、佐村河内氏が新垣氏の新たな才能を引き出したのは確かでしょう。だから、新垣氏の作品と言い切ることもできないわけです。
今回の件、聴覚障害のふりをしなければ、佐村河内守は実は2人のユニットなんだよ、と暴露しても別にどうってことなかったのですが、聴覚障害で現代のベートーベンに祭り上げられなかったら彼らはまったく成功しなかったかもしれず、この嘘がすべての根源にあるのは否定できそうにない。そして、この嘘こそが致命傷を与えるものでもあったということ。
ではその嘘を見抜けず、いや、見抜きたくなかったとしか思えないマスコミとかはどうなのか。
NHKがドキュメンタリーで放送すれば、多くの人はそれは事実だと思ってしまうという罠。
それにしても、この事件もまた、震災後の絆だかなんだかの過程の中で増幅されてきた面があるのだなと思うとなんとも。震災後の歯車のくるった日本を表す事件の1つなのかもしれない。萌芽は90年代からあったとしてもだ(つか、2人が組んだ96年って、阪神大震災とオウム真理教事件の翌年)。