先日、ビーチ・ボーイズのリーダー、ブライアン・ウィルソンの伝記映画「ラブ&マーシー」を見たのだが、ついさっき、深夜のFMで「アメリカン・グラフィティ」のサントラをかけていた。
「アメリカン・グラフィティ」のサントラは当時、カセットテープを買ってよく聞いていた。その中で一番好きだった曲がビーチ・ボーイズの「オール・サマー・ロング」。
そのタイトルのアルバムがここで聞けます。
https://www.youtube.com/watch?v=fmuj6LEZaIo
そのFM放送では、ビーチ・ボーイズの曲は流してくれなかったのだけど、私にとって、やはり「アメリカン・グラフィティ」はビーチ・ボーイズだったような気がする。
ビーチ・ボーイズのリーダーでソングライターでもあったブライアン・ウィルソンについては何も知らなかったので、映画を見て驚いた。
1960年代、一世を風靡したビーチ・ボーイズだが、ブライアンは父親の虐待やプレッシャーに苦しみ、この「オール・サマー・ロング」の頃にマネージャーだった父親を解雇。しかし、音楽製作のプレッシャーから麻薬中毒になったブライアンは心を病んでしまい、その結果、1980年代にはある精神科医に利用され、食い物にされていた。
映画は60年代のブライアン(ポール・ダノ)と80年代のブライアン(ジョン・キューザック)を交互に描いている。ブライアンを統合失調症と決めつけ、大量の薬を与えて、彼の財産を食い物にする精神科医ユージンは、ある意味、ブライアンを支配し続けた実の父親のかわりである。そうした父親的人物による支配から彼を解放しようとするのが、ブライアンを愛する女性。彼女は精神科医のやり方に疑問を持つ家政婦を味方につけ、ブライアンを救う。
この映画は最近流行の20世紀後半の音楽家の伝記の1つだが、2つの時代のブライアンを2人の俳優に演じさせたり、その表現が前衛的だったりするところに魅力がある。
でも、この映画は、私の好きな「オール・サマー・ロング」を流してくれなかった。
「オール・サマー・ロング」は「アメリカン・グラフィティ」のサントラの最後の曲で、これが本当に好きだった。でも、ブライアンの伝記では、あまり重要でない曲なのだろうか。
ルーカスもコッポラもハリソン・フォードもロン・ハワードも、まだ大スターじゃなかった時代の「アメリカン・グラフィティ」、久々に見たくなったし、サントラを聞きたくなった。