木曜から新年度の授業が始まった。
木曜は映画の授業をしている大学で、今年は終戦70周年なので、太平洋戦争を描く英米映画というテーマの授業を前期に計画。その第1回に、太平洋戦争をコンパクトに見せるのに適した日本映画「日本のいちばん長い日」をほんのさわりだけ取り上げた。
1967年のモノクロ映画、監督は岡本喜八。三船敏郎はじめオールスターキャストで、ポツダム宣言受諾を決めた8月14日午後から翌15日正午の玉音放送までの長い長い1日を描く。その間に敗戦を受け入れられない青年将校たちが師団長を殺害し、偽の命令書を作って反乱を起こし、皇居やNHKを占拠して玉音放送阻止をはかる。
まあ、とにかくすごい映画で、全編大迫力。戦争を終わりにするってこんなに大変だったんだ、戦争中は人間は頭がおかしくなってしまうんだ、ということが激わかりの大傑作。
授業では、ポツダム宣言受諾の背景と太平洋戦争が簡単にわかる冒頭部分と、青年将校が反乱を起こすなかほどの映像を少し、それにラストの戦争がどれだけの犠牲者を出したかを数字で見せるところだけを見せた。
長い長い映画のほんのわずかな部分だが、それでも学生たちにはかなりの衝撃だったようだ。
この映画には血がどばっと出たり、日本刀で斬ったりという残虐なシーンもあるので、女子の多いこの大学では一応、そのあたりを注意した上で、興味のある人はぜひDVDで全部見てほしい、と言っておいた。
実はこの映画、今年の夏に再映画化が公開予定なのですね。
http://nihon-ichi.jp/index.html
ここにスタッフ、キャストが出ていますが、
三船敏郎が演じた阿南陸軍大臣が役所広司?
笠智衆が演じた鈴木総理が山崎努?
昭和天皇が本木雅弘?
黒沢年男が演じた狂気の青年将校が松坂桃李?
だ、だいじょうぶか?
監督は「クライマーズ・ハイ」の原田真人だから、そんなにひどいことにはならないとは思うが。
なんか不安。
製作は、旧作は東宝だったけど、今度は松竹か。
ついでに旧作もリバイバルしてほしい。
大丈夫か、といえば、この授業、定員40名のはずがなぜか60名もいたのでびっくり。
昨年度までは45名で、今年度から40名と聞いていて、それでプリントを45枚刷って持っていったら、全然足りず、20枚余計に刷って、結局、5枚余ったのできっかり60人だ。
私の授業は希望者が定員より多いことが多く、抽選になるのだけど、一度、定員が45名なのにミスで抽選で35人しか選ばれず、2回目から急に10人増えたということがあったが、今回も40名のところミスで60名になった可能性がある。多くの学生が「日本のいちばん長い日」のさわりを見て、授業にかなり期待感を持ったようなのに、あとからミスで20人はお帰り、とかなったら気の毒だけど、どうなることか。
その後、受講者は抽選で40名に減ったらしい。
しかし、初回に来た60名の内、20名はお帰り、ではなく、どうやら30数名がお帰りになったようなのだ。
というのは、初回欠席した十数名が抽選に当たったので、2回目から来たのである。
いやそれどころか、出席者は35名くらいだった。抽選に当たった者のうち5名くらいは欠席したのだ。
60名の内の多くが真剣に参加していた1回目に比べ、なんとも熱気のない2回目になってしまった。
それでも熱意のある学生はある数はいると思うので、希望を持ってやっていきたいが、何ともやりきれない。