ネットサーフィンをしてたら、30代前半と思われる2人の女性が、勝ち組だ、負け組だ、とブログでやっていました。
勝ち組はこちら。
http://www.shiningmaru.com/entry/2016/04/29/212824
それに対する負け組の意見はこちら。
http://nyaaat.hatenablog.com/entry/2016/04/30/182924
それに対し、最初の勝ち組さんが補足記事を。
http://www.shiningmaru.com/entry/2016/05/01/180623
個人的には、最初の勝ち組さんの記事、全然つまらなくて、途中から相当すっ飛ばして読みました。つか、ほとんど読んでないか。いい大学を出ていい会社に入ってとか、今更感いっぱい。
補足記事の方は具体的な仕事の話なので、面白かったですね。
しかし、負け組さんのブログは負け組の暗い話が多いんですが、ユーモラスで一見明るい勝ち組さんのブログも副題が「年収1000万~2000万激務で擦り切れた丸の内OLが毒をはくブログ」って、結局勝ち組も負け組もブログで毒吐いてるのか。
それでも勝ち組さんは激務をこなす体力はあるようだし、仕事が好きなようだから、とりあえず今は無問題ってことで、私に興味深かったのは負け組さんの方です。
この方の他の記事をいろいろ読ませてもらいました。
この方は田舎でがり勉して一橋大に入り、念願の出版社で編集者の仕事についたものの、激務で心を病み、なんとか立ち直って今は派遣社員とのこと。
まあ、勝ち組さんもそうなんだけど、この負け組さん、救いようのないほどの社蓄です。
雇われることでしかお金を稼げない人です。
この人、今、派遣社員で翻訳の仕事をしているとのこと。仕事が楽しいけれど、派遣法改悪で3年でクビ。派遣会社は別の仕事を紹介すると言うけど、翻訳の仕事ができなくなる。
そこで、今、この人の目標はTOEICで900点を取ること、だそうです。
確かに翻訳者の募集にTOEIC900点以上とか書いてあるのを見たことがあります。派遣で翻訳の仕事をとるにはこれが条件なのでしょう。
でも、この人は今、翻訳でお金をもらっているわけです。これは履歴書に書ける立派な職歴です。
しかも、この人は一橋大卒です。がり勉して一流大に入ったけれど余力がなくて失敗した、もっと適度なところに入ればよかった、と書いていますが、そんな過去のこと言ったってしかたない。今、この人に出来ることは、一橋大という高学歴を最大限に利用することです。
特に産業翻訳は経済や法律が強いと有利なので、その線で押すことを考えるべきです。
一橋大になんか入るんじゃなかった、母校が嫌い、と思うのなら余計、母校の肩書を利用すべきです。ビジネスライクに利用すればいいんです。
履歴書に翻訳のキャリアを書き込むことができたら、あとは派遣で別の仕事をしながら翻訳の仕事をフリーランスで手に入れるようにしていけばいい。
しかし、この方にはフリーランスという発想がまるでないみたいです。
また、女性は結婚相手を確保しておくのもいい、と書いていますが、結婚相手が失敗だったら、会社が失敗どころじゃないですよ。会社を辞めるのは簡単だけど、離婚は修羅場。
あと、この人、出版社の編集者の職歴もあるんですよね。編集者から翻訳家になった人は多いです。編集者はつぶしがきかないと書いてますが、編集者がフリーランスの翻訳家、著述家、そしてフリーの編集者になっている例は多いです。
つまり、この人は一橋大卒、出版社で編集者の職歴、今派遣で翻訳の職歴、という、実に有利な条件を3つも持ちながら、その有利さには気づいていないみたいなのです。
まあ、ブログを読んだだけなので、勝手な思い込みもあるかとは思いますが、この人が負け組なのは、発想や思考がそもそも負け組で、非常に狭い視野でしかものを見ていないせいではないかと思うのです。
勝手なこと書いちゃいましたが、本人がここを読むことはないと思うので。
あと、私は翻訳の仕事にTOEICの点数を条件とするところはこっちからお断りです。
TOEICは最近はライティングやスピーキングの試験も始めたようですが、世間で言う点数はリーディングとリスニングの点数です。だからTOEICの点が高いのに英会話ができないとか、ビジネスメールも書けないとか言われる人がいる。そして、TOEICはマークシートなので、日本語能力がわかりません。日本語能力がわからないでマークシートの点だけで翻訳能力を見るところはこっちからお断りです。だいたい、マークシートの試験ばかり受けている人は頭がバカになるというのに。読解だって、マークシートじゃ細かい英文の読解力がどの程度かわからないと思う。
一橋大卒で、編集者の職歴があって、翻訳の職歴も作りつつあるのに、TOEIC900点めざすって、もったいなさすぎて涙が出るよ(900点くらい簡単にとれるならいいですが)。