2016年7月13日水曜日

By the Sea

アンジェリーナ・ジョリーが夫の姓ピットをつけての製作・監督・脚本・主演作「白い帽子の女」を見てきました。
試写室はなぜかガラガラ。悪い予感は的中し、映画はかなりつまらなかった。
アンジェリーナと夫のブラッド・ピットの10年目の夫婦共演、という話題もあって見に行ったのですが、やっぱり、彼女は監督としてはあかんのではないかと。
だって、あの「アンブロークン」がかなりいいかげんな出来で、反日だなんだというレベル以前の問題だったので。もう1本の監督作は見てませんが。
で、タイトルの「白い帽子の女」というのは、アンジェリーナのかぶる帽子の1つが白いからなのでしょうが、彼女はほかに黒い帽子と、白と黒の模様の帽子をかぶっています。
原題はBy the Sea。こっちの方がいいですが、海辺にて、ではちとインパクトに欠ける。が、白い帽子の女がよかったかどうかというと疑問。
舞台はプレスによると1973年のようです。過去の時代の話というのは明らかで、タイプライターが出てくるところでもうワープロ、パソコン以前の時代だとわかります。
その1973年のマルタ島に、アメリカ人夫婦がやってきます。夫は作家、妻は元ダンサー。何かの事情で妻は心を病み、夫婦関係も危機になっている。
夫は必死に元の関係を取り戻したいと思っているけれど、傷ついた妻はもとに戻れない。
二人の泊まるホテルの部屋の隣に若い新婚カップルが泊まっています。
なぜか部屋の壁に穴があいていて、隣がのぞける(アンジェリーナ側がのぞけるのに、向こう側のカップルが穴に気づかない、というのが変ですが、まあそれはいいとして)。
新婚でラブラブなカップルを見て、アンジェリーナ演じる妻が、なんというか、変化していくというか、うーん、いい方向への変化ではないので、何とも言えないのですが。
このアンジェリーナ演じるつらい過去を持つ妻が、善良であると同時に他人を傷つけるような悪の面を持っていて、隣室のカップルに災いをもたらしてしまう、というのがクライマックスです。
白い帽子の女であると同時に黒い帽子の女でもある彼女。
うーん、うーん。
昔はこういう映画、けっこうあったんですよね。
でも、今はこういう話、ちょっと時代遅れではないかと。
映像も昔なつかしい雰囲気なんですが、結局、アンジェリーナの自己満足にすぎない映画に思えてきます。
同じ題材だったら、やはり70年代の作品の方が切実だったと思います。