岐阜市が「ルドルフとイッパイアッテナ」のルドルフに住民票を出したので、原作者が市長を表敬訪問というニュースがありました。
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20160906/CK2016090602000010.html
タマちゃんに住民票とか、そういうのよくありますが、ルドルフは岐阜は本籍地で、住民票は江戸川区じゃないのでしょうか?
公式サイトの方では、このあと原作者が岐阜の図書館を訪れ、そこにルドルフ・コーナーが2つもある、という話題も載せています。
江戸川区は何もしないのか? もうやってる?
上の記事によると、やはり岐阜には縁があって、それで方言も書き込めたのですね。
さて、「ルドルフとイッパイアッテナ」も今週は1日2回の上映になっているところが多く、来週は1回、それも朝だけになるところが多そう。
とりあえず、レディスデーに4回目の鑑賞に行ってきました。
まさかここまではまるとは。
この映画、DVDでは見たくない、映画館で見たい、という気持ちが強いのです。というのは、うちのDVDプレーヤーは20年選手で、画面がついたポータブル。なので、画質がかなり難があります。新しいの買いたいなあ。
しかし、レディスデーということもあって、「君の名は。」のお客さんが多く、その直前に始まる「ルドルフ」に入ろうとしたら、係員は「君の名は。」の入場を待つお客さんの整理で忙しく、チケットをもぎる人がいない。それでチケットもぎられずに中に入ってしまったけど、これでいいのか?
「ルドルフとイッパイアッテナ」は4回目ともなると、「教養、教養」とイッパイアッテナが言うのが少しうるさく感じますが、学んだことが役に立つという、実に教育的な話なんだなあ、と。
原作者は教訓を垂れようとか、教育的な内容にしようとか思ってなかったのだろうけれど、自然にそういう面が出てきたのだろうな。
原作者のエッセイ本読むと、賞金30万円がほしくて応募することにしたとか、受賞すればすぐに作家としてやっていけると思っていたとか、文学賞めざして苦労してる人から見たらなんじゃこりゃなんだろうけど、案外、こういう、それまで小説なんか書いたことない人が受賞して成功してしまうということがあるのですね。
しかも、原作者はどうやって話を作ったかというと、専門のドイツ文学の王道である主人公の成長物語、専門のA・T・E・ホフマンの書いた猫の自伝、それに日本人の好きな忠臣蔵のような仇討の要素をいれよう、ってことで話を作ったという、もう最初から当てるつもりで書いたのがわかる話なんですね。とにかく賞金が欲しかったわけだから。もちろん、それで面白い小説ができたのはもう才能としか言う以外ないのだけど。
「君の名は。」も監督自身が受けるように作ったと言っているように、周到に受けるような作り方をしています。
ただ、「ルドルフ」が映画がそれほどヒットしないのは、まず、児童文学でのヒットというのは映画やアニメや漫画に比べたらたかが知れていること。原作はシリーズ4冊の累計で100万部ですが、映画の入場者数はすでに100万人を超えています。直接の原作2冊を読んだ人より映画を見た人の方がおそらく多くなっていると思います。
それと、原作が書かれた80年代と現代では猫事情が相当に変わっていること。人間の食べ物を与えたり、飼い猫を自由に外に出したりとか、今はご法度になっている。そのあたり、今は違うからといって変えると話が成立しなくなる。
内容的にも、舞台となる江戸川区北小岩のすぐそばの葛飾区柴又の寅さんの世界に実はかなり近い。80年代は寅さんが人気だった時代で、原作者も影響を受けたのかもしれません。(そうそう、メインタイトルのバックの富士山がまるで松竹映画。)
だからといって、映画も舞台を80年代の下町にして三丁目の夕日みたいにやると、子供向けにならなくなってしまう。
この辺、老若男女どんな人にも向いている映画だけれど、逆にそれがターゲットを絞れない感じになっていると思います。ターゲットが絞られている「君の名は。」との大きな違いです。
でもまあ、とりあえず興収13億円超えたみたいだから、いいんじゃないでしょうか。受けるような作りになっていたら、たぶん、私はここまではまらない。
さて、できればあと1回見たいけど、近場のシネコンは土曜日からは1日1回、それも朝になっているので、他のシネコンを調べたら、少し遠出すると夜にやるところがありました。大きなショッピングセンターがあるから、行ってみるかな。
検索してみたら、「ルドルフとイッパイアッテナ」のモデルの場所と思われるところをチェックしたブログがありました。
http://bookvilogger.com/rudorufu-rokechi
アニメなのでロケ地とは普通言わないですが、原作者がモデルにしたであろう場所、映画を作るときにモデルにしたかもしれない場所が出てきます。小学校はエンドクレジットに八王子の小学校が出てきますけど。
神社は原作者の書いた「童話作家になる方法」を読むと、原作者自身が昔神社に住んでいて、そこに黒猫がいたという話が出てきます。原作のモデルの神社と映画のモデルの神社が同じものかどうかは不明。
岐阜商業高校はあの時代は高校野球の名門でしたが、映画では岐阜第一商業高校と名前を少し変えています。日本映画は実名は出したがらない傾向が強いですね。
商店街は谷中銀座も参考にしたようですが、上のブログの千代田通商店街、確かに似てる。
谷中銀座は車が通りぬけるような道ではないというか、昼間は車は入れません。夜になるとゴミ収集車とか来ますが、車が通る道ではないです。商店街の入口に弁当屋があるのが谷中銀座に少し似てますが、あそこをしょっちゅう歩いた人間から見るとだいぶ違和感が。ただ、猫の町ということで出してみたのかな、と思います。