2017年9月5日火曜日

某Fラン大学の教員免許(その2)

前記事
http://sabreclub4.blogspot.jp/2017/09/f.html

大学の教職課程について少し調べてみた。
大学の教職課程はもちろん、文科省が認可することになっている。
認可の条件はわりと単純で、中学高校の場合、教職の科目に関連する科目と教職に関する科目が規定数以上あればよいようだ。(小学校については小学校教諭を養成する学科でないとだめだが、中学高校はそういう縛りがない。)
認可の申請をした大学関係者のブログがあって、どういうふうに申請したらいいかが書いてあった。
その中で目を引いたのが、本来なら専門科目で必要な科目をそろえるべきだが、一般教養科目をその学科の必修科目として書いておくという方法がある、という。ブログ主はこれは裏技に近いようなことを書いていたから、本当はよくないのだろうが、それでも通るようだ。

さて、その某Fランであるが、その大学は英語の教職課程は9年前から、国語と社会は十数年前からあることがわかった。
しかし、私の記憶では、英語の教育法の科目を目にした覚えがない。
他の先生の授業内容には興味があるので、わりとシラバスは見ているのだが、少なくとも2、3年前までは英語の教育法はなかった気がする(今となっては確かめようがないが)。
今年のシラバスには確かに英語教育法が存在する。
この大学は数年前に教職課程について文科省から指導を受けている。(文科省の指導はネット上で公開されているので、気になる大学にどういう指導がされているかはググればわかる。)
そこには数年前の教員免許取得者数も出ているが、国語と社会で合計5名、英語はゼロだった。また、教員になった者はゼロである。
国語と社会で合計5名、ということは、2人か3人のために国語教育法と社会科教育法の講義をしなければならない。英語に関しては、免許取得ゼロということはやはり教育法を開講しなかったのではないか。
このほか、この5人のために教育原理とか教育心理学とか教育実習、介護実習などを開講しなければならないので、大学側としては効率が悪い。普通なら教職課程をやめてしまった方がよいと思うのだが。実際、中学高校の教職課程のある大学の一覧も文科省が公開しているが、この大学のような規模が小さく、なおかつ偏差値がFランであるような大学は首都圏では非常に少ないように見えた。
数年前の文科省の指導というのは、教員免許を出すには不十分なところが多いので努力しろ、というような内容だったが、一般に問題になるのは、大学の講義内容が教員免許にふさわしいかどうか、それが担当教員に周知されているか、そして専任教員が少ない、つまり非常勤に多くを任せていると問題になるようだ。
その大学の場合、教育学や教科教育法はそれだけ教えるので非常勤に任せることになる。また英文科がないので免許取得に関連する科目の数が十分にないから、一般教養の英語や英文学を入れているわけだ。
文科省の数年前の指導はおそらく国語と社会科に関してのものと思われるので、関連科目の内容については言及していないが(当時は日本文学と日本史西洋史には優秀な先生がいた)、英語関連科目は前に書いたように翻訳を読むとか映画化で見るとかそういうレベルなので、ここは問題になるべきところだ。
教職課程認定にはシラバスも当然出すのだが、このシラバスで認定はかなり無理があると思うが、最初に認定されたときは問題なかったのだろうか。

こんな具合に、教職課程認定は文科省が行うのだが、学生の教員免許認定は都道府県の教育委員会が行う。教職課程の科目がいいかげんだとそのときに免許の認可がおりないという問題が起こる。ただ、教育実習や介護実習までやっている学生に免許を出さないというのはよほどの場合だろうという気はする。数年前に英語免許取得がゼロということは、教科教育法がなく、実習も当然なく、免許申請がなかったからか、あるいは、教育委員会がその大学には英語教員免許を出せるだけの内容がないと判断したので大学側も英語免許取得の授業をやめていたのか?

普通に考えたら中学高校の教職課程をやめてしまった方が人件費が減る。実習などの面倒なこともなくなる。
学生も免許を取っても採用試験にはまず受からないとなればメリットは少ない。
が、その大学は免許がとれるコースを設定して、それを売りにする方を選んだようだ。
そして免許取得者の数を増やすために、そのコースの学生は不可になったらすぐに再試験を受けられるようにする。しかし、同じ科目を受講しても、そのコースでない学生は再試験を受けられないのだ。

加計学園と同じで、文科省や教育委員会にお友達がいるんだろうな、と思われるような展開。
ていうか、この大学は文科省にこびへつらっている感じがずっとしていて、他大学だったらしないことをいろいろやっている。補助金のためかと思ったら、それだけじゃなかったのか、と思う今日この頃なのだ。

以上書いたことの大部分はシラバスも含め、ネット上に公開されていることなので、内部告発ではありません。