心待ちにしていた「ビデオドローム」4Kディレクターズカット版がようやく近隣のシネコンで上映。
朝の回と夜の回しかなく、夜の回だと昼間が暇だなあ、と思い、第1作も第2作も見てない「キングダム」をいきなり第3作で見てしまう。
正直、第1作、第2作の予告編見たときは特に興味がわかなかったのだけど、今回は予告を見て、見たくなった。やはり大沢たかおでしょう。
秦の始皇帝になろうとする若者と、大将軍になろうとする若者の物語、くらいは知っていたが、あとは何もわからず。なので、人物関係の把握は無理だったけれど、それなりに楽しめた。
実際、中国映画だったらふんだんに製作費かけてすごいものを作るだろうけど、日本映画だとこれが限界かな、アクションシーンはご都合主義満載だし、と思うけど、大沢たかおの将軍を見るだけでも価値があった。続きもまた彼が活躍しそうなので、また見に行ってしまいそう。
そして、「ビデオドローム」4Kディレクターズカット版。
この映画、日本では最初は劇場公開されず、ビデオ発売。私はレーザーディスクを買って見たらとり憑かれ、たぶん30回以上見たと思う。そのうち劇場公開もされて、そのときはタイトルは「ヴィデオドローム」だったと思うが、映画館にも行った。
その後はずっと見ていなくて、かなりのお久しぶりだった。タイトルも最初のビデオのときの「ビデオドローム」に戻ったディレクターズカット版って、どこが違うの?と思って調べたら、英語のサイトで、アメリカでは検閲に引っかかってエログロのシーンがカットされた部分があったこと、その後、ビデオ等ではそれらが戻されていたことがわかった。
つまり、日本では最初からディレクターズカットだったということ? そして、その後、「ヴィデオドローム」として公開されたのもこれだった?
ただ、今回見て、昔見たのと違うと思ったのは、トロントのタワーが出てくるシーンがなくなっていたこと。そこが何か普通のビルのシーンに置き換わっていたように思う。
映画の舞台がトロントなのはセリフその他で示されているし、ラスト近くの港のシーンで左側にぼんやりとタワーが映っている。なのに、なぜ、途中の青空にくっきりとそびえるタワーのシーンをカットしたのか?
映画は昔のめり込んだほどには、今はのめり込めなかった。走査線のあるブラウン管のテレビ、日本ではとうにすたれていたけどカナダでは人気だった家具調テレビ、そしてエロチックに変形するビデオカセット。あのビデオカセットはベータだったと、さっき調べてわかったが、VHSではなくベータと知ると余計趣が増す。
あのエロチックさは、ビデオカセットだから可能なので、DVDやパソコンのメディアじゃ無理。テレビも曲線のブラウン管だから人間の肉体になるわけで、平らな液晶画面じゃだめだよね。
そういう有機的なものがかつてのアナログの世界にぴったりだったので、今の無機質なデジタルの世界では無理な気がする。
今になって魅了された人は、今を予言した映画と感じるだろうけれど、同時代で魅了された私だと、どうしても過去を振り返る形になってしまうようだ。
入場者プレゼントのポストカード。
このヘルメットをかぶったのはジェームズ・ウッズではなく、替え玉だったそうな。