比較的近隣といえる場所に、横文字の名前の書店が2軒ある。
どちらも駅から少し歩く住宅街の中のマンションの1階に店を構えている。
片方はネットで紹介されていたので興味を持って行ってみたのだが、敷居が高いというか、気楽に入れる雰囲気ではなく、それでも入ってみると、 人文系の専門書や外国文学の翻訳がずらりと並んでいる。コーヒーを飲めるコーナーみたいなのもある。売っているのは新刊書で、店内はきれいに整頓されている。
しかし、ゆっくり本を見るような雰囲気ではなかった。客は1人もいなかったのだが、店員と知り合いらしい人が大声でしゃべっていて、プライベートな話が全部聞こえてくる。私が入って来ても完全無視。誰もいないかのようにしゃべっている。
なんとなく鼻もちならない意識高い系の店、と感じたので、その後は行っていない。
もう片方は買取を断られた古書店。ネットで古書店を探していたら見つかった店で、グーグルのコメントが非常によかった。しかし、駅からの道がわかりにくく、店の入っているマンションのすぐ前まで行かないと店があるとはわからない。敷居が高いという感じはしなかったので、中に入ってみると、わりと古書店っぽい雑然とした感じの店だった。アート系の映画のDVDが目立つ場所に置いてあり、こういうのも売るのか、と思った。
この店も客はいなかった。ていうか、最初の新刊書の店と同じく、この店もここをめざして行かないとたどり着けそうにない。そういう意味では、どちらも意識高い系の人たちが探してくる店なのだろう。
古書店の方は都心にも店を構えているようだ。そこはここ数年の間に意識高い系のおしゃれなカフェや雑貨店が多い地域に変化した場所らしい。都心に住んでいた頃には何度か訪れている場所だが、当時はそんな場所ではなかったので、ここ10年くらいの間の変化だろう。
都心の店は場所柄、お客さんがたくさん来るだろうけれど、近隣の2軒はどう見てもお客さんはたまにしか来ないのではないかと思うので、どうやって経営しているのだろうと思う。名前も英語なので、名前を覚えてもらいづらいだろうし。
今住んでいるところは引っ越したとき、最寄り駅と両隣の駅の近くに書店があった。ごく普通の書店だったが、3軒の内2軒はもう閉店してなくなってしまった。1軒だけが残っている。
文京区の千駄木のあたりに30年くらい住んでいたが、根津神社の近くに往来堂書店がある。1990年代後半に開店したと記憶しているが、店主が選んだ本が並んでいるというところがユニークで話題になった。確かに町の本屋としては専門書や外国文学の翻訳が並んでいたが、近隣の英語の名前の書店のような意識高い系の雰囲気はなかった。普通に雑誌や文庫やベストセラーも売っていたからだ。
最近、根津神社へ行く機会があり、立ち寄ってみたら、とにかく客が多い。もともと狭い書店なのでお客さんが本を見ていると通路を通れないくらいだ。雑誌と漫画が中心の普通の町の本屋に比べるとちゃんとした本をしっかり置いているが、雑誌のコーナーが広く、意識高い系の雰囲気はやはり皆無。このくらいの書店がいい。でも、ここが繁盛しているのは都心の住宅街だからだろう。
昨年と今年、白山神社へあじさいを見に行ったとき、白山下の商店街の古本屋が昨年は健在だったのに今年は閉店していた、という記事を以前書いた。
1軒目、昨年と今年。
2軒目、昨年と今年。
今年の方は古本屋の隣もシャッターが下りているので、このあたり全部建て替えかな、と思ったが、その後どうなったことか。