2012年8月14日火曜日

猫写真(追記あり)

最近、猫写真を出していないのですが、もう1ヵ月半、外出にデジカメを持っていっていません。
暑くて写真撮るどころじゃないのと、猫に会いに行くのが日没後になってしまったからです。携帯のカメラでは少し撮ってますが。
その前から、猫写真をブログに出すことにある種の抵抗を感じるようになっていて、あまり出さなくなっていました。
そして、先日、某猫スポットに、「猫の写真をネットで公開しないでください」という立て札が立っている、ということが書かれたブログを見ました。ネットで公開すると、捨て猫が増えるからだそうです。
実際、捨て猫防止と野良猫増殖防止のために始まった地域猫活動が、逆にそこへ猫を捨てに来る人が増えて問題に、というのは全国で起きていて、多数の捨て猫の世話をしているあるお寺では、援助を申し出る人にしかお寺の住所を教えないそうです。
もう、これからは捨て猫防止、避妊去勢手術による野良猫増殖防止のための活動は、アンダーグラウンドで行うしかない、という感じです。

もともと、地域猫活動の地域が写真や映像で紹介されたのは、この活動への理解を深めるためと、捨て猫防止や動物愛護のためだったと思われます。そしてまた、かわいい猫の写真や映像が、見る人をなごませたのでしょう。私も一時、猫の写真集とか買ってました。
そういう写真や映像に写るのは、世話をされているきれいな猫で、しかも、人間受けする容姿の猫。これでは捨て猫問題の悲惨さはわかりっこないわけなんですが。
前にもブログでちょっと書いたことですが、その猫スポットで、猫の写真を撮る人とエサやりさんの口論を目撃してしまったことがあって、その立派な一眼レフを持った人は、自分が撮る猫がこんなにきれいなのは誰のおかげかまるでわかってなくて、自己正当化の言葉を叫んでいました。
また、だいぶ前のブログで書いたことですが、某国営放送局が動物写真家とスタッフとその他大勢の若い女性とともにやってきて、いやがる猫を無理やり撮影という怒り心頭のシーンに遭遇したこと。
そして、こちらは無邪気な方なのでしょうが、猫スポットで通りかかる人に、「ブログやってます、見てください」と、アドレスを書いたカードを配っている人。
そういうのを見ていると、自分も写真を撮っているけど、写真を撮る人は基本的に傲慢なんじゃないかと思うようにもなりました。私がだんだん猫写真をアップしなくなったのはそのせいです。

そんなわけで、これからも猫の写真は公開しないのを基本としていきますが、問題は、某スポットでカメラを持っていると、たとえ花の写真や風景の写真を撮りに来ていても、ブログに猫の写真を公開するかもしれないと疑われることですね。私はけっこうトラブルを呼ぶタイプなので、心配です。

以前、フランス人の監督が作った日本の猫事情のドキュメンタリー映画を見ましたが、そこでは猫カフェが批判の対象になっていました。でも、かわいい猫の写真集を出したり、テレビで番組を作ったり、ブログで写真を見せたりというのは、ここで批判されていた猫カフェの延長上にあるものではないかというのが私の考えです。直接的な金銭のやりとりはありませんが、かわいい猫に触れたい、見たい人の欲求があって、写真集や番組はその欲求に対して商売をしているのだし、ブログも商売ではないけれど、そういう見たい欲求と、自分の見せたい欲求が一致して成立しているわけです。
実際、某スポットで撮った猫写真のブログを作り、そこで写真を使った絵葉書やグッズを売っているサイトもありました。猫スポット近くの飼い猫まで写真に撮って絵葉書にして売ってるやつまでいるとか??? もしもこれが猫じゃなく人間(幼女とか少女とか少年とか)だったら犯罪!

そんなわけで、しばらく前から、写真の公開を控える気持ちになっていたのですが、一方、写真だけが自己表現である人が写真の公開を控えるというのはつらいだろうというのもわかります。撮るだけで公開しない、というのは、私のように写真が自己表現でなく、文章が自己表現な人間だから言えること。逆に私も、もう10年も小説の翻訳ができないこと、だいぶ前から雑誌に映画評を書くこともほとんどできなくなっていることにフラストレーションを感じます。さらに、ブログで文章を書くな、と言われたら、自己表現を完全に奪われることになります。
猫写真の公開については、見られる人を限定するようなタイプのブログでやるとか、上にも書いたアンダーグラウンド的方法をとるのが一番であるように思います。ただ、猫写真を公開する人には、たくさんのアクセスがほしいという欲望がある人もいるので、そういう人はアンダーグラウンドはいやだろうね。

話は変わりますが、ミニシアターのような限定公開の映画を試写で見て、ネタバレありとかなしとかいう言葉をつけて記事をアップすると、大変な数のアクセスがあります。先週末公開のある映画なんか、1ヶ月くらい前からものすごい数のアクセスです。しかし、公開後に書いた映画の記事はあまりアクセスがありません。試写で見て書くとこれだけの人が情報を求めて来てくれるのだけど、映画館で見てからではだめなのか、と思うと、自称・評論家の特権がなくてもやっていける自信はないのが現実です。こっちは事実上、一部限定された読者のためのアンダーグラウンドになってるのか…。

追記
その後、日没後に猫スポットに行き、立て札を確認してきました。
わりと小さい立て札で、猫写真家が集まる場所の入り口付近にありましたが、これでは気づかない人が多いのではないかと思いました。
街灯の明かりに照らされていたので、携帯で写真を撮りました。全文を掲載してもいいのですが、場所を特定する言葉もあるので、要約すると、
「猫の写真を撮影する方へ。雑誌やインターネットに写真が掲載されると捨て猫や虐待が増え、猫が不幸になり、大変迷惑しています。撮影は自重してください。**管理所」
ということで、撮影自体を自重してほしいとのことでした。
もちろん、花見に来た人が猫を見て写真を撮り、「花見に行ってきました、猫がいました」てなことを知り合いしか読まないブログに書くのまでだめなのか、とか、いろいろ判断がむずかしいと思いますし、たまたま通りかかった人が猫を見て、携帯で撮影しているだけで、注意する人がいて、けんかになるとか、そういうことも心配なんですが、ただ、一眼レフで追い回すとか、出版関係者やテレビなどのマスコミが来るのは前からいやだったんで、これはほんとに自粛してほしいです。