アマゾンの売れ行き順位というのはものすごく売れている本(少なくとも1000位以内)以外はまったくあてにならない、というのが私の感想。
理由は、ある人が本を出して、その友人がアマゾンで買ったら、1冊売れただけで順位がものすごく上がった、という話を聞いたから。
実際、私が関係した本もそういう感じがします。
で、前の記事で解説を書いた文庫本の紹介をしたら、その後2日くらい順位が急に上がり、その後また戻りました。
ここを読んで買ってくれた方が2、3人はいたのでしょうか?
さて、このところまったく増刷されていない創元推理文庫「フランケンシュタイン」。
全体の10分の1くらいが私の解説ですが、ページ割の印税で、1984年の初版以来、増刷のたびにささやかながら印税が入ります。
そんなわけで、ケネス・ブラナー監督主演の映画が公開されたときも角川文庫にタイアップをとられ、創元は映画に便乗できなかったにもかかわらず、増刷はそこそこされていて、もう30年も生き残っている本なのです。数年前に光文社古典文庫から新訳が出てからもしばらくは創元の方が売れている感じだったのですが、ここ2、3年、どうも立場が逆転してるっぽい。あっちが増刷になってこっちがならない、アマゾンでもあっちの方が順位が上。でもよく見ると、創元はキンドル版も出していて、300円と安いので、これを買う人が多いのかな、と思ったけど、このキンドルはじめ電子版の印税ももちろん入るのですが、年に200円とかそのくらいなので(!)、売れてるとは思えない(紙の本と違い、何部売れたかの報告が毎年入るので、実数もわかる。電子版は1冊売れるごとに印税が入る仕組み)。
そんなわけで、アマゾンの順位はあてにならないというか、実際はそんなに大きな差はないのかもしれないけど、確実に光文社の翻訳がメインになっていくのかな、と寂しい思いをしていたところ、この週末、わずかながら順位が上がり、一時的に光文社を抜いたのです。
光文社の方も売れているようで、順位が上がっています。
これって、もしかして、ブログでも書いた映画「アイ・フランケンシュタイン」の影響?
原作者が違うので、タイアップはしていませんが、もともとの原作を読んでみようと思う人が数人はいるのでしょう(あのくらいだとほんと、数冊売れる程度の上昇だと思う)。
創元は「屍者の帝国」とタイアップした帯がついていたな。でも、それでは売れまい。
創元の「フランケンシュタイン」は30年前初版なので、文字が小さい。光文社は最近なので文字が大きいのと、改行を多くして読みやすくしているのが今の人には受けそうです。
もちろん、私の解説は創元推理文庫にしかありません(当たり前だ)。
30年前というか、執筆したのは83年秋だったので、もう31年前ですが、「ブレードランナー」と「フランケンシュタイン」の関係を指摘したほとんど最初の文章の1つと自負しています。
というわけで、宣伝。創元推理文庫「フランケンシュタイン」。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-532%E2%80%901-%E3%83%A1%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%BC/dp/4488532012/ref=zg_bs_2220088051_33