2016年2月29日月曜日

「ヘイトフル・エイト」を見て帰ってきたら

今日はシネコンに「ヘイトフル・エイト」を見に行ったのですが、帰ってきたら、私の推した「スポットライト」がアカデミー賞作品賞を受賞していました!
おめでとう! 脚本賞は鉄板だと思ったけど、作品賞も取るとは!
おかげでブログの「スポットライト」の記事のアクセスが急上昇です。
しかし、2年連続私の推す映画が作品賞とは、大丈夫か自分? いや、大丈夫かアカデミー賞?
2年連続といえば「レヴェナント」のイニャリトゥも2年連続監督賞。そして撮影賞は3年連続同じ人。
ディカプリオの主演男優賞受賞もおめでとうと言いたいです。10代の頃から演技派と言われていたのに、その後アイドル的になってオスカーから嫌われた感もありましたが、やっとという感じ。
「ヘイトフル・エイト」も作曲賞受賞していました。

さて、タランティーノの新作「ヘイトフル・エイト」ですが、この映画、実は試写状をもらっていたのです。が、その試写室は予約制で、試写状が来た時点でもうどの回も予約は満席。予約なしで見るには1時間以上前から並ばないといけない、というので断念。3時間もあるし、タランティーノの映画って、そんなに好みでもないしな、って感じで。
遠くの試写室より近くのシネコンになっている今、やはり便利なのは近くのシネコン。先週末から始まっていたので早速見てきました。
南北戦争終戦後の西部、吹雪の中、山小屋に避難した男たちと1人の女(御者を入れると合計9人なのですが)。南部人と北部人、黒人と白人などの対立がある中で、賞金がかかっている犯罪者の女を救いに仲間が忍び込んでいる、果たしてそれは誰か、というミステリーになっていきます。
ミステリーなので詳しいことは書けませんが、とにかく血みどろのスプラッター的要素が濃いので、あんまり血を見るのがいやな人にはお勧めしない、というかタランティーノだからこのくらいはやるよね。
ミステリーになるのは後半で、前半は南部人と北部人のいろいろなしがらみや対立が中心。人種差別が普通だった時代なので差別語もバシバシ出てくるし、白人と黒人、それにメキシコ人も加わった人種差別も出てきますが、面白いのは、差別するのは白人、といった紋切型ではないこと。この辺、ネタバレになるので詳しいことは書けませんが、黒人も他の人種を差別しているのです。
また、女性が容赦なく暴力にさらされるってのも特徴ですね。
女性の人物はジェニファー・ジェイソン・リーの女犯罪者だけかと思ったら、途中に回想シーンがあって、そこに女性たちが登場。その中でカラミティ・ジェーン風の女性がなかなかキュートです。最後に配役を確認しようと思ったのに、なぜかエンドクレジットに配役が出ない。あとでネットで確認しよう。
そんなわけで、ミステリーだけでなく、南北戦争がらみの部分も興味深い作品でした。
ところで、この映画、途中の回想シーンで猫が出てくるのですが、
あの猫はどうなったんだ!?
最初の方で山小屋のドアが壊れていたり、赤い菓子が落ちていたりするのが回想シーンで説明されるのですが、猫はどこへ行ったのだろう。私が見逃していたのだろうか。猫が屋根裏に隠れていて、これは全部猫が見た話、というふうに終われば面白かったのに。