20日発売のキネマ旬報6月上旬号に「家族はつらいよ2」の映画評を書きました。
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スバル座に「君の名は。」を見に行ったあと、試写に行った、と以前書きましたが、それがこの映画。
久々に楽しんで書けました。
私としては、喜劇の映画評らしい映画評にしたい、というのが第一目標でしたが、とりあえず、それは達成できたかと。
シリアスなテーマを内包しているからといって、シリアスな映画のような評にはしたくなかったのです。
実際、この映画が含んでいるシリアスなテーマは、山田洋次が本気で映画化したらこんなレベルで終わってないはずで、喜劇として楽しむのが一番の目的、そこに少し社会問題の隠し味を、という感じだと思うのです。
もう1つ、今回はあまり言及できなかったことがあって、それは山田洋次のフェミニズム。
前作といい、今作といい、女性から見て感じる男性のいやなところが容赦なく出てるように思うのです。
主人公・周造と笠智衆の対比なんかもそこから来ている。
今回は長男もいやなところ出ちゃいましたね。
ただ、このシリーズが救われるのは、必ずいさめる人がいることです。
試写室でもらうプレスシートを見たとき、主役の8人の家族関係を描いた図に、妻と書くべきなのに嫁と書いているところがいくつかあって、非常に強い違和感を感じたのですが、映画が始まってみると、周造が次男の妻に向かって「嫁は黙っていろ」と言ってしまうシーンで、次男が「嫁とはなんだ」と怒るのですね。
ああ、よかった、やっぱり山田監督はわかってる、プレス作った人がわかってないんだ、と思い、ほっとしました。
ここでも次男が父親をいさめるのですが、そのあと、周造が反省して次男の妻に謝るシーンがあるのもよかったです。