試写状をもらったときから気になっていたアニメ映画「若おかみは小学生!」。結局、試写に行けず、シネコンで見るか、と思っていたら、2週目からなんと、多くの映画館では朝1回に。
うーん、別に見なくてもいいかな、という気持ちに傾いていた。
評判がいいことはわかっていたけれど、「ペンギン・ハイウェイ」があまりにもがっかりだったので、評判とか当てにならんと思っていた。
「ペンギン・ハイウェイ」は「夜は短し歩けよ乙女」と同じ原作者で、「夜は」の原作を読んだときに「ペンギン」の原作も一緒に借りて読んでいて、非常に面白いSFだったのだが、アニメ映画はのっけから口パクだけの動きのなさにがっかり。内容的にも批評家がほめてるのはすべて原作による部分で、そこをほめても映画をほめたことにはまったくならない。
そんなわけで、「若おかみ」も似たようなものかな、見なくていいかな、と思っていたとき、ネットで見つけたある文章。
「脚本は、「聲の形」の」
私「え、なぜそれを早く言わない?」
で、すぐに朝1回だけじゃないシネコンを探したら、つくばエクスプレスの2つの駅のそばのシネコンでやっていた。
「カメラを止めるな!」をもう一度見たいと思っていたので、できればハシゴしたい。
流山おおたかの森だと両方やっているが、間が3時間以上あいてしまう。
柏の葉キャンパスでは「若おかみ」しかやっていないが、そこで見てから流山おおたかの森で「カメラ」を見れば間は1時間余り。しかもこの2つの駅は隣同士。1時間あれば楽勝で移動してごはん食べて書店も見られる。
実行しました。水曜日のレディースデー。
「若おかみは小学生!」見てよかったです。
最後、泣けました。
そして、絵の動きがいい。
口パクだけでなく、顔や頭も動いている。
目の瞳の白く光る部分を動かすだけで表情や気持ちを伝えるみごとな表現もある。
アニメは金と手間をかければいくらでも動きをよくしてすばらしい映像にできるのだけど、金のない日本アニメはそこはなんとか工夫で乗り切らないといけない。それをみごとにやっています。
そして、やっぱり、脚本がいい。「聲の形」の人、なるほど、共通点ある。
クライマックスは、こんなに簡単に悲しみを乗り越えたり許せたりできるのか、祖母だって愛する家族を失っているのに、という疑問はわきますが、それでもある種のカタルシスを感じさせる感動的なシーンです。
レディースデーなのに映画館ガラガラで、これ、宣伝を間違えたのでは?と思います。
「カメラを止めるな!」はレディースデーのためか、女性中心にかなり入っていました。
2度目なので、最初のドラマ部分が初めてのときよりからくりがよくわかる。初めてのときもこのドラマ部分はおかしかったですが、2度目だと完全に笑ってしまうのだけど、まわりのお客さんのこと考えて笑いをこらえてました。
この部分、映像は安っぽく見えるように作っているけれど、音響はかなり優秀。
そして後半はまわりのお客さんと一緒にゲラゲラ笑いました。
2度目だとほんとに細かいところまでよくわかるし、ドラマがワンカットなのもよくわかったし、エンドロールで本物のスタッフが、俳優が演じるスタッフがやっていたことを実際にプロらしくやっているのがわかるのもいい。最後のシーンは脚立を使ったのですね。そこまでネタバレしてるのか。
ラスト、肩車していたスタッフ、キャストの面々が、何か成し遂げたような満足な表情を浮かべているところもすばらしいし、肩車する面々を祈るように見つめるおばちゃん女優もいい。
なんというか、学園祭みたいなノリなのだけど、こういう達成感って、半分アマチュアみたいだから可能な感じもする。でも、半分アマチュアみたいに見えて、実際はスタッフもキャストもプロなんだということ。この辺がこの映画の魅力で、だからこの映画にかかわった人たちの誰をも好きになってしまうし、そして、また見たくなるのだ。