2019年9月20日金曜日

松方コレクション展

木曜の午後は国立西洋美術館の松方コレクション展へ。

美術展は午後3時半くらいに行くとだんだんすいてくるので、今回も午後3時半近くに上野駅に到着。チケットは美術館で買うつもりだったが、10月からのハプスブルク展の前売りを買いたかったので、上野駅構内の美術館チケット売り場をのぞいたら両方売っていたので、ここで買うことにした(値段は美術館で買うのと同じ)。
前に高齢者が2人並んでいて、2人ともやけに時間がかかるので、美術館で買えばよかったかな、と思ったが、せっかく並んだのでここで買った。

なんと、これが大正解。
美術館の前へ行くと、チケット売り場は長蛇の列。スタッフが待ち時間25分の札を掲げている。
チケット買うのに25分も並ぶの? パンダか?
いや、ほんと、パンダ舎の前みたいにテントがあった。
上野駅で買ってよかったです。

松方コレクション展は地下。

松方コレクションは多くが西洋美術館所蔵で、常設展で一部公開されていたので、見たことのある絵もあったが、他の美術館や個人が所有しているものや、常設展でも展示されていなかったものが多くあった。
ただ、数が多いせいか、会場を細かく仕切っていて、狭い。しかも、チケット売り場に行列ができているくらいだから人がものすごく多く、歩くのも大変なくらい。
こんなに混んでる美術展は初めてというか、最近では新海誠展が混んでたけど、あれよりはるかに混んでいた。松方コレクション、新海誠に勝つ?
まあ、新海誠展は始まってわりとすぐに行ったのだけど、松方コレクション展は23日まで。平日の午後でこれでは3連休は入場制限もあるのでは?
ふだんなら4時すぎるとどんどん人が減り、最後はがらんとしてしまうのに、これは最後まで混んでいた。グッズ売り場も大混雑。
買った絵葉書。種類は少なくて、下の絵葉書以外の絵柄はあと少ししかない。

真ん中が今回の目玉、オルセー美術家所蔵のゴッホの「アルルの寝室」。松方コレクションは大恐慌で売りに出されたり、火事で焼けてしまったり、戦争でフランス政府に接収されたりしたのだが、戦後、フランスから多くが返還されたものの、一部は返還されず、これはその1枚。
そのすぐ下が松方幸次郎の肖像画。その左がマネの自画像、右がドガによる「マネとマネ夫人像」(この絵がドガっぽくて好き)。上の2枚はゴッホの「ばら」とモネの「睡蓮」。この2枚は常設展に常に展示されていて、何度も見たことがある。今回、モネや印象派の絵の多くは常設展で見たことのあるものだった。初めて見たものにはムンクのやロダンの絵もあった。知らない画家の絵でもなかなかいいものがあったのだが、絵葉書になってなくて残念。
とにかく狭いところにたくさん展示しているので、ロダンをはじめとする美術館所蔵の彫刻が、いつもは常設展の広いスペースにゆったりと置かれ、じっくりと見られるのに、今回は狭いところにまとめて置いてあるので、鑑賞条件としてはあまりよくなかった。会場をもっと広げることはできなかったのだろうか。
今回のもう1つの目玉は長年行方がわからなかったモネの「睡蓮 柳の反映」で、ルーヴル美術館で発見されて松方家に返還され、西洋美術館に寄贈されたもの。保存状態が悪くて絵の具が剥げ落ちてしまい、特に上半分はなくなっていたのを修復したのだけど、新たに描き加えることはしていないので、それだけ見るとどういう絵なのかわかりづらい。本来の全体像を紹介する映像がそばで流れていて、それで想像するのだけど、非常に大きな絵の下の方だけがなんとか残っているという状態。クロード・モネのサインはしっかり残っている。
いろいろな絵があって、非常に見応えはあったけれど、とにかく人が多かった。もっと早く行くべきだったのだが。
西洋美術館は松方コレクションを返してもらうために作ったのだそうで、設計があのル・コルビュジエ。ル・コルビュジエ設計の本館の方も使って2会場にして、ゆったりと見せてほしかったな、と思う。