クライヴ・レヴィル、リチャード・チェンバレン、そしてヴァル・キルマーと、若い頃によく見たハリウッドのスターたちの訃報が続き、驚いている。キルマー以外は90代なので、天寿をまっとうしたと言えるのかもしれないけれど。
「将軍」のチェンバレン、「トップガン」のキルマーは人気スターだったので、ニュースも多かったが、通好みの渋い演技派レヴィルについてはニュースは1つだけだったかな。
レヴィルとチェンバレンはイギリス人だとばかり思っていたけど、レヴィルはニュージーランド出身、チェンバレンはアメリカ人だった。でも、2人ともイギリス貴族とか似合っていたよね。
チェンバレンとキルマーについては記事がたくさんあるので、ここではレヴィルの話を。
レヴィルと言えば、やはり70年代のビリー・ワイルダー監督の「シャーロック・ホームズの冒険」と「お熱い夜をあなたに」、そしてロベール・アンリコ監督の「ラムの大通り」。3本ともDVD持ってます。
「ホームズの冒険」では出番が少なかったレヴィルだが、続く「お熱い夜をあなたに」では準主役。というか、かなり重要な役。インターネットムービーデータベースにあった写真です。
右からビリー・ワイルダー監督とジャック・レモン、レヴィル。
「お熱い夜をあなたに」の一場面。左がレヴィル。
このワイルダー2本の間に「ラムの大通り」があって、こちらも重要な役で、しかもかっこよかった。個人的にはこの映画のレヴィルが一番好き。
このほか「刑事コロンボ」での犯人役が有名。「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」でパルパティーンの声をやったのに、その後の作品で演じた俳優の声に置き換えられてしまった、という話がなんか一番話題になってたなあ。そこじゃない、と思うんだが。
というわけで、亡くなった3人の映画を思い出していたのですが、先週金曜に見た「エミリア・ペレス」について書かないといけないのだが、その後、いろいろあって、先延ばしになっている。見た直後に勢いで書くべきだったなあ。ちょっと時間がたって、その勢いがなくなってしまい。
ひとことでいうと「エミリア・ペレス」はマッチョな世界における女性の生きづらさを描く映画。これと「教皇選挙」と「アノーラ」が今年見た中では私のベスト3なのだけど、「教皇選挙」が女性を拒否する男社会の話、「アノーラ」が貧しい身の上から玉の輿をねらう女性の苦難、そして「エミリア・ペレス」がマッチョ世界での女性の生きづらさ、と、3本ともジェンダー的な視点で見られる映画なのだ。その辺は今度、あたらめて書きます。
さて、閉館が決まった丸の内東映で開かれている昭和100年映画祭。
魅力的なラインナップで、日本映画はあまり見ていない私にはそそる作品ばかりなのだけど、銀座が遠くなってしまったので通うのは無理。
で、上映作品を紹介するパンフレットに「遥かなる山の呼び声」を書いています。これは山田洋次作品の中でも5本の指に入る好きな映画。
が、パンフレットを読んでいたら、他の執筆者はみんなすごい業界人、プロ、っていう文章なのに、私のだけ素人の感想文みたいに見えるのだ。
依頼されたときは、映画を見ていない人にもわかるように内容にも触れてほしい、という条件があっただけなので、設定やストーリーのことを入れて、あとは私の書きたいことを書かせてもらった。ていうか、この文章、私にしてはかなり推敲した文章なんですよ。言葉の選び方とかいちいち考えて書いてます(って、こういう執筆の舞台裏を書くのは好きでないのだけど、今回はほんとに推敲をよくしたので)。
でも、他の人たちのプロっぽい文章に比べると、非常に異質な感じがして、とまどっています。まあ、日本映画は得意でないので、そういう観客代表ってことでいいですかね?