図書館に予約した本を借りに行き、ついでに新聞を読んでいたら、ウィーン国立歌劇場の日本公演の全面広告があった。(画像は公式サイトから。新聞広告とは違います。)
ウィーン国立歌劇場か。なつかしいなあ。1990年頃だったか、「魔笛」を見に行った。あれから35年くらいたつからチケット相当値上がってるだろうなあ、と思って見たら、なんと、S席8万円前後(平日と土日で料金が違う)。一番安いE席が3万円近く。E席ってすごく少なくて、並ばないと買えないのではなかったかな。今は違うのか?
私が「魔笛」を見たときは、S席4万円で、80年代末にメトやミラノスカラ座のときはS席3万円台前半だったから、4万円は高いなあ、とそのとき思った。が、今や8万円前後。
へえほうと思い、さっき、公式サイトを見たら、東京文化会館が休館する前の最後の公演になるという。
え、東京文化会館休館するの?と、今度はググってみたら、大規模改修工事のためで3年はかかるみたいだ。
東京文化会館は西洋美術館と向かい合わせにあり、西洋美術館はル・コルビュジエ設計で、東京文化会館は彼の弟子の日本人の設計。両者の一体感というものが考えられていたよう。ただ、西洋美術館の方が先にできたようで、手前の東京文化会館がまだ工事中の写真がある。
東京文化会館は何度か行ったことあるけど、あまり好きではなかった。
ミラノスカラ座の4演目の内、「ナブッコ」、「トゥーランドット」はNHKホール、「カプレーティとモンテッキ」は東京文化会館、「ラ・ボエーム」はNHKホールと神奈川県民ホールで、4演目セットを申し込み、「ナブッコ」と「トゥーランドット」はNHKホールで、「カプレーティ~」は東京文化会館で、「ラ・ボエーム」は神奈川県民ホールで見た。
で、初東京文化会館が「カプレーティとモンテッキ」で、これは「ロミオとジュリエット」のオペラ化。ロミオをメゾソプラノが歌うことになっていて、そのときはアグネス・バルツアで、とてもよかったのだけど、なんか見づらいホールだった。そのあと、英国ロイヤルバレエの「白鳥の湖」も見たけど、どっちもS席ではなくて、S席じゃないと上の階の脇から見る感じになる。NHKホールに比べると座席数少ないので、事前申し込みでもS席がとれないのだ。
その後、だいぶたってオーストラリアバレエ団を見に行って、そのときは安い席にしたのでうんと高いところから見下ろすことになったが、高所恐怖症なので、怖かった。
NHKホールに比べると奥行きがなく、上に高いという、ヨーロッパのホールに近いのかもしれないし、だだっ広いNHKホールより音響などはいいのだろうと思う。
音響といえば、音響で評判のよいサントリーホールも改修で1年間休館するらしい。神奈川県民ホールは建て替えだっけ?
東京文化会館は小ホールもあって、そこではピエール・アモワイヤルのリサイタルを聴いた。1980年代末から2000年くらいはクラシックのライブにお金をかけられたんだから、私にしては余裕のある時代だったのだな。
そんなわけで、クラシックファンには思い入れの多いだろう東京文化会館。ここが長期休館だと、オペラとかどこでやれば?ということになるのだが、あとはNHKホールくらいしかないし、文京シビックセンターは正直、ウィーン国立とか呼べるホールじゃないよね?と思ってしまうのは私だけか?
その上、S席8万円前後って、と思ったら、公式サイトのこのページの下の方に、価格高騰についての説明があるけど、なんか悲惨な雰囲気のただよう文章ですね。
公演日時・会場・チケット料金/ウィーン国立歌劇場/2025/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会
やっぱり円安、物価高の影響なのだね。私が欧米のオペラやバレエの日本公演見てた頃は円高だった。それが大きかったのだな。寄付金つきのサポーター席もある。お金を出してくれる協賛企業も減っているのかもしれない。ていうか、昔はいい席は全部協賛企業がとってしまって、一般はS席でもあまりよくない席ばかりだったのだ、ということを思い出した。神奈川県民ホールだけいい席だったのは、あそこは協賛企業が席をあまりとってなかったのだろう。