2010年12月15日水曜日

神奈川県は東京都よりすごい

 これ見てください。
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jorei/siryou2-kisoku.pdf
 いやあ、長いんで、最初の方しか読んでないんですが、青少年に見せてはいけないものについて、具体的にしっかり書いてあります。
 東京都の方はあいまいで、これでは限りなく範囲が広がることが懸念されているのですが、神奈川県の具体性は逆に恐怖。
 東京都の方は、アニメフェアへの出版社のボイコットが広がりを見せていたり、メディアも一部、取り上げていたりと、反対の動きは相変わらずあるのですが、民主党が党議拘束かけて賛成にまわるようで、こりゃもうあかん、な感じ。その上、てんたまさんのレポート読むと、すでに漫画家や出版社の方で自己規制が始まっている模様です。
http://angels-pathway.clanteam.com/What_to_do_101123.html
 東京都の条例は、これが可決されると前よりきびしくなるのかというと、必ずしもそうではない気がしているのですが(実際、これまでの条例や法律でも十分取り締まれるという意見が多い)、新しい条例が可決されることによって、自己規制などで表現が萎縮するとか、あるいは、条例のせいで、悪いことをしていないのに白い目で見られるとか、そういった社会的影響が出ることが気になります。
 たとえば、荒川区の、野良猫に餌やったら罰金条例(正式名称忘れましたが)は、適用にいたるまでにいくつもハードルを越えないといけないので、事実上、適用ができない状態なのですが、この条例ができたせいで、地域猫の世話をしている人が暴力をふるわれる事件が起きたりしています。つまり、条例ができる=猫に餌やる人は悪人=だから暴力をふるっていい、みたいな理論で動く愚か者が出るってこと。
 今回の青少年健全育成条例でも、反対する人はエロを擁護する悪人みたいに思う人がいるように。成人が成人向けのエロを見ていただけで暴力ふるわれるようにならなきゃいいが。
 あとは、1920年代から30年代のアメリカの禁酒法みたいなことにならなきゃいいが、と思いますね。お酒を禁止するものだから、ギャングが密造酒を売るようになり、そして、飲酒の年齢制限がなくなったから、逆に、未成年や子供が平気でお酒を飲むようになったという。
 子供に禁止する=世の中から追放する、にならない方法を作らないといけないのです。

追記
 有害図書とか、不健全図書という言い方がすでに危ういというか、そういう言い方には、子供には有害、不健全だけど大人には無害であり、不健全ではない、という考え方はないと思います、たぶん。
 また、前から書いているように、近親相姦=不健全という考え方は私はおかしいと思うし、そういう考えを植えつけると、たとえば、ひっそりと暮らしている相思相愛の近親相姦のカップルがいて、子供もいたりする場合、そのカップルと子供が差別迫害を受けるのは間違いないでしょう。
 このマンガが読めなくなる、とか、そういうことより、こういう影響の方が心配です。