2014年3月17日月曜日

偽ベートーベンもかすんだ論文疑惑

昨夜はNHKが偽ベートーベン・佐村河内氏についての検証番組を放送したようですが、検証と呼べるものではない、ただの謝罪、というきびしい意見も。
しかし、その後発覚した理研の論文ねつ造事件がこの偽ベートーベンを遥かに上回る仰天事件だったので、今や偽ベートーベンなんかどうでもよくなった人も多いのではないでしょうか。
なにより、偽ベートーベンはまだ無名の頃から18年くらいずっとやっていた、つまり付け焼刃じゃなかったのですが、理研のねつ造事件はただの付け焼刃なのですぐにバレたというお粗末さ。
私は当初はこのSTAP細胞の件は、へえ、そう、くらいの認識しかなく、リケジョの星とか、ピンクの壁の実験室とか、ムーミンとか、スッポンとか、ゴスロリふうのブラウスにミニスカとか、指輪とか、祖母の割烹着とか、ああ、またやってるなマスコミ、くらいにしか思いませんでした。もともと興味のある世界ではなかったし、ノーベル賞確実、なんていうのも、ふーん、そういやなんとか細胞の山中教授も受賞したから、あるのかな、くらい。
が、その後、「ネイチャー」掲載論文の画像がまったく関係ない博士露文の画像のコピペとか、その博士論文がまた20ページ以上にわたって他人の文章のコピペとか、それ以外にも出るわ出るわ。この小保方氏は論文の数は少ないそうですが、少ないのにコピペの山らしいので、いったいこの人、何が面白くて論文書いてるの? 研究してるの? という怒りがまずありました。また美人と言われたその顔が、確かに平安時代なら美人の顔立ちだと思いますが、なんというか、その雰囲気や表情が、いかにもおじさま好みに見えたので、おじさん科学者を手玉にとって出てきた女詐欺師か、と思ってしまったのです。
しかし、このところのいろいろな記事を見ていると、もしかして、小保方氏はおじさん科学者たちに利用されたのでは、主犯ではなく従犯だったのでは、という気もしてきました。
もともとピンクの実験室には棚の上に薬品がまったくなく、あれで実験しているのか、という疑問があり、また、白衣は使い捨てなのに祖母の割烹着を着続けているのはおかしい、とか、割烹着が新しすぎる(伊勢丹で買った?)とか、理系の世界を知る人から疑問が出ていました。で、これは理研の上司たちが小保方氏を売り込むために仕組んだのだ、という記事が。
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20140315070914336
そして理研の会見では小保方氏を未熟者と決めつけ、小保方氏だけに罪を着せようとしている、という批判も出てきているようです。
http://www.j-cast.com/2014/03/17199446.html?p=all
この記事では、割烹着などは理研の演出ではないと否定しているそうですが、30歳の女性が勝手にあんなことできるのかという疑問が。
それはともかく、理系の世界に詳しい人の意見をいくつか見て、小保方氏はただの助手だったのかな、という感じもしてきています。上の方のリンク(中日新聞)に小保方氏を取り巻くおじさん研究者たちの図が出ていますが、小保方氏はハーヴァード大学に留学中、STAP細胞を提唱するバカンティ氏に気に入られ、この研究に加わるようになり、その後2011年に例のコピペだらけの博士論文を出し、理研に就職。副センター長笹井氏のもとでSTAP細胞の実験をするわけですが、「ネイチャー」論文は画像は小保方氏のものだが、論文の構成は笹井氏がやったとのこと(こっちの論文の文章にもコピペがあったのだが)。
つまり、小保方氏はバカンティ氏や笹井氏の指導に従って実験をしていたが、なかなか成果が出ないので、タイムリミットも迫ってるし、でねつ造してしまったのでは? と言われてもいるのですが、もし仮にSTAP細胞が本当に作れていたとしたら、ノーベル賞はバカンティ氏と笹井氏がもらう可能性が高かったのだろうか? 実際、小保方氏をノーベル賞と結びつけていたメディアは日刊ゲンダイだけだというし。
また、小保方氏が言ったという「コピペがいけないという認識はなかった」というのも理研の会見でおじさん科学者が言ったことなわけで、ほんとに小保方氏がそう言ったのかもわからないです。小保方氏はいけないことだとは知っていたけど、STAP細胞の実験をさせるから早く博士論文書け、コピペでもなんでもいいから、どうせ早大はわかりやしないよ、とか言われてやっちゃったのかも。そして、「ネイチャー」論文もその路線でやってしまったのかもしれないわけです。
おじさん科学者たちは若い研究者に実験させて、それで成果がなければお払い箱にすればいいわけで、小保方氏自身の身から出た錆の面は大きいとはいえ、地位を得ているおじさん科学者たちは責任ないのか! と、感じるようになってきたのです。唯一、科学者としての良心に従った若山氏ですが、彼は噴出する疑問に理研も小保方氏もまったく答えないときに、小保方氏のために一生懸命答えていた人で、今回の面々で唯一、科学者の良心を感じさせます。
まあ、このあとどういう展開になるかわかりませんが、もっとすごいことが起きて、この件も忘れられてしまうのだろうか。