2014年7月1日火曜日

なんでこうなるの?

月曜日、新聞をいくつか見てきましたが、新宿の焼身自殺未遂事件は社会面の下の方にちょこっとしか出ていませんでした。海外との違いにはやはり驚きますが、ドイツのメディアではNHKが報道しないことに厳しい意見が出ているらしい。
なんにしろ、海外には日本にこういう政治問題があるということが伝わったので、それは悪くないことかと。
あと、焼身自殺未遂はともかく、集団的自衛権の問題自体があまりというか、ほとんど扱われてないのにびっくり。
そして、こんな政治家まで出現。
http://news.livedoor.com/article/detail/8992412/
北海道議会議員、小野寺まさる
「集団的自衛権に反対して焼身自殺と?…これは公衆の場での迷惑極まりない行為であり、明らかに犯罪だ。又、死にきれずに多大な方々に迷惑をかけた愚行だが、これを「三島事件」と同列に扱うマスコミは完全にイカれている。日本の将来を憂いた国士と日本解体を目論む団塊の世代崩れは真逆の存在である。 」


確かに犯罪といえば犯罪ですが、三島由紀夫の自衛隊殴り込み切腹事件も立派な犯罪です(確か、自衛隊の人にけがさせているはず)。
「三島事件と同列に扱う」って、もともとマスコミは報道しないんだから同列じゃありません。
海外のメディアで三島由紀夫の切腹を紹介したのも、別に今回の事件と重ねたのではなくて、日本は焼身自殺が少ない、古くからある自殺として切腹があり、三島由紀夫が切腹した、と書いているだけ(もちろん、海外の記事なんか読まないで書いているのでしょう)。
「日本の将来を憂いた国士と日本解体を目論む団塊の世代崩れは真逆の存在である。 」どっひゃあ、この人、三島由紀夫を英雄扱いなんだわ。自分の思想に合う人は憂国の士で、合わない人は日本解体を目論む非国民なわけですね。
NHKに任命された委員かなにかで、三島由紀夫の切腹を美化した埼玉大学名誉教授の女性がいたけど、その人の仲間なのか。そういえば、NHKの会長や委員に任命された変な人たちもずっと居座っている。
セクハラ野次じゃないから問題にならないのか、この人は。北海道にもこういう人がいるのね。どこの選挙区だろう(セクハラ野次議員はすぐに選挙区が調べられた)。
「死にきれずに多大な方々に迷惑をかけた」というのも、死んだら迷惑かけなかったみたいで、おかしな日本語。つか、未遂だったからマスコミの扱い小さかったっていうのもありそうだな。WHOの基準うんたら、っていうのは、マスコミに都合のいいときだけ適用してるからただの言い訳。


この道議はこれから炎上するのかどうかわかりませんが(炎上したら文字通り、焼身に)、それより、なんでこうなるの?の極致は、スタップ細胞の小保方氏の全面勝利です。
ネイチャーの論文は撤回が決まったので、スタップ細胞は白紙に戻ったのですが、理研は小保方氏に再現実験ならぬ検証実験をさせることを決定。7月から11月まで、国民の税金を使って、国民の税金で高い給料もらって、またスタップ細胞を作ってみるのだそうです。
理研にしてみれば、小保方氏が処分されなければ、理研の上の方の人たちも処分されずにすむわけで、そのうち国民も忘れてうやむやに、というのがねらいとしか思えない。早稲田大学の捏造博士論文も、結局撤回にならない可能性も。
そして、理研の公式サイトには、小保方氏の「がんばりまーす」のコメントが。なんだか、プロスポーツのサイトで、チームに復帰する名選手が「がんばります」とサイトにコメントし、まわりも拍手で迎えるみたいなのを連想してしまいました。
改革委員会の提言はすべて無視、それどころか組織ぐるみの隠蔽や過ちに対して、間違っていなかったと居直り、批判した科学者たちはいつのまにか声をあげなくなり、一部のすでに教授になっている人やアカデミズムの外に出た人だけが声をあげている感じ。単なる論文不正でなく、日本が誇る最大の研究機関が組織をあげて隠蔽し、批判の声も封じられてしまうという、ここは暗黒の中世か、という感じです。
しかし、あのいいかげんな出来レース公募を、優秀な人を選ぶために必要な方法で、たまたまはずれをつかんだ、と言っている人が何人もいたのには怒りを通り越して絶望感しかありませんでした。そして、不正がわかってからの隠蔽が結局ずっと続いていて、ついに小保方氏と理研が手を携えて勝利宣言というふうにしか見えない。悪が勝ってめでたしめでたしがこれほどはっきりした出来事はほかに見た記憶がありません。
なんでこうなるの? 私は外野だけど、努力した人たちが本当にかわいそう。彼らが報復されないことを祈る。


追記 小野寺まさる氏(選挙区は帯広のようだ。帯広って打とうとしたら、オボ宏と打っちまったよ)は2年前にもツイッターで騒動を起こして、ネトウヨ認定されてました。