2017年8月15日火曜日

「秒速5センチメートル」&「星を追う子ども」

前日に続いてキネ旬シアターで新海誠特集。DVDで見ている「秒速5センチメートル」と、初めて見る「星を追う子ども」。「秒速」には前日「言の葉の庭」と併映だった「彼女と彼女の猫」がやはりついているが、せっかくだから一応見た。
昨夜、ネットでオリジナルの新海誠の短編を見たが、この併映作品はリメイクではなく前日譚だった。最後に主人公が白い猫を拾う。オリジナルはその白い猫と彼女の物語。白い猫の役はどちらも新海誠。うーん、オリジナルの猫のモノローグがすごくよかったんだけど、こちらの別監督の作品では声が違って聞こえた。あと、新海もどきみたいなモチーフが逆にうざい感じなんだよね。
「秒速」は輸入盤のDVDだったので、英語字幕が入っていたから、やっと本物を見れた感じ。主人公は中学1年のときに栃木県に会いに行ったのが最後の彼女をずっと思っているけれど、彼女はもう結婚間近で、彼のことはちょっと思い出す程度なのだなあ、というラストであった。彼の方も恋人と別れ、仕事をやめ、新しい人生を始めようとしているのかもしれない。本気で会おうと思えば会えたはずなのにそれをしなかったのは、思い出としてとっておきたかったのだろう。
「星を追う子ども」は新海作品では一番人気がないらしく、映画館ではあやうくお一人様になるところだった。「雲のむこう、約束の場所」と同じく、壮大な世界を出すとストーリーががたがたになる。特にこの映画は宮崎駿だったら傑作になりそうなだけに残念感がいっぱい。ただ、妻を失った男とか、あの世へ行って戻ってくるとか、「君の名は。」のご神体シーンやかたわれどきシーンに似たシーンとか、「君の名は。」とのつながりを感じる。「星を追う子ども」は内容に合っていないタイトル。それと、ヒロインの人物造型がかなりいいかげんで、彼女は父親を失った喪失感があるのに、それが生かされていない。なんで教師にくっついてあの世へ行くのかわからん。なりゆきではいかんのだよ。あと、現実の舞台が1970年代の日本の田舎で、二槽式洗濯機や黒電話などなつかしいものが登場していた。