2018年11月21日水曜日

「ボヘミアン・ラプソディ」IMAX&応援上映@日比谷

今週金曜から「ファンタスティック・ビースト」の第2作が公開されるので、先週比100%を超える勢いの大ヒットを続ける「ボヘミアン・ラプソディ」が条件のいいスクリーンから追い出され、上映回数もかなり減らされるようだ。
そんなわけで、TOHOシネマズ日比谷のIMAXとプレミアムシアターで見ておこうと、初めて東京ミッドタウン日比谷に向かう。
日比谷は自分の庭のようによく知っているので、ミッドタウン日比谷へ行くのは問題ないのだが、中に入ってからシネコンにたどり着くのが大変らしい。
開館直後は人が多くて、エレベーターは乗れない、エスカレーターに乗るのも大行列とかで、とても行く気になれなかったが、半年たった今はもうすいている。が、ここはエスカレーターで行こうとすると、上のフロアに上がるたびに歩かねばならず、なんかもう、フロアガイドを見ただけで、ここは迷路なのか、と思ってしまう。
そして、ハシゴする場合の問題はメシ!
郊外のシネコンだとショッピングセンターのフードコートで食事すればいいので、ハシゴの間の食事は余裕だったが、日比谷だと安い速いのは有楽町駅の吉野家くらい。が、ミッドタウンを出るのに10分、有楽町駅へ行くのに10分かかったら、往復40分になってしまう。IMAX終了とプレミアムシアター開始の間は1時間しかない。
ミッドタウンのレストランは庶民には縁がないような値段だというし、シャンテの地下はリーズナブルだけど、注文してから料理が来るのに時間がかかるかもしれないところはやはり無理。
ということで、昼間にディナーを食べて、夜はシャンテ近くのファーストフードに決めた。ゴジラ像のそばのウェンディーズで久々にハンバーガーとチリを食べた。ここは前はファーストキッチンだったのかな? シャンテ周辺で映画を見たときにはよく利用していた。

ということで、写真を撮ってきました。携帯なのでボケボケ。
まず、地下鉄の日比谷駅の11番出口から直接ミッドタウンに入り、すぐ左のエスカレーターで1階へ。外を見てみたかったので、この階段を上がって2階へ行くことにする。

階段の上から。真ん中のずっと奥にゴジラ像がある。右奥が日比谷シャンテ。

2階からエスカレーターで4階に到着。日比谷公園が見える。

入口でゴジラがお出迎え。

IMAXを鑑賞して、外へ。イルミネーションがきれい。

ウェンディーズで食事して外へ。シャンテ前のゴジラ像。

もう一度、あの階段を上がる。イルミネーションはここから見てもきれい。この階段、ほとんど人が歩いていないので、絶好の撮影場所です。

プレミアムシアター鑑賞後、6階の屋上庭園へ。ここはかなり遅くまで開いている。

ミッドタウン日比谷はエスカレーターもエレベーターもとても不便というか、何を考えて設計しているんだ、というレベル。同じミッドタウンでも六本木は便利だったし、TOHOシネマズ上野は直通のエレベーターがあるので、待っているとすぐエレベーターが来たが、日比谷はエレベーターが各駅停車なので、時間がかかるしなかなか来ない。かといってエスカレーターだと迷路だし。階段というものはないのか、ここは?

というわけで、ミッドタウン日比谷はあまり行きたくないと思ったのだけれど、IMAXとプレミアムシアターはかなりよかった。
IMAXは初体験だったのだけど、TOHOの新宿と日比谷のIMAXはスクリーンが小さいとか音が小さいとか、評判が悪かったので、どうしたものかと思ったけれど、TOHOが6回見たら1回タダの回で、IMAXが割り増し料金の500円だけで見れるから、とりあえず、日比谷にしてみるか、と思って出かけた。
席は前後左右どこからもちょうど真ん中くらいの席。確かにスクリーンは大きくない。ただ、輝度や解像度みたいなものは日本橋で見たTCXより明らかにいい。スクリーンは大きくないけれど画質はいい、というところ。音は、日本橋アトモスで物足りなかった重低音がガンガン響く。「ロック・ユー」の足踏みとか、本当に足踏みしているみたいに響く。音量は私にはちょうどいいくらいで、特に日本橋のアトモスで気になったクライマックスのライブシーンのひどい雑音が、ここだと、同じ雑音が出てるのはわかるが、ほとんど気にはならない。日本橋アトモスの、私の見た回がひどかっただけなのかもしれないが、あのアトモスは割り増し料金払うレベルじゃなかったと思う。日比谷IMAXの音は爆音ではないが、楽器の音の美しさとか、質的な面がよかった。スクリーンの大きさとか音の大きさにこだわる人には物足りないのだろうが、質を求める人にはいいのでは?と思うけれど、他のIMAXを知らないので、なんとも言えない。
プレミアムシアターはTCXにカスタムメイドの音響。TCXは日本橋と同じなので、スクリーン的には違いはない。が、音響が、これまでにないサラウンド感。音楽でないシーンでのサラウンド感がよく出ている。出だしのファンファーレのところも、これまでで一番いい感じ。重低音はIMAXほどではないが、日本橋アトモスよりは出てる? そして、クライマックスのライブシーン、あの雑音はまったく気にならなかった。
このプレミアムシアターは応援上映の回で、席についたとき、まわりの人を見て、これは応援上映でも足踏みしたり歌ったりはあまりなさそうだな、と思ったが、実際、私の周辺はとても静かだった。後ろの方に人がたくさんいたので、後ろの方では応援していたのかもしれない。IMAXでも最後に拍手があったけれど、こちらは最後にもっと大きな拍手があった。
応援上映では画面の下に歌詞が英語で出るので、意味がよくわかって、より深く映画を理解できた。もっとまわりが騒いでくれたら楽しかったのに、と思う。

というわけで、行ってよかった、IMAXと応援上映のハシゴ。
水曜はレディースデーでかなり混みそうだけれど、火曜も先週火曜の150%以上の客入りだったらしい。IMAXやアトモスが終わってしまうので、駆け込みもあるのだろう。

今回、1日に2回見て考えたのは、フレディを堕落させるポールという男について、
映画のはじめの方では、メアリーがフレディを見つめていると、そのそばでやはりフレディを見つめるポールが描かれたりして、2人がフレディを奪い合っているような描写があるのだけれど、ポールはフレディのだいじな人を次々と追い払うみたいな人物として描かれている。マネージャーを陥れて、フレディが彼を追い払うようにさせたり、フレディがバンドの仲間と離れるようにさせたりする。
ポールを、ファウストを誘惑するメフィストフェレスみたいに描いたら、もっと面白くなったかもしれないな、という考えが頭をよぎったけれど、この映画では、ポールは「ウィー・アー・ザ・チャンピオンズ」で歌われる敗者とされているのだ。
ポールがフレディに愛を告白したとき、フレディは、「君は自分の思いを投影しているだけだ」というようなことを言って、彼を拒否する。ポールのフレディへの愛は、フレディのためを思う愛ではなく、むしろ自己愛なので、フレディはそれがわかっていたのだ。
だが、メアリーやバンドのメンバーが家庭を持ち、自分だけが人生を共にできるパートナーを持てずにいて、そんな中でフレディの腰巾着みたいなポールを頼るようになる。
雨の中でフレディが真実を悟るシーンはやはり名シーンだ。このシーンから、フレディの顔ががらりと変わり、大人の顔へと変化する。
フレディにクビにされたポールはテレビでフレディのプライバシーを暴露し、フレディのことを「寂しいパキ・ボーイ」だという(フレディはペルシャ系インド人の移民だが、イギリスではパキスタン人と一緒にされていたようだ)。テレビを見るフレディの顔にはもはや怒りの表情もない。彼は冷静に自分を反省し、これからの生き方について考えている。
一方、ポールは北アイルランドのベルファスト出身で、カトリックでゲイなので親にも理解されず苦しんでいた。「寂しいパキ・ボーイ」とは、実は自分のこと、「寂しいアイルランド系」の自分のことだったのだ。テレビを見るフレディはもう「寂しい少年」ではない。
ポールをとことん悪役にしていないのは、そうした寂しい思いをせざるを得ない当時のゲイの人々への思いやりがあるからだろうか。