2月14日月曜日はバレンタインデー。
オミクロン怖いと思いつつ、東京都美術館のフェルメールと17世紀オランダ絵画展へ行ってきました。
なんで月曜日開館しているのかというと、例の「窓辺で手紙を読む女」のキューピッドが復元されたので、バレンタインデーは開室となったのでした。
いやはや、あのでかいキューピッドが現れてすっかり俗っぽくなった「窓辺で手紙を読む女」ですが、バレンタインデー開室とか、ミッフィーのコラボグッズが人気とか、もう最初から俗っぽい世界だったのだわ。まあ、フェルメールの絵は風俗画だしね。これまで神秘的に見すぎていただけなのかもしれない。
というわけで、上野公園。
12時50分に都美術館に到着。
美術館に向かう人は少ない。当日券買ってるのは私だけ。12時50分に買ったのは12時半から1時までに入るチケットなので、荷物をロッカーに預けてすぐ入ります。バレンタインデーなので月曜開室はどうも知られてないらしく、今日は終日、当日券買ったらすぐ入る感じだったようです。中もすいてました。
フェルメールの死後に塗りつぶされたキューピッドの絵が復元された「窓辺で手紙を読む女」と、レンブラントの「若きサスキアの肖像」くらいしか目玉がないので、実はオンラインチケットも土日の朝イチ以外はまだ余裕ありのようです。
「窓辺で手紙を読む女」と復元の過程の展示をはさんで、17世紀オランダの画家の肖像画や風景画、版画などが並び、それなりに見ごたえはあるものの、全体に地味な感じ。「若きサスキアの肖像」が一番気に入ったかな。
フェルメールに興味を持ったのは1980年代にピーター・グリーナウェイの「ZOO」を見たときで、この映画がフェルメールの光に影響を受けたと知り、フェルメールの画集を買ってみたら、この「窓辺で手紙を読む女」が窓からの光が印象的で、一番記憶に残った絵だった。
その後、実物を見る機会がないまま時がすぎ、なんと、キューピッドのでっかい絵が真ん中上に現れたのを見るはめになったのだが、美術展では復元前の絵の複製画と復元後の本物が展示されていた。
で、復元前の絵の複製には上の方にカーテンレールが描いてあるのだが、今度の復元後の絵は額縁のせいか、カーテンレールが見えない。絵葉書は復元前と復元後の両方を売っていたけれど、絵葉書では復元前の絵もカーテンレールが見えない。このカーテンレールが今、謎になってるみたいなんだが。
それはともかく。キューピッドが現れたせいで絵の意味があまりにもわかりやすくなり、見る人の自由な想像とかが完全に断たれてしまったのだけど(つか、説明しすぎだろ)、それに加えて、見る人の視線が女性とキューピッドの両方に行ってしまうので、復元前のように窓からの光に照らされた女性に視線が集中しない。
つまり、私が最初に興味を抱いたフェルメールの光が減じられてしまった気がするのだ。
あと、キューピッドがでかいので絵がごちゃごちゃした感じになったな。
ただ、復元前の複製画を見ると、80年代からずっと頭の中で昇華されていた「窓辺で手紙を読む女」は実際はそんなに自分好みではなかったのかな、という気もする。
わりとすいていたので、「窓辺で手紙を読む女」の復元前の複製画と復元後の本物を何度も行ったり来たりして見比べた。他の絵も2巡して、特に気に入った「若きサスキアの肖像」は何度も戻って見たりした。どのくらいすいていたかというと、「窓辺で手紙を読む女」の前にいる人は10人いるかいないか。他の絵も、前に人がいない絵があちこちにあるので、次が混んでいたら誰もいない絵を見て、また戻ってくることができた。
ゴッホ展のチケット争奪戦がすごかったけれど、ゴッホ展に比べたらかなりすいている。目玉が少ないのと、コロナで行くのをためらっている人が多いのだと思う。
グッズ売り場もグッズの数が少なくて、すいていた。ミッフィー・コラボなどの人気グッズは始まってすぐに売り切れてしまったとか。次の入荷は2月末らしいので、それもあってすいているのかもしれない。
というわけで、1時間半ほどで美術館を出て、上野動物園を門から少しのぞく。
上野公園は花が咲き始めていた。
都美術館の裏側。こちらからは入れない。
展示作品リストとチラシと絵葉書。毎度のことなのだが、目玉以外で私が気に入った絵の絵葉書はないのだった。絵葉書の種類も少なかった。
2年前は都美術館でハマスホイ展をやっていたら、コロナで途中終了してしまった。終了前に2回見に行っていたからよかったけど、今度もいつ突然終了するかわからないし、そうでなくても終了間近になるとチケット争奪戦になって、その頃にやっぱり行きたいと思ったら困るので、まだすいていそうな今、行ったのでした。
バレンタインデーで開館なのに、上野公園のあたりは全然バレンタインデーの雰囲気はありませんでした。