「ケイコ 目を澄ませて」の三宅唱監督特集の「ユリイカ」2022年12月号を借りて読んでいる。
去年、映画を見た直後に書いた記事で、女性観が古い!と書いたけれど、木下千花氏がこの監督の世界はホモソだと書いていて、過去作を見ていない私には参考になった。が、木下氏は「ケイコ」についてはあたりさわりのないことしか書いていない。
この木下氏の論考の中で紹介されていたこの本、「男同士の絆」に興味を持ち、市内の図書館にはないので県立図書館で予約。出版されてからかなりたっているのに予約2番目なのに驚き、カードを持っている文京区立図書館で検索したら、こっちは予約が17人。
なんで?と思って検索したら、今月初めにテレビの「100分で名著」で紹介されたらしい。
とりあえず県立図書館の順番待ち(前にも書いたけど、県立図書館だと予約1位でも本が来るのは1か月後、気長に待とう)なのだけど、1985年の出版ということで、今の目で見ると古いのでは、という気がしないでもない。内容紹介を見ると、ホモソについてのフェミニズム的考え方を決定づけた本のようだが、女性たちがあこがれたBL的ホモソの魅力はここからは完全にはずれるわけで、そういうあたりはどうなんだろうと思う。
1980年代といえば、去年、スタンリー・カヴェルの「幸福の追求」を読んだけど、これも80年代なんで、女性観や結婚観の古さを感じた。
県立図書館ではとある映画論の本も予約しているのだけど、こちらの本は11月頃からずっと貸出中。どうなってんの?と思っていたら、他の図書館から借り出ししようとしているらしい。借りた人と連絡がつかないのだろうか。
そして、今、県立図書館から借りている本。アニー・エルノーの「凍りついた女」。エルノーが高く評価された「場所」、「ある女」、「シンプルな情熱」より前の作品で、文体がかなり違う。内容は自分のことを赤裸々に書いているのは同じだけど。エルノーは下層の両親のもとに生まれたが、その方が中流の家に生まれた女性よりも男女平等の考えで育っている、というのが興味深い。その彼女が中流の家の男と結婚して、1人で家事と育児をしなければならなくなる。彼女にとっては中流の方が男女差別があって、女性が生きづらいみたいだ。
エルノーの本は4冊とも県立図書館で借りたのだが、「シンプルな情熱」以外はあまり借りられた感じがなく、本がきれいだ。90年代に出た初版なのだけど、古い本とは思えないくらいきれい。
そして、文京区立図書館では1か月前に予約した「モドリッチ自伝」がやっと借りられるようだ。1か月前に予約したときは貸出中で予約はなく、私が予約1位になったのだけど、そのあとすぐに6人くらい予約が入った。なのに本はいっこうに来ない、という具合で、ここも予約してから借りられるのにけっこう時間がかかる図書館なのだろう。
注 画像はすべてアマゾンからお借りしました。