2014年12月19日金曜日

セパミのミ

明日12月20日発売のキネマ旬報1月下旬号の新宿ミラノ座閉館特集に執筆しています。
この号のメインの特集は市川雷蔵。特集の中心的執筆者は元キネ旬編集者・橋本光恵さん。橋本さんには当時、いろいろとお世話になりましたが、雷蔵の話もよく伺った気がします(そのわりには私は雷蔵の映画、あまり見てないのですが・汗)。
そして、明日20日から大晦日までは新宿ミラノ座ラストショーとして、いろいろな映画が上映されます。明日は早速、「E.T.」と「戦メリ」かあ。キネ旬の新宿ミラノ座特集にはなつかしい写真がたくさん掲載されています。
その特集の中の記事でも書いたのですが、新宿ミラノ座は松竹セントラル、渋谷パンテオンとトリオを組んで、同じ作品を上映していたのです。記事には書きませんでしたが、ファンにはセパミと呼ばれていたらしい。セがセントラル、パがパンテオン、ミがミラノ座。
「セパミがルパミになり、ルとパが消えて、ミもなくなるのだという」というような意味のツイートを見かけましたが、ルはセントラルが閉館したあと、マリオンにできた丸の内ルーブル。が、セントラルに続いてパンテオンが閉館、そしてルーブルも閉館、最後に残ったミラノ座が大晦日に閉館。
このセパミのような上映館グループをなんというのかなあ、と考えていたのですが、系列とかチェーンとかいうのは、東宝系とか松竹東急系、あるいはTYチェーン(東宝)、STチェーン(松竹東急)という場合に使うので、作品ごとの上映館グループは、たとえば、日劇系とかいう言い方であったと思います。
で、セパミですが、以前は松竹セントラル系と言われていたように思います。そして、セがルになったあとは丸の内ルーブル系でした。つまり、銀座日比谷有楽町界隈の映画館の名前に系がついていたと思うのです。日劇系とか、丸の内ピカデリー系とかですね。こういう言い方もまた、すでに古くなっているわけですが。

2014年12月16日火曜日

有楽座というよりはニュー東宝シネマが閉館

来年2月末に閉館ということは8月にすでに発表されていたのですが、地味な映画館なのであまり話題にもならず、気がつきませんでした。
現在の館名はTOHOシネマズ有楽座だそうです。
長い間、ニュー東宝シネマと呼ばれていたのですが、2005年に、かつて日比谷にあった大劇場・有楽座の名前を引き継ぎ、館内も大幅にリニューアルして新・有楽座として開館。
うわ、こんなゴージャスな映画館になってたのか!
http://www.cinema-st.com/road/r047.html
私が知っていたニュー東宝シネマはこれですね。映画館最後尾の眺めというサイトの中に、最後尾から見たニュー東宝シネマがあります。
http://www.holysnow.com/coffee/k-tai/
ウィキペディアでは有楽座のところにこの映画館が紹介されていますが、ニュー東宝シネマは1950年代開館なのに80年代からの上映作しか紹介されていない。
ここで見た映画の思い出というと、70年代はじめにリバイバルされた「卒業」。
初公開のときも大ヒットでしたが、このリバイバルもかなりの人気で、日曜日に行ったら、お目当ての回はもう満員で、さらに次の回を待つ人の列がものすごくて、出直そうと思ってその日は帰りました(別の日に出かけて見た)。
当時はここは750席くらいで、ウナギの寝床みたいに細長い映画館で、あまり見やすくないし、同じ映画をよそでやっていればここには来なかったので、「卒業」以外に見た映画をすぐには思い出せません。
そんなわけで、有楽座の名を襲名すると聞いたときは、あのしけた映画館が有楽座を名乗るとは許せん、と思ったのですが、座席の数を半分に減らし、名前にふさわしいゴージャスな映画館になっていたとは。
ここも何かお別れ上映とかあるんですかね? 「卒業」やってくれないかしら。(でも、狭いから、やったら大混雑で大変そう。)
閉館の理由は入っているビル自体が閉鎖ということで、有楽町界隈も相当に景色が変わってしまいそうです(すでに昔の阪急がなくなって全然違う風景になっているが)。

2014年12月12日金曜日

明日公開の映画

明日13日公開の映画、「天国は、ほんとうにある」の劇場用プログラムで、作品評と、インタビュー&プロダクションノートの抄訳を担当しています。
が、この映画、全国で2館でしかやらないらしい。関東はヒューマントラストシネマ渋谷のみ。
重い病気で生死の境をさまよった幼い少年が、天国へ行ってイエス・キリストに会った、という話。実話の映画化、ということで、「大霊界」の子供版か、と思いましたが、意外に宗教色は濃くなく、どちらかというと田舎町の人々と家族のホームドラマのような感じでした。
監督、以前はランダル・ウォレスといっていたので、私はランダルにしてしまいましたが、最近はランドールにしているところも多いのですね(調べたら両方ある)。たぶん、発音はランドールの方が正しいのだと思うけれど。
主演のグレッグ・キニアの演じる田舎のプロテスタントの牧師さんがとてもユニークです。こんな牧師ってあり?と思ってしまいました。

2014年12月7日日曜日

インターステラー@新宿ミラノ座

クリストファー・ノーランは処女作「フォロウイング」からずっとフォローしていて、雑誌やこのブログにも必ず文章を書いていたが、新作「インターステラー」は正直言って、あまり見る気がしなかった。理由はまず長い。おまけに内容が、滅亡する人類を救うために人間が住める惑星を探しに行くって、それ、いつのSFや?という話(昔からある話なんですよ)。これを3時間もやるのか、おい、てな感じだったのだが、上映館が年末で閉館する新宿ミラノ座なので、これを見納めにするのは悪くないと思って行ってみた。
で、ふだんは映画館は平日に行くことにしているのだけど、やはり年末ということで平日も忙しく、土曜日に出かけた。土曜日の新宿なんて行きたくないのだがしかたない。行ってみると、チケット売り場の前に10人くらい並んでいた。お、こんなに並ぶのめずらしい、と妙に喜ぶ。入ってみると、さすがに平日よりは客が入っている。平日だとほんとガラガラだけど、まあ、ガラくらいにはなってる(土曜でもこんなものか、というくらいでした)。
ミラノ座は20日頃からラストショーということで、過去に上映した作品をいくつも上映する予定だけど、これも行けるかどうかわからない、たぶん行けないだろうな、と思うから、ほんと、これが最後かもしれないと思い、帰りに2階のロビーを見てみたり、1階に置かれたポスターを全部見たりした。パンフレットの販売会もやっていたけど、映画が終わる頃には閉店していた。
で、「インターステラー」なんだが、今出てるキネ旬では妙にヨイショしていて、これってもしかしてベストテンに入れようというステマ?とか勘ぐってしまうのだけど、特集の方はヨイショっぽいのは1人だけで、あとはわりと納得の解説文であった。
クリストファー・ノーランの大ファンを自認する私に言わせれば、これ、今までで一番つまんないよ。
まあ、つまんないわりには3時間まったく飽きなかったので、それはさすがだと思う。きちんとできているから飽きさせない。
でもねえ、終わったあと、カップルの女性が「で、これ、何が言いたいの?」と男にたずね、男沈黙、というシーンを見てしまったが、私もこの映画「So what?」です。
難解な映画では全然ないんですよ。難解な方が「2001年宇宙の旅」や「惑星ソラリス」みたいで、いろいろ考えるところがあって、さすが、と思えるのだが、全然難解じゃない。ブラックホールやワームホールを抜けて別の場所に行くというのはいまやSFファンじゃなくたって知ってるだろう。
愛がすばらしい、とか書いている人いたけど、ノーランの映画は常に愛が隠し味だったのに、この映画は最初から愛だ愛だとうるさい。もう、愛のてんこ盛りで、見ているうちに食傷してしまう。さりげなく愛、だからよかったのにさ。
だいたい、人類が滅亡しそうになってる、と言ったって、なんだか重力が変で、それで砂嵐が起きて、雨が降らなくて、農業がだめになり、それで滅亡しそう、という設定が、はあ?という感じ。そうなりそうになったときに何かできただろう?と突っ込みたくなる。黙って砂嵐が来るのを待ってたわけ? シェルター作ってとか考えなかったわけ? ただもう、科学を捨ててあきらめたの? わからん。
この種の勝手に人類滅亡しそう状態を作るSFって、以前は批判する人いたよね。今はいないのか?
で、冒頭の主人公と娘のシーンはなんだか「シックス・センス」の監督っぽいし、宇宙に出てからは「ゼロ・グラビティ」の二番煎じっぽいし、新しさをまったく感じない。「彼ら」とか言ってるので、「2001年」みたいに宇宙の神みたいなのが出てくるのかなあ、と思ったら、それはなかったのでよかった。この辺はノーランはやはり現実的。そのかわり、謎とか神秘とか無縁。
上で、「ただもう、科学を捨ててあきらめたの?」と書いたけど、ノーランとしては科学を捨ててあきらめることをしない、というテーマを頭でひねくりまわして作ったんじゃないのかな、と思う。というのは、映画の中で何度も繰り返されるディラン・トーマスの詩「あの心地よい闇に静かに入っていってはいけない」というのは、病気で死にかけている父親に詩人が語りかける詩だからだ。トーマスはウェールズ出身で、のちにアメリカに移住した無頼の詩人だが、病で死にかけている父親に対し、これが運命だと思ってあきらめて死ぬな、と言っているのである。しかし、映画を見ている私たちにとって、科学をあきらめて捨てた人類はノーランが勝手に作り出した人々でしかない。まあ、ノーランは観客に向かってあきらめるなと言ってるわけじゃないと思うが。
3時間近く、そして地球の時間では100年近く、すったもんだしたあげく、ラストでは人類が他の惑星へ移住する計画が進められているけど、まだ入り口に立ったばかりみたいだな。ブラックホールの中で主人公は、遠い未来の人類はすごい科学の発達をなしとげたとわかるようだけど、あのシーンは科学的には反則だと思う。
あと、stayという単語がキーワードになっていたけど、この単語は「E.T.」でいろいろな意味で使われた単語。なんかいろんな過去の映画のモチーフで作られた、かなり懐古趣味的なSFにしか見えなかったというのが私の感想です(はあ。溜息)。
その他いろいろ言いたいことあるけど、ノーランはストレートに人間を描くと底が浅いのがバレバレなのもなあ(もう一度溜息)。
でもまあ、きちんとできているので3時間飽きないというのがとりえ。

2014年12月3日水曜日

昭和な時代の終わり

高倉健に続いて、菅原文太が世を去った。
菅原文太といえば「仁義なき戦い」や「トラック野郎」だけど、社会活動家でもあったとは。
なんだかほんとに昭和な時代の終わりを実感。


昭和な時代の終わりと言えば、戦後昭和の時代を象徴する大劇場映画館・新宿ミラノ座と、ミニシアター・シネマスクエアとうきゅうの入ったビルの映画館4館が年末に閉館とのことで、上の2館に関する原稿依頼が来ております。
そして、さっきは、執筆翻訳で協力した今月公開の映画のプログラムのゲラがPDFで来ていました。
さらに、郵便受けには、毎年恒例のベストテン選考の依頼が。これ、依頼から締め切りまでがものすごく短いんだよね。なので、あまり考えずに好きな順に選んでしまうというか、だいたい8位まではすぐに決まるけど、残り2つが候補がいくつもあって困る。
特に忙しいわけではないのだけれど、なんとなくせわしない感がある。師走です。