2年前、思わぬ大ヒットとなった映画「テルマエ・ロマエ」の続編「テルマエ・ロマエⅡ」を見てきました。
映画館はここ。日本橋三越の前に新しくできたコレドの中のTOHOシネマズ日本橋。
http://mi-mo.jp/pc/store.php?iid=0018&tid=00000390
実は前作は埼玉県の非常勤講師先の大学の近くのシネコンで見たのですが、スクリーンは大きかったけど映像の映りがあまりよくなかったのです。
今回のTOHOシネマズ日本橋では「テルマエ・ロマエⅡ」は2つのスクリーンで上映されていますが、前回のこともあったし、やっぱりいい条件で見たいと思い、大型スクリーンのTCXという方で見てきました(100円高い)。
大きなスクリーンで、映像も美しくて、満足でしたが、それ以上に今回の作品は前作を超える面白さ、完成度の高さで、大満足です。
前作も面白かったのですが、ところどころ演出がゆるかったりするところもあって、そういうところには目をつぶっての評価だったのですが、今回は脚本も映像も演技も演出も文句のつけどころがありません。しいていえば、魔女や火あぶりは中世だから時代が違うよね、とか(上戸彩に「クオ・ヴァディス」のデボラ・カーになってほしかった)、水をくぐってきたのになんで本が濡れてないの、とか、市村正親の出番が少なくて残念、というところくらいです。
物語は基本的に前作のパターンを踏襲していますが、相撲協会の協力を得ての相撲エピソード、原作にもある山賊が温泉造りをするエピソードが、平和なローマ帝国を望むハドリヌス帝とテルマエを通して平和な社会を作りたいルシウスの願いという全体的な流れに上手に入り込んでいます。そして後半は、戦争で領土を増やしたい元老院一味とルシウスたちとの戦いに。ここで次期皇帝のケイオニウスが活躍、というか、ケイオニウスは女癖が悪い、というのがギャグになっているのだけど、最後にギャグじゃなくてプロット上の重要な要素として出てくるという、なかなか考え抜かれた脚本です。ギャグやユーモアもよいテンポで、ルシウスのタイムスリップのときに登場するテノール歌手にもストーリーが。そして、エンドクレジット途中に登場するエピローグがまたよいのです。
お客さんも「1より面白かった」と言っていましたね。
普通、1が大ヒットしたら、早速2を作って翌年には公開、としてしまうところ、2年という期間をおいて2を作ったのが成功だったと思います。ほんとにじっくりと練られた上出来の作品で、このあと3を作るときに逆にプレッシャーになってしまうのではないかと思うくらい。3はまた2年後でしょうかね。
それにしても、ローマ人を演じる阿部寛、市村正親、北村一輝がはまり役で、特に今回は北村一輝がよい見せ場があります。前作は市村正親がすごすぎる演技でしたが、今回はちょっと見せ場があまりなかったので、3ではぜひ市村のスケジュールを調節してもっと見せ場を作ってもらいたいです。阿部寛も、以前はこの人の映画はすべてコケると言われていたのに、これで大逆転。私も以前、別の映画で、暗い俳優だな、と思っていたのがイメージ変わりました。ルシウスのくそまじめだけどはたから見たらおかしいというところが実にはまっている。
原作の方は昨年、終了してしまっているのだけど、映画はまだまだアイデアしだいでシリーズ化可能なので、ぜひとも3作目もまた完成度の高い映画にしてもらいたいです。