木曜の雨と金曜の強風で桜はどんどん散っていく。今のうちに写真撮っておかねば、と、カメラを持って某霊園に。で、着いたときはよく晴れていたのに、しだいに雲が広がり、雨が降ってきた。
その前に霊園と某寺で桜や猫の写真を撮り、地面に積もった花びらなども撮って、おまけに白いタンポポを発見。そんなふうにして、お花見客の中で撮影をし、その後、花見客の来ない地味な区域へ移動。そこでソメイヨシノではない、まだ散りそうにない桜の木を見つけ、写真を撮る。が、その頃には空は灰色の雲におおわれ、時々、ゴロゴロと雷の音が。
とりあえずそこを離れ、なじみの猫のいるところへ行こうと、わりと高い木が何本も生えているところに行ったら、ついに雨が降ってきた。
その高い木の1本の根元は雨が落ちてこないので、しばらくそこで雨宿り。そのうちやむだろう、と思っていたら、やんだので、水滴のついた花を撮ろうと、またさっきの桜の木のところに戻り、写真を撮った。が、その後また雨。それでまた木の下に戻り、雨宿りしていると、雨は激しくなり、雷も派手になってきた。
ついに木の下にいても雨が落ちているようになったので、折りたたみ傘を出してさす。そのとき、パラパラと雹が降ってきた。カメラを出して、石の上に落ちる雹を撮る。光が足りないのでうまく撮れなかったけれど、それでも小さな雹がいくつも石の上に落ちている写真が撮れた。雹はすぐに溶けてしまい、降ってもこなくなったので、ほんの一瞬の出来事に近かった。おまけに雷が光ってすぐにドンと音がしたので、こりゃ高い木のそばはヤバイかも、と思って高い木から離れ、低い木の下に避難。すごい雨なので、傘さして低い木の下にいても濡れてしまう。
このにわか雨は暖かい空気に冷たい空気が入ってきたためのようで、雨が降る前は暑かったのに、雨が降り出してからは冷たい風が吹き、どんどん気温が下がった。暑いと思って薄着で来たので、寒くなり困った。
この霊園は水はけが悪いので、一部に排水溝が造られたくらいなのだけど、激しい雨で墓地の通路はあっという間に川になってしまった。傾斜もあるので、滝のように流れている場所もある。あちこち水浸しで、思うように行きたいところにも行けなくなった。さっきの桜の木のまわりも池ができてしまっている。それでも根性で近づき、また写真を撮る。
その後はとりあえずなじみの猫のところへ行くが、そこまでの通路もすっかり川や池になっている。ふだんは猫しか通らない、地面より高くなっているコンクリの、文字通りのキャットウォークをカニみたいになって通って、ようやく猫たちがいる場所へ行くが、さすがに大雨で、猫は1匹もいなかった。どこかへ避難したのだろうと思い、花壇の写真など撮っていると、なじみの猫が2匹やってきた。ずぶぬれになっていたが、あいそをふりまいてくれる(つか、そのずぶぬれの体をこっちの服に押し付けてくる。こっちもぬれているからいいけど)。
というわけで、晴天の桜吹雪から雹の降るにわか雨まで、さまざまな写真を撮ったけれど、相変わらず写真のアップができない。
帰りに桜並木を通ったら、霊園の地図の掲示板に桜の花びらがたくさん貼りついていた。地面も濡れた花びらがあちこちで山のようになっている。風と雨が作り出した桜の光景だった。