2024年10月11日金曜日

これはひどい

 藤田菜七子騎手の1年半以上前の調整ルーム(レース前の夜に騎手がすごす施設で、通信機器使用禁止)でのスマホ使用が文春にすっぱ抜かれ、世間は非難ごうごう、そして菜七子騎手は引退届を出したが、1年半前に6人の若手騎手がスマホ使用で処分されたとき、事情聴取で使用したことはないと嘘を言ったから罪は重いなどと言われていた。が、ここに来て、別の話が浮上してきた。

【藤田菜七子が引退届】師匠・根本師「辞めたくないよ、菜七子も。でも本人に納得いかない部分がある」― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル

「このたびは、このような事態になってお騒がせしてしまい、誠に申し訳ありません。菜七子は今、人前に出て話ができる精神状態ではありません。(昨年5月の)若手騎手6人のスマホの件の時、菜七子は以前に、そういう通信機器を使っていたことをJRAに自ら報告をしている。そして、その際に口頭で厳重注意を受けている。それが週刊誌の報道で、また処分を受ける形となってしまった。本人も納得がいかない部分があると思う。引退届は私の万年筆で大泣きしながら書いていた。もう、このサークルに戻ってくるつもりはないと思うが、競馬を嫌いになったり、馬を嫌いになったりしないでほしい。いつかは子供たちに馬を教えられるようになってほしい。辞めたくないよ、菜七子だって。あと2年で私も調教師としての定年を迎える、そこまでは一緒に頑張ろうと常々話をしていたのだから。菜七子とは娘のように接してきた。俺は死ぬまで泣きながら菜七子が引退届を書いていた姿を忘れない」

菜七子騎手の師匠、根本調教師の談話だけど、これだと、6人のスマホ発覚のときの事情聴取で正直にスマホ使用が過去にあったと報告し、厳重注意になったのに、今回、文春にすっぱ抜かれたとき、JRAはまるで初めて知ったかのように、これから事情聴衆すると言い、認めたから処分と言い出したわけで、これではもうこの世界は信用できない、やめるしかない、と本人が考えたのも無理はない。調教師も同じ気持ちだろう。

当時、厳重注意だけでよかったのか、はまた別の問題だし、それは菜七子ではなくJRAの問題だ。ただ、当時、菜七子のように正直に報告した中堅やベテランはほかにもいて、それをみんな騎乗停止にしたらレースが成り立たなくなるので、正直に言った騎手は厳重注意だけになったのかもしれない。当時はスマホ禁止については6人の処分のあとほどにはきびしくなかったという。

文春がすっぱ抜いたときに、まるで初めて知ったかのように対応し、新たに処分することにしたのは、当時の自分たちのやり方が批判されるからだろう。なんかもう競馬見に行くのもいやになってきた。しかも、マスコミはこの根本師の談話の肝心な部分はあまり報道していない。JRAを守るために菜七子を犠牲にしているようにも見えてしまう。